井端弘、岡田彰、川相昌… 「チーム一筋」を貫いて欲しかった選手たち

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2020年04月10日 16:00  AERA dot.

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写真中日では落合監督の下で主力として活躍した井端弘和 (c)朝日新聞社
中日では落合監督の下で主力として活躍した井端弘和 (c)朝日新聞社
 ミスタータイガースとして虎ファンから熱烈に愛された鳥谷敬が、大卒プロ入りから16年間過ごした阪神を退団。数カ月の浪人状態を経た後の3月11日、ロッテの一員として支配下登録された。38歳の新たな挑戦に対して、多くのファンがエールを送っているが、その一方で「タイガースで引退して欲しかった」と思うファンも少なからずいる。この鳥谷と同じように、ファンから愛され、“チーム一筋”を貫くと思われながらも、晩年に他球団への移籍を決断した選手は過去にもいる。

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 鳥谷と同じ阪神では、村山実の後に「ミスタータイガース」と呼ばれた田淵幸一もその一人だ。法政大から1969年に阪神入りしてから10年間を過ごして強肩強打の捕手として活躍し、1975年には本塁打王のタイトルも獲得した。しかし、1978年のオフにクラウンから生まれ変わったばかりの西武へ2対4の大型トレードで移籍。1980年に43本塁打を放ち、1982年、83年には自身初のリーグ優勝と日本一も経験した田淵だが、最後まで縦縞のユニフォームを着ていてもらいたかったファンも多い。

 同じ阪神では、伝説のバックスクリーン三連発の3本目を打ち、引退後に監督としてリーグ優勝に導いた岡田彰布も、現役晩年に外に出た一人。1980年の入団から14年間、阪神の背番号16を背負い続けたが、1993年のオフに成績下降を理由に戦力外通告を受け、球団から「引退試合」、「功労金」、「フロント入り」など多くの条件を提示された。だが、岡田が選んだのは「完全燃焼」の道。会見で「これからも阪神ファンであり続ける……」と涙した後、オリックスで2年間プレー。引退試合では阪神・オリックス両球団の選手から胴上げされた。

 岡田と同じ1980年代から90年代で言えば、西武黄金期の主力たちが晩年に他球団に移籍した。代表的なのが、チームリーダーであった石毛宏典だ。1981年にドラフト1位で西武入り、1年目の1981年に新人王に輝くと、14年間に渡って常勝軍団の主力として活躍し、広岡達朗、森祇晶監督の下で計11度のリーグ優勝、8度の日本一を経験した。しかし、1994年オフに森監督の後任監督を打診されるも固辞。FA権を行使してダイエーへ移籍して2年間プレーした。引退後はダイエーで2軍監督、オリックスで監督を務めたが、指導者としては古巣・西武のユニフォームに袖を通していない。

 球界の盟主として、長い伝統と高い格式を持つ巨人では、川相昌弘の名前が挙がる。岡山南高からドラフト4位で巨人入りし、1984年から2003年までの20シーズン、「バント職人」としてプレー。2003年8月には東京ドームで通算512犠打を達成し、ギネス世界記録にも認定された。そして同年、現役引退を表明し、9月21日には引退試合も行われた。しかし、その直後に原監督の辞任劇があり、自身のコーチ就任と引退後の立場が不透明な状況になると、10月6日に引退を撤回して巨人を退団。その後、中日に入団テストを経て移籍して3年間プレーした。

 巨人と中日。逆のパターンでは、井端弘和がいる。1998年に中日に入団すると、2001年からレギュラーとして活躍。しぶとい打撃と華麗な守備で、荒木雅博とともに「アライバコンビ」の愛称でファンに親しまれ、落合ドラゴンズの強さを支えた。2013年春のWBCでも存在感も見せたが、同年のシーズンで不振に喘ぐと、オフに球団から大幅減俸を提示されて交渉が決裂。結果、巨人に移籍して2年間プレー。引退後は巨人のコーチを3年間務めた。

 鳥谷以外の現役選手では、内海哲也だろう。自由獲得枠で巨人入り。2年目の2005年にプロ初勝利を挙げると、3年目に2ケタ勝利を達成。以降、不振に陥るシーズンなども経験しならがも成長し、最終的にはエースとして2011年、12年と2年連続で最多勝利に輝き、投手陣の支柱となった。そのまま“巨人愛”を貫くはずだったが、2018年オフに巨人がFAで炭谷銀仁朗を獲得した代わりの人的補償として西武に移籍。故障と不振で2019年は1軍登板なしに終わった。

 ここに挙げた面々は、移籍した理由はさまざまだが、そこに共通しているのは「ファンから愛されていた」ということ。違うチームのユニフォームを着ることで「チーム一筋で引退して欲しかった!」と言われることもあるが、その決断が彼ら自身の人生の糧になることも確かだろう。これからの時代、「チーム一筋」の選手の価値はさらに上がって行くことになるだろうが、同時に「外に出て学ぶ」ことの重要性も高まって行くはずだ。

このニュースに関するつぶやき

  • 「チーム一筋」を貫いて欲しかった選手たち???おやおや日頃メジャーを持ちあげて日本は、遅れてるとか言ってるのと真逆じゃないですか?朝日さん
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  • 外野があれこれ言うのは勝手だけど、色々な思惑や事情があってのことだからねえ。中日ファンとしては川相さんが中日に来たのは少なからぬ好影響が得られたと思ってます。
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