FFFレーシング、ベントレーが『SRO・Eスポーツ』参戦を表明。Rモータースポーツも追随

オレンジ1・FFFレーシングチームと、ベントレーモータースポーツ、Rモータースポーツの3チームは、SROモータースポーツ・グループが4月10日に発表した新しいバーチャルレースシリーズ『SRO・Eスポーツ・チャンピオンシップ』に取り組むことを相次いでアナウンスした。

　GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWS（旧ブランパンGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ）のディフェンディングチャンピオンであるFFFレーシングは、先週SROが発表したバーチャルシリーズでライバルに対抗するため、FFF・Eスポーツという新しいデジタルチームを立ち上げた。

　イタリアと中国の混合チームであるFFFレーシングはすでにハイレベルのシミュレーションレースに参加しており、そのプログラムの一環として2019年のeスポーツで傑出したポテンシャルを発揮したカミル・フランザックに、現実世界のランボルギーニ・ウラカンGT3 Evoをテストドライブする機会を与えている。

　そんなFFFレーシングのドライバーで、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパとIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジを戦うデニス・リンドは先月、“モンツァ”で開催されたSRO・EスポーツGTシリーズ・チャリティチャレンジレースに参戦。リアルドライバーのなかで、もっとも上位に入った。

　今回、この両名が同チームから参戦するという正式アナウンスはなかったがFFFレーシングによれば、選ばれたドライバーはチームの完全なサポートを受け、現実世界のランボルギーニと同じカラーリングのマシンでレースを戦うことになるという。
　
　なお、SRO・Eスポーツ・チャンピオンシップでは、リアルのプロドライバーを対象としたプロシリーズと、シミュレータードライバーが争うシルバーシリーズ、一般向けのアマシリーズが設けられる。

「トラックでの活動が停止されていることから誰もがeスポーツコミュニティに注目しているが、僕たちは1年以上前からこのプロジェクトをスタートさせ、SRO・Eスポーツとクノス、AKインフォマティカが行ってきた大規模な取り組みをサポートしてきたんだ」と語るのは、FFFレーシングのチーム代表を務めるアンドレア・カルダレッリ。

「（現実の）レースプログラムと並んで、eスポーツは我々にとって新たな挑戦であり、FFF・Eスポーツをチームの重要な部門として見始めることになるだろう」

「これが軌道に乗ることを願っているが、会社にとって新しいバーチャルチャプターを始めることはとてもエキサイティングであり、成功することを目指すよ」

■ベントレー、Rモータースポーツもアストンマーティンで参戦へ

　ベントレーモータースポーツは前述の3つのシリーズすべてに参加すると発表。プロシリーズには現実世界の“ベントレーボーイズ”の一部が参戦し、シルバーとアマシリーズではベントレーがサポートするシムレーサーがeレース参加する予定だ。

　ベントレーモータースポーツを率いるポール・ウイリアムズは「私たちは数週間前にSRO・EスポーツGTシリーズ・チャリティチャレンジに参加し、そのレースの品質の高さに感銘を受けた」コメント。

「これは間違いなく私たちが競争するのに適した場所だ。ここ数年間『アセットコルサ・コンペティツィオーネ』で、ベントレー・コンチネンタルGT3を使ってレースをしてきた、信じられないほど忠実なファンに応えるものだ」

「また、我々がeスポーツの世界に足を踏み入れることで、現実世界のレースファンもこの分野に参加できるようになる」

　一方、アストンマーティンの主要チームであるRモータースポーツは、Proカテゴリーに3台のアストンマーティン・バンテージGT3を投入する。
　
　こちらも正式なドライバー発表はなかったものの、実際のレースに参加する9名のドライバーから参加者が選ばれる予定だ。また、チームはこの発表に合わせてマシンカラーリングを公開。
　
　グレーとブルーの“コアカラー”にホワイトが加えられた新しいカラーリングは、3月にポール・リカールで行われたGTワールドチャレンジ・ヨーロッパの公式テスト時からアップデートされたものだという。

　全5戦＋グランドファイナルで争われるSRO・Eスポーツ・チャンピオンシップは4月26日、シルバーストンでプロシリーズとシルバーシリーズが開幕する。Amシリーズの開幕は5月16日のスパラウンドだ。