感染防止のため乳がん治療中の妻に付き添えない夫 病院の外から愛を伝える「僕はここにいる」(米)

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2020年04月09日 21:11  Techinsight Japan

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がんの治療をする妻と外で励ます夫(画像は『Kelly Harrell Conner 2020年3月30日付Facebook「No visitors allowed for Chemo due to the virus but that didn’t stop Albert L. Conner!」』のスクリーンショット)
新型コロナウイルスが猛威を振るうアメリカでは、ロックダウン(都市封鎖)が行われ外出が規制されている。医療従事者は過酷な勤務を強いられており、多くの病院では感染リスクを考慮して患者の家族が病院に立ち入ることはできない。そんな状況下で先月下旬、テキサス州在住の男性が愛する妻のために、あるサプライズをして話題になっている。『Good Morning America』などが伝えた。

テキサス州ミズーリシティ在住の3児の母ケリー・コナーさん(40)が乳がんの告知を受けたのは、今年1月のことだった。それからというもの、ケリーさんは同州フォートベンド郡シュガーランドの「MDアンダーソンがんセンター」で化学療法を受けており、夫のアルバートさん(44)はケリーさんが病院へ行く時は必ず付き添い支えてきた。

しかし新型コロナウイルスの感染防止のため、最近になって病院が患者以外の立ち入りを禁止し、妻に「全ての治療に必ず付き添うからね」と約束をしていたアルバートさんは心を痛めていた。そこでアルバートさんは、ケリーさんが病院へ行く日に間に合うように大きなボードを用意し、メッセージを書いて子供たちと一緒に色を塗った。家族からのありったけの愛を込めたボードはこうして完成した。

3月下旬のある日、ケリーさんは化学療法を受けるため、初めて1人だけで病院に向かった。そして部屋に落ち着いてしばらくすると、アルバートさんから携帯電話に「今、外の駐車場にいるよ」とメッセージが届いたのだった。窓の外に目をやったケリーさんは、道路の向こうにアルバートさんの姿と大きなボードを見つけて言葉を失った。

ボードはケリーさんが治療する部屋の窓から見えるように置かれており、「君と一緒にいることはできないけど、僕はここにいるよ。アイ・ラブ・ユー(I LOVE YOU)」「スタッフのみんなありがとう」と書かれていたのだ。アルファベットの「I」は乳がん啓発キャンペーンを意味するピンクリボンに、愛を意味する「Love」は真っ赤なハートに置き換えられており、アルバートさんらしい手作りの温かいメッセージだった。

ケリーさんはその時のことを、こう振り返っている。

「道路を挟んだすぐのところに夫がいるのが分かった途端、涙が溢れてきたの。『私のために、彼はここまでしてくれている』と思った瞬間、私の心は愛で満たされたのよ。」

「私が急に喘ぐように泣いているのに気付いた看護師は、仕事の手を止めて私に『どうしたの』と尋ねてきたわ。そして彼女も窓の外の夫とボードに気付き、ボロボロと泣き始めたの。」

一方のアルバートさんは「最初は付き添い禁止と聞いてがっかりしたんだ。でもこの状態だから仕方ないよね。今後はできる範囲で妻を支えていこうと思っているんだ。あの日、看護師ら数人が病院の外に姿を現して、私に『ありがとう』『励みになる。これだから頑張れる』などと言ってくれたんだよ。ちょっと恥ずかしかったけど、嬉しかったね」と明かしている。

なおケリーさんの化学療法は5月まで続き、その後は手術と放射線治療が予定されているという。アルバートさんは現在、免疫が低下しているケリーさんを危険に晒さないために、自身が経営するロックスミス(カギ屋)を閉店しており、自宅で子供たちの世話に専念しているとのことだ。

ちなみにこのニュースには「私は乳がんのサバイバー。今はつらいけど、頑張って。こんな男性がそばにいたら乗り切れるわ」「羨ましい限り。こんな夫は大切にしなくちゃね」「彼の気持ちが嬉しいよね」「早く回復することを祈っているわ」といったコメントがあがっている。

画像は『Kelly Harrell Conner 2020年3月30日付Facebook「No visitors allowed for Chemo due to the virus but that didn’t stop Albert L. Conner!」』『Good Morning America 2020年4月7日付「Husband holds sign outside for wife who has to go to chemotherapy alone because of coronavirus」(Kelly Conner)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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