すぐ人のせいにする…「ジコチュー」な性格を変える方法

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2020年04月08日 21:22  All About

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写真自分の不運を他人や社会の責任にしてしまう自己中心的な方は、他人との摩擦が多く、生きづらさを抱えています。自己中心的な考え方や行動を変えるには、何が必要なのでしょう?
自分の不運を他人や社会の責任にしてしまう自己中心的な方は、他人との摩擦が多く、生きづらさを抱えています。自己中心的な考え方や行動を変えるには、何が必要なのでしょう?

自分がうまくいかないのは親のせい? 社会が悪い?

最近、自分の不運を誰かのせいにすることで、自分をストレスから守ろうとする人が増えているといわれています。

虐待やいじめのように、ひどい扱いを受けてしまった人が「親のせい」「友だちのせい」と他責感を持つのは無理もないことかもしれません。

しかし皮肉なことに、本当にひどい被害を受けている人ほど、「私が悪いからだ……」と自責感にかられてしまい、逆に恵まれた状況に置かれている人ほど、不運の責任を他人や社会に求めてしまう。そんな矛盾も数多く生じているようです。

他責感が強くなると、事実に即した冷静な自己分析ができなくなります。たとえば、「こんな親から生まれなければ、もっと成功できたのに」「自分がうまくいかないのは、この学校のせいだ」、このような口ぐせが多い場合、「自分は悪くない」という自己中心的な信念に囚われているものと考えられます。

自己中心的な人が増える背景にあるものは?

自己中心的な人が増えていることには、複数の要因があると考えられます。その一つに、少子化の影響から親や祖父母から愛情を一身に受け、甘やかされて育っていることの影響が挙げられるでしょう。

記念日には抱えられないほどのプレゼントや大金をもらい、希望を言えば叶えられる……。こうした状況が当たり前になると、日々受けている恩恵への感謝の念を持ちにくくなります。欲しいものは自分の努力で手に入れるもの、という思いも持ちにくくなります。

また、幼いころから「特別扱い」を受けて育つことも、自己中心的な考え方に影響します。「私は特別だから、周りの子と足並みをそろえなくてもよい」……このような状況が許されていると、成長するごとに「自分は特別だ」という思いが強くなってしまいます。

もちろん、そうした子も社会に出れば、特別扱いが通用しない現実を知るでしょう。そのときに現実を受け入れられず、社会に適応できなくなってしまう方もいます。

自己中心的な考え方から心のトラブルが生じることも

自己中心的な考え方は、自分を守る盾になります。「自分は悪くない、他人や社会が悪いのだ」と思うことができれば、自分の責任を感じずに済みます。しかし、その考え方が強すぎると、心のトラブルにつながっていくこともあるのです。

一つは、自己愛性パーソナリティ障害と呼ばれる心のトラブルです。これは自分が特別で賞賛に値する人物だと思いこみ、他人への共感性に乏しく、自分の利益のために他人を利用し、傲慢な態度で他人に接したりするパーソナリティ(人格)の障害です。

また、いわゆる「新型うつ病」と呼ばれる心のトラブルも深刻です。うつ病は真面目で几帳面、自責感が強いタイプの方に生じやすい心の病といわれていますが、仕事には取り組めないが趣味には熱中し、自分がうまくいかない状況の責任を他人に求めて抑うつを深めていくのが、「新型うつ病」と呼ばれるタイプの心のトラブルです。

うつ病は、基本的に薬物療法を続けながらゆっくり休養をとり、自分を責めるなどの考え方を楽なものに変えていくいくことで回復していきます。

しかし、新型うつ病と呼ばれる心のトラブルの場合は、この方法では改善が望めないといわれています。むしろ、常識を教えたり、規律のある生活に慣れさせたりして、自己中心的な考え方を変えていく方法がとられます。

しかし、こうしたアプローチも本人がそれを必要だと思わないかぎり、なかなか功を奏しません。

自己中心的な考え方を変える?「傾聴」と「ファシリテーション」のすすめ

自己中心的であるがゆえに周囲との摩擦が絶えず、生きづらさを感じる場合、今までとは少し違う情報やコミュニケーションを試していくとよいかもしれません。

自己中心的な考え方をしている場合、他人の感情や考えを受け止める経験に慣れていないことが考えられます。そこで試しに、人の話を最後まで聴く「傾聴」、グループワークを総括する「ファシリテーション」のワークショップに参加してみる、という方法があります。

ビジネス関連のセミナーや地域の市民講座などでも、気軽に受けられるものがたくさんあります。1回だけではなかなか理解できないと思われますので、継続的に受講できるとよいでしょう。

傾聴は「相手の話を最後までまるごと聴く」のが基本です。ファシリテーションは、参加者がそれぞれ意見を伝え、お互いの意見を参考にできるように調整しながら進行することです。慣れていくと、人間には様々な価値観があり、一人ひとりが真剣に考えて生きていることが分かってきます。それを知ると、自分の思考や行動を振り返るきっかけになると思います。

周囲の人ができること1:会話を重ねて理解を深めていく

また、周囲の人ができることもあります。まず、その人との会話で不愉快になったときには、相手の何がそういう気持ちにさせているのかをしっかり伝えることが大事です。「そういう言葉を言われれると私は傷つく。だから、そういう言葉は使わないでほしい」というように、はっきりと自分の感じ方や希望を伝えることです。

そして、相手の意見も聞きます。「私は悪くない、あなたがそう仕向けているんだろう」などと自己中心的な言葉が発せられたときには、その人がなぜそう感じているのかを丁寧に確認していきます。

このように、会話を重ねることによってお互いの感情や思考の理解を深めていくことが大切です。すると、本人も自分の自己中心的な考え方がどこから生じて、なぜそれによってなぜ他人との摩擦が生じるのかを理解することができるようになるでしょう。

周囲の人ができること2:過剰な恵みを与えない

また、「与えられることが当然」といった環境で育つと、日々の生活にも感謝の気持ちを持ちにくくなってしまいます。そうした循環を断つには、過剰な恵みを与えないことも大切です。たとえば成人した子には、できるかぎり一人で生活をさせ、自立の苦労を経験してもらうことも必要かもしれません。

このとき、責められても甘えられても揺らがないことです。相手をつき離すのではなく、相手の成長を信じて見守りましょう。第三者の協力も必要になるかもしれません。ひきこもりなどのケースは、自治体や若者自立支援団体に相談してみるのも一案でしょう。家庭のみで抱え込まず、周囲に相談していくことがよりよい改善につながることもあるでしょう。

自己中心的な考え方をしていると、それゆえに他人との摩擦が多く、生きづらさを感じてしまいます。より楽に生きていくためにも、考え方の傾向を見直し、できることから改善していくことが必要だと思います。

大美賀 直子プロフィール

公認心理師、精神保健福祉士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントの資格を持つメンタルケア・コンサルタント。ストレスマネジメントやメンタルケアに関する著書・監修多数。カウンセラー、コラムニスト、セミナー講師として活動しながら、現代人を悩ませるストレスに関する基礎知識と対処法について幅広く情報発信を行っている。
(文:大美賀 直子(公認心理師))

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