桜花賞、オークスで勝つ馬がわかる。安藤勝己選定の「3歳牝馬番付」

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2020年04月09日 06:11  webスポルティーバ

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 牝馬クラシック第1弾となるGI桜花賞(阪神・芝1600m)が4月12日に行なわれる。

 近年は、牝馬のレベルが高くなり、毎年のように”大物”が登場しているが、今年も将来の名牝候補がズラリ。桜花賞、オークスともに、激戦が予想されている。

 そんななか、中心視されているのは、2歳女王決定戦となるGI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月8日/阪神・芝1600m)、桜花賞の前哨戦となるGIIチューリップ賞(3月7日/阪神・芝1600m)で上位を争った3頭。レシステンシア(阪神JF=1着、チューリップ賞3着)、マルターズディオサ(阪神JF=2着、チューリップ賞=1着)、クラヴァシュドール(阪神JF=3着、チューリップ賞=2着)だ。

 だが、この3頭に限らず、実力を秘めた素質馬はほかにもたくさんいる。いずれも、前述の「3強」との対戦はなく、その優劣はまったく読めない。

 要するに、今年の牝馬クラシックはまさしく混戦。ハイレベルかつ熾烈な争いになることは必至である。そうなると、さすがに素人目には実力差を判断することはできない。

 そこで今年も、競走馬の分析に長(た)けた元ジョッキーの安藤勝己氏を直撃。牝馬クラシックに挑む面々の実力について診断・分析をしてもらい、独自の視点による「3歳牝馬番付」を選定してもらった――。


横綱:デアリングタクト(牝3歳)
(父エピファネイア/戦績:2戦2勝)

 トライアルの上位組を差し置いて、この馬が横綱。まだキャリア2戦だが、その2戦とも、実に勝ちっぷりがよかった。

 とくに強調したいのは、終(しま)いの脚。2戦で見せた最後の直線での脚は、荒削りだけど、その分、豪快で迫力があった。そこは、父エピファネイア譲りなんだと思う。

 前走のエルフィンS(2月8日/京都・芝1600m)では、馬場が悪いなか、1分33秒6という勝ちタイムを記録。時計も優秀だ。

 この先、終いの脚にさらに磨きがかかれば、『どこまで強くなるんだろう』といった、競走馬としての奥行きも感じる。もちろん、距離にも不安がないから、桜花賞を勝てば、続くGIオークス(5月24日/東京・芝2400m)も楽しみ。個人的には、二冠もいけると見込んでいる。

 唯一の懸念は、父エピファネイアは豪快に勝つ一方で、取りこぼしもある、というタイプだったこと。そうした血が引き継がれて、本番で出ないか、少しだけ心配している。

大関:マルターズディオサ(牝3歳)
(父キズナ/戦績:5戦3勝、2着2回)

 昨年末の阪神JFと前哨戦のチューリップ賞は、着順こそ違うが、1〜3着は同じ顔ぶれとなった。その上位3頭は、素直にこの世代では実力上位と判断すべきだと思う。

 なかでも、チューリップ賞を勝ったマルターズディオサが最上位。どんなレースでも、必ず勝ち負けに持ち込める。デアリングタクトと違って、取りこぼす不安がないのは、大きな強みだ。

 とにかく、レースがうまいし、派手さはないけど、堅実。体調の変動も少なく、距離への不安がないのもいい。頭のいい馬なんだと思う。馬券の軸としての信頼度なら、この馬が一番だ。

 ということで、大関。チューリップ賞の勝ちタイム(1分33秒3)も、時計がかかる馬場だったことを考えれば、優秀。とはいえ、クラシックで頂点に立つ存在か? と問われるとどうか……。


関脇:レシステンシア(牝3歳)
(父ダイワメジャー/戦績:4戦3勝、3着1回)

 阪神JFのレシステンシアは強かった。2歳馬がマイル戦で1分32秒台なんて、なかなか出せる時計じゃない。2着を5馬身もぶっちぎって、ポテンシャルは相当高いと思う。

 ところが、前走のチューリップ賞では、まさかの3着。現時点での弱点が露呈した感じだ。この馬は、阪神JFの時のようにハイペースで逃げたほうが強い。つまり、チューリップ賞の時のようにペースを落とすと、最後は瞬発力勝負になるから、この馬には向かない。

 とはいえ、チューリップ賞の負けで弱点がはっきりしたのは、この馬にとってはよかった。桜花賞では再び、瞬発力ではなく、スピードの持久力勝負に持ち込めれば、この馬が一番強いかもしれない。

小結:リアアメリア(牝3歳)
(父ディープインパクト/戦績:3戦2勝、着外1回)

 阪神JFでは、断然の1番人気で6着に終わった。その後、1回も使うことなく、桜花賞にはぶっつけで臨むことなる。とすれば、当然人気は落ちると思うが、一発あるとすれば、この馬だ。

 結局、この馬は敏感すぎるのだと思う。よって、GIIIアルテミスS(10月26日/東京・芝1600m)の時のようにうまく折り合えたら、最後にすごい脚を使う。あの時の上がりタイムは、33秒0だからね。能力の高さは相当なもの。

 でも反対に、阪神JFの時のように流れに乗れず、自分のリズムで走れないと、あれ? と思うような負け方をしてしまう。

 この馬の場合、好走の条件は、道中でタメが利くかどうか。うまくタメることができて、気分よく走れば”単”もある。そういうレベルの馬だと思うよ。


前頭筆頭:ミヤマザクラ(牝3歳)
(父ディープインパクト/戦績:4戦2勝、2着1回、着外1回)

 ひと言で言って、渋い馬。使われつつ、コンスタントに走っている。勝ったGIIIクイーンC(2月15日/東京・芝1600m)はメンバーに恵まれた印象があるけど、その前のGIII京都2歳S(11月23日/京都・芝2000m)は強かった。

 粒ぞろいのメンバーがそろった牡馬相手に奮闘。皐月賞でも人気になりそうなマイラプソディの2着に入ったのは、大したもの。能力が高くなければ、ここまでは走れない。

 どのレースを見ても、終いはしっかりしている。爆発力はないけど、代わりに、最後の脚は不発に終わらない堅実さがある。ゆえに、大きく崩れるタイプではない。桜花賞も、勝ち負けとなるとわからないが、掲示板は外さないと思う。

        ◆        ◆        ◆

 このほかにも、人気になりそうな馬はいる。たとえば、チューリップ賞2着のクラヴァシュドール(牝3歳/父ハーツクライ)や、GIIIシンザン記念(1月12日/京都・芝1600m)を勝ったサンクテュエール(牝3歳/父ディープインパクト)だ。

 ただ、前者はいつもカリカリしていて、レースぶりもパンチに欠ける。よくなるのは、もう少し先、という気がする。

 後者は、スピードはあるものの、1600mがギリギリ、という感じの馬。桜花賞でも、うまく立ち回ったところで少し足りない気がして、上位に挙げた馬を逆転するのは難しい、と判断した。

 翻(ひるがえ)って、オークスで面白いと思うのが、ヤマカツマーメイド(牝3歳/父ロードカナロア)。現状ではジリっぽくて、いつもそこそこにしか来ないんだけど、成長力のある血統だし、この先、変わってきそうなところがある。頭の片隅に入れておいてほしい1頭だ。

 何はともあれ、今年の牝馬クラシックは面白い。強い馬がそろっていて、しかも全体のレベルが高い。トライアルで負けたけど、まだ見限れない、という馬も何頭かいる。

 まずは、桜花賞。戴冠ということを考えれば、上位4〜5頭にチャンスがある。「混戦」というより「激戦」だと思う。無観客開催なのは寂しいけれど、レース自体は熾烈かつ白熱した戦いになるはずだ。

安藤勝己(あんどう・かつみ
1960年3月28日生まれ。愛知県出身。2003年、地方競馬・笠松競馬場から中央競馬(JRA)に移籍。鮮やかな手綱さばきでファンを魅了し、「アンカツ」の愛称で親しまれた。キングカメハメハをはじめ、ダイワメジャー、ダイワスカーレット、ブエナビスタなど、多くの名馬にも騎乗。数々のビッグタイトルを手にした。2013年1月31日、現役を引退。騎手生活通算4464勝、うちJRA通算1111勝(GI=22勝)。現在は競馬評論家として精力的に活動している。

このニュースに関するつぶやき

  • こんな時期でも競馬はやるんだ@肯定派 レシステンシアに流すか…
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  • 2番人気:8番人気:3番人気の組み合わせで買う予定だから、正直ウマのスペック見てないんだ
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