4月10日は“ショートの日”、芸能人の自己表現にみるショートヘアの有用性とは

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2020年04月10日 08:40  ORICON NEWS

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写真90年代にショートヘアでブレイクした広末涼子 (C)oricon ME inc.
90年代にショートヘアでブレイクした広末涼子 (C)oricon ME inc.
 4月10日は“ショートの日”と銘を打ち、毎年SNSではショートヘアのアイドルやタレントの写真がたくさん投稿されてきた。女性がショートヘアにすると、 “ボーイッシュさ”が増幅するようなイメージをもつ人もいるだろう。しかし、かつて “聖子ちゃんカット”を大流行させた松田聖子が『赤いスイートピー』でショートヘアにしてイメチェンを図ったように、広末涼子がドコモのポケベルCMに登場して他のアイドルの追従を許さないほど圧倒的な存在となったように、いつの時代もショートヘアは鮮烈な印象を与え、数々の流行を作り出してきた。最近ではSNS上で新垣結衣や北川景子のショートヘアにも反響が。大きな破壊力を持ち、話題になることも多いショートヘアのポテンシャルとは?

【貴重写真】まさにアイドル無双時代だった…”可憐さ”に惹きつけられる10代の広末涼子

■新垣結衣がなぜトレンド入り? タレントの髪型にまつわる大衆の熱狂

 ショートヘアの有名人というと、誰を思い浮かべるだろうか。

 80年代ではキョンキョンが筆頭だろうが、アイドルのヘアスタイルの主流といえば、やはりロングヘアだった。しかし、それを打ち破るような衝撃を与えたのが、90年代にブレイクした広末涼子と内田有紀だろう。まさに “ボーイッシュ”なイメージで、少女であり少年のようでもある中性的な魅力があった。ショートヘアによって、より際立つ大きな瞳や透明感は、美しさ・可憐さだけでなく、凛々しさ・儚さもあり、普通のタレントやアイドルとは一線を画した大衆の “熱狂”を生んだ。

 最近の事例でいうと、Twitterでトレンド入りをしていた女優・新垣結衣。今のご時世、芸能人の名前が突如トレンドに入ると、ヒヤリとすることも多い。「なんでトレンドに入ったの?」「コロナ?」「(ロッチ中岡と一緒にトレンド入りしていたため)結婚!?」と多くのユーザーが心配するなか、実情はただただ“かわいい”という事実だけだったということも。

 SNSでは「なんでかガッキーがトレンド入りしてるから、個人的に心臓撃ち抜かれたガッキー貼っとく」「ガッキーのすごいところ言うね」と、ショートヘア・ロングヘアの新垣の画像が多数投稿され、“どっちのガッキーが好きか”論争が起こるまでに。映画『恋空』、『掟上今日子の備忘録』、『逃げるは恥だが役に立つ』、ポッキーのCM…数えきれないほど破壊力抜群の画像が並び、結果「どちらの髪型も抜群に似合うガッキーすごい」と多くの人に癒しを与えたようだ。

■安倍なつみ、前田敦子、平手友梨奈…アイドルグループのセンターは常にショートヘアが担ってきた

 また、同年代の女性が多数いるメジャー女子アイドルグループにおいては、「ショートヘア」がグループの象徴でありセンターとなるケースが実に多い。

 「モーニング娘。」初期には安倍なつみがセンターを務めていたが、99年に後藤真希が加入したことで、状況が一変。王道の黒髪ショートボブから、衝撃的で思春期ならではの刺々しさと愛らしさのある金髪ショートボブにセンターが交代したことで、楽曲の傾向も大きく変わっていく転機となった。

 AKB48の全盛期のセンター・前田敦子も、グループ全盛期の楽曲『10年桜』『RIVER』『フライングゲット』などにはショートボブ、ミディアムショートだった。卒業後は一転してロングにしたが、瑞々しい少女から大人の女性への変貌を、髪型によってうまく引き出している。

 また、乃木坂46も、初期にはボーイッシュなショートボブでダンスなどのパフォーマンス力の高い生駒里奈がセンターを務めていた。生駒が率いていた初期のキレキレに踊れるグループイメージから、「ロングヘアの綺麗なお姉さん集団」イメージにシフトチェンジし、パフォーマンス推しでなくなってからブレイクしたのはやや皮肉な話でもある。しかし、センターの髪型がグループの方向性を大きく変えるという好例ではあるだろう。

 初動から大ブレイクした欅坂46の場合、グループのイメージそのものがショートヘアの平手友梨奈だった。目にかかる前髪のセットの仕方と、激しいパフォーマンスにより、前髪からのぞく目ヂカラの強さが、独特のオーラやミステリアスな雰囲気を出していた。

 「アイドル=可愛い」イメージとして、昭和から令和の今に至るまで主流はロングヘアだが、ショートヘアはその群衆の中で「象徴」「非凡」を担っている。ボーイッシュなイメージと隣り合わせであり、それなりのリスクも伴うため、「人を選ぶ」面は否めない。長い髪という装飾が取り払われることで、顔立ちが際立ち、ごまかしがきかない。究極のところ、『西遊記』三蔵法師を演じた夏目雅子、宮沢りえの美しさは今も語り継がれているように、昔から美人には一切の装飾が不要であり、「ショートヘアが似合う=美人の証拠」というのも定説となっている。自分に自信がないと踏み込めない髪型ではあるだろう。

■ショートヘア初披露の北川景子、人のためではなく“自分らしさ”を表現する手段に

 ロングイメージが強い芸能人は、“髪を切る”だけでニュースになるのも、昨今の風潮だ。

 最近では北川景子。野木亜紀子脚本のNHKドラマ『フェイクニュース』(2018年)の際にもショートヘアにし、絶賛されていたが、昨年11月には再びショートヘアにしたことが報道された。これは2021年公開予定の主演映画『ファーストラヴ』で演じる役柄に合わせてカットしたものだったが、昨年12月発売の雑誌『VoCE』では表紙を務めている。役柄ではなく北川景子としてショートヘアを解禁したことにより、「かっこよすぎて辛い」「まるで宝塚の男役のよう」「こういうのが似合いたい人生だった」などと大反響を呼び、大いにバズった。これを皮切りに、各媒体でショートヘア姿を次々と披露。最近はGLAYのアルバムCMで歌唱する姿も話題になっている。

 役柄に合わせて髪を切る・髪型を変えること自体は役者にとっては珍しいことではない。しかし、それを機に、ある種の決意を打ち出す手段としているのが、実にいまどきだ。『VoCE』のインタビューでも彼女は「北川景子として殻を打ち破る撮影にしたかった。時代に合わせて常に変化していきたいと常に思っている」と明かしている。そこには「誰かのためではなく、自分の殻を打ち破りたい、“自分らしさ”を表現する手段」としてショートヘアを活用した明確な意志が見られる。その考え方自体に同性からの共感が集まったのだろう。

 昔から「髪は女の命」と言われるように、艶のあるロングヘアを切るのは勇気の要ること。確実に大きな変化になるだけに「自分に似合うだろうか」という不安要素もあり、踏み切ることが“決断”のひとつになる。その思い切った意志・決意も含めて、自己イメージを形作る手段としてショートヘアは有用である。

■“ショートヘア失恋説”だけではない、女性が髪を切る心理

 時代劇などでは、身分の高い女性が夫の死後に髪を切って仏門に入るという場面があったり、戦争が描かれるドラマ・映画では戦地から戻らない夫に対する思い・未練を断ち切る象徴として、髪を切るシーンがあったり。そうした「喪失感」を断ち切るための行為が失恋と結びついたのか、少女漫画や恋愛ドラマ、映画など多くの作品において、突然バッサリ髪を切ることは“失恋の象徴”として描かれてきた。

 エンタメ作品においてかつては定番ともいえる描かれ方をしてきた「髪を切る=失恋」のイメージは、現代の現実世界では「失恋したからって髪を切る人なんているの?」という声がある程度に風化してきた。髪をバッサリ切って短くすると「失恋したの?」と上司などに聞かれるコミュニケーションも、今では「古い」と考える人が多いばかりか、ハラスメントとしてとらえる人が多いのではないだろうか。

 かつては“失恋のレッテル”がはられたショートヘアも、時代に応じて変化。ショートヘア美少女たちには大きく分けて、内田有紀、広末涼子、後藤真希、前田敦子、平手友梨奈など、当初からショートヘアだった子の「素材力」を大人が生かしたパターンと、松田聖子やキョンキョンなど、ブレイク後にイメチェンで髪を切ってさらにブレイクした、ショートヘアを「仕掛け」としたパターンの2つがある。

 さらに、近年の傾向としては北川景子のように、成熟した大人が自分らしさを表すための手段として活用。髪を切るという行為やタイミングも自己プロデュースにつなげていくケースが増えている。大人発信のパターンと本人発信のパターンがあり、また、表現方法も様々ではあるが、普遍的なのは、ショートヘアが“自立した女性像”を描いていること。失恋の未練を断ち切るためというのも、一つの自己プロデュースや心機一転の手段ではあったはずだ。

 ショートヘア自体はいまだに新たな立ち位置の明示、低迷・停滞期を転換させる“起爆剤”になりうる重要な自己表現のひとつ。今後も自分のイメージを変えたり、自己アピールしたりするための強力な“武器”として機能していくことだろう。
(文:田幸和歌子)

このニュースに関するつぶやき

  • 往年の名女優マリア、シェルは金髪のショートヘアが素敵でした。
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  • 広末さんもガッキーも基本みんな可愛いよねwww
    • イイネ!22
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