「妻として、光秀の隣で同じものを見られる人に」木村文乃(熙子)【「麒麟がくる」インタビュー】

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2020年04月10日 05:11  エンタメOVO

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写真熙子役の木村文乃
熙子役の木村文乃

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」。これまで独り身だった主人公・明智光秀(長谷川博己)が、ついに妻を迎えた。その相手とは、美濃の土豪・妻木氏の娘・熙子。光秀の正室となった熙子は、以後、戦乱に明け暮れる夫を支え、明智家を守っていくことになる。熙子を演じるのは、「精霊の守り人」(16)や「サギデカ」(19)など、数々の作品で活躍する木村文乃。撮影の舞台裏や、2度目の夫婦役となる長谷川の印象などを語ってくれた。




−第12回、光秀が熙子にプロポーズするシーンが、木村さんの初めての撮影だったそうですが、振り返ってみていかがですか。

 初めての撮影で、光秀の隣に立つ女性として、他の人とは違う「だからこの人が選ばれたんだな」というものを出さなければいけなかったので、それをどう表現するか、長谷川さんや監督と話し合いました。その結果、お芝居を台本から少し変更して演じることになりました。ただ、当日はものすごく寒かったです(笑)。朝早いロケだったので、霜が引くのを待ってからの撮影で…。でもその分、日が差してきたら、ものすごくきれいだったことを覚えています。

−長谷川さんとは以前、民放のドラマでも夫婦役を演じていましたが、改めて夫婦役で共演される感想は?

 幸せなことだな…と。とにかく穏やかな方なので、隣にいて、何となく話したりするような時間が、とても穏やかに感じられます。撮影に来ているのに、家にいるような安心感もあって。それは、前回から変わりません。現場をよく見ていらっしゃるので、ふとした瞬間に投げかけてくれる言葉に、温かい気持ちにさせられます。先日も撮影のとき、長谷川さんが映っていない私単独のカットまで、きちんとモニターで確認して、ぽろっと「熙子っぽいね」と言ってくださったんです。その一言で「ちゃんと(光秀の)妻としていられているな」と安心することができました。

−長谷川さんの座長ぶりはいかがでしょうか。

 長谷川さんはあまり控室に戻らず、スタジオの脇にある前室にいらっしゃることが多いです。そこで皆さんと、お話をされているんです。それもあいさつ程度ではなく、一人一人、しっかり話し込む感じで。そうやって考えを共有して、座長として立っていらっしゃるんだろうな…と。

−そのほか、長谷川さんとのエピソードで印象に残ったことは?

 とにかく紳士です。撮影では、セットの隙間を縫ってカメラ前に立つことが多く、その隙間に笹や枝や、いろいろな機材がたくさんあるのですが、歩いていくとき、それを全て長谷川さんがよけてくれるんです。マイクも毎回、ボタンで自分の分を電源オン、オフするのですが、私が長谷川さんの後ろで順番待ちをしていると、自分より先に私のマイクをオフにしてくださったり…。そんなふうにジェントルな方です(笑)。

−第九回で光秀と会った初登場シーンの感想は?

 ドキドキしながら演じていました。自分が一番キラキラしていた時代を思い出しながら、頑張ってやりましたが、ちょっと照れくさかったです(笑)。ただ、熙子を演じる上で「胆力があるということを大事にしてほしい」と言われていたので、ふわっとした出方の中にも、後に武将の隣に立つ女性として、恥ずかしくないような人間にしなければ…ということは意識しました。

−熙子を演じる上で心掛けていることは?

 時代劇の女性というと、「三歩下がって」というイメージがありますが、最初に演出の大原(拓)さんから「(光秀の)横を歩いてください」と言われたんです。だから、帰蝶(川口春奈)や駒(門脇麦)がいる中で、熙子が選ばれた理由を考えたとき、ちゃんと隣で同じものを見られる人でいなければ…と。また、熙子は目先のことに左右されず、何が大切かということをしっかり持っている人です。そういうところは私も好きなので、これからも大事にしていきたいと思っています。

−役作りのためにリサーチなどはしましたか。

 熙子に関しては、あらかじめ「伝えられているさまざまな逸話とは関係なく描いていきたい」と伺っていたので、史実を調べて深く人物像を掘り下げることはしませんでした。それよりも、台本から受け取る印象と、監督たちがどう描こうとしているかを大事にしています。

−熙子を演じる中で、どんな手応えを感じていますか。

 長谷川さんとの共演は2度目ですし、あまり人を緊張させる方でもないので、その柔らかい雰囲気に乗って、明智家として本当の家族のように撮影できている感覚があります。母上様の(石川)さゆりさんも、とても気さくにお話ししてくださるので、人生の先輩のお話をいろいろと伺って、撮影していないときも、楽しく過ごさせていただいています。

−光秀と熙子の夫婦の関係は、今後どんなふうにしていこうとお考えですか。

 恐らく、後で振り返ってみて「(夫婦の関係が)できていた」という感じになるんだろうな…と。あまり芝居を固めてしまうと、サプライズがなくなりますし、「このシーンどう来るかな」「じゃあ自分はどうやろうかな」というふうにやっていった方が、ワクワクしますから。その結果、「夫婦だったね」と言えたらいいんじゃないかなと思っています。

−大河ドラマへの出演は「功名が辻」(06)以来とのことですが、当時を思い出すことはありましたか。

 「功名が辻」に出演したのは、映像の仕事がほぼ初めてという頃でした。学校に行こうと思っていたら、マネジャーさんから電話がかかってきて、「今からNHKに来て」と言われ、すぐに電車を降りて、走って渋谷に向かったことを覚えています。その時にご一緒した方や、その後、朝ドラでご一緒した方々が今回は集まっているので、こうしてまた戻ってくることができ、感慨深いものがあります。

−視聴者へのメッセージを。

 常に生死が付きまとう戦国時代の物語の中で、明智家はほっこりできるシーンになっています。長谷川さんの気遣いとさゆりさんの明るさが、とてもいい雰囲気にしてくださっているので、私自身も「こんな家で暮らしたいな」と思うほどです。ご家族で安心して楽しんでいただけたらうれしいです。

(取材・文/井上健一)

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