子どもと在宅勤務、弁護士も悪戦苦闘 娘のプリキュア映画中、パパは起案「もう慣れしかない」

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2020年04月19日 08:21  弁護士ドットコム

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新型コロナウイルスの影響で、休校や保育園の休園、登園自粛が広がり、子どもがいながらの在宅勤務が始まった人も多いと思います。ツイッターでは、「心がもたない」、「カオス」と早くも悲鳴が上がっています。


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「育児の片手間に弁護士業をしている」と話す高木良平弁護士は、仕事と育児、2つの世界を持っているからこそ、気持ちを切り替えることができると言います。そんな高木弁護士に、子どもと在宅勤務する際の心構えとコツについて聞きました。



●育児と仕事の区切り方は?

ーー子どもと遊ぶ時間と仕事の時間の区切りかたはどうしていますか



ワンオペ事務所で、元々業務時間が決まっていないという特殊な環境にいるので、子どもと遊ぶ時間と仕事の時間の区切りはまちまちです。



裁判所に行かなきゃいけなかったり、来客の予定が入っていたり、大急ぎで書面作成しなければならなかったりと、そのときやらなきゃいけない仕事の内容にもよりますし、娘達が公園などで遊びたがるかどうかによっても違ってきます。



最近は、裁判所の期日が全部取り消されて、来客も激減したので、午前中は起案に集中して、お昼は一旦帰宅して、家族で昼食をとります。そのあとは、家の中でかくれんぼしたり、公園に連れて行ってそのまま子連れ出勤したりしています。



ーーパートナーとの育児の負担割合はどうしていますか



私が裁判所等に行っている間は、妻に全て任せていますが、私が自宅にいる間や子連れ出勤したときは、基本的に娘達のことは私が担当しています。



ただ、例えば、長女(9)が宿題をしているときは、妻が長女の宿題に付き添って私が次女(4)の相手をするとか、私が娘達をお風呂に入れている間に妻が夕飯の支度をするというような形で分担しています。



●お絵かきやアニメ中に「大急ぎで仕事」

ーー子どもと在宅勤務のストレスは、仕事が進まないだけではなく、遊びたがる子どもを放置しないといけないことにもあります。高木弁護士はどう考えていますか



そこは大きいですね。私は家だと全く仕事にならないので在宅勤務はしませんが、子連れ出勤したときは、例えば娘達がお絵かきやアニメなどに集中してくれている時間に大急ぎで仕事をします。



そのために、事務所には、ぬいぐるみ、絵本、お絵描きセット、ゲーム機、おやつ、ジュースなどを常備しています。ワンオペ事務所で、娘達も事務所が自宅の別館くらいの感覚でいるので、ある意味「在宅勤務」なのかもしれません。



娘たちが構って欲しがったら、「ながら」でできるような事務仕事をするようにしたりしています。小学4年生の長女(9)は、仕事を手伝ってくれることもありますし、次女(4)は観葉植物にお水をあげたり、起案中に飲み物を持ってきてくれたりします。



ーー2歳の子を持つ親から「どこでも触ったりできるので、目を離せないが、一人遊びは基本的にまだできないという難しいお年頃」と悩ましい声がありました。集中して仕事をしたい時、子どもたちには何をさせていますか。



2歳だと難しいでしょうね。娘達が小さい時は、半日潰して朝に公園に連れて行ったり、公園で遊んだあとは自宅でお昼を食べさせ、昼寝をさせてから出勤したりしていました。



うちも、次女が4歳になって、かつ9歳の長女が一緒にいてくれると、ある程度安心して二人で遊ばせられるようになりました。



●「何よりも娘達が最優先」

ーー子どもが大声ではしゃいだり、歌ったりして、なかなか集中できないという声もありました。先生はどう切り替えていますか



これはもう慣れです。すぐ後ろでプリキュアの映画を観て娘達が騒いでいても、起案ができるようになりました。



ーー絶対に欠かせないルールはありますか



何よりも娘達が最優先だということです。仕事は、娘達と生活するための糧を得るためのものに過ぎません。普段から、出張や、夜間休日相談など特別な事情がない限り、毎日17時には事務所を出て帰宅するようにしています。



ーー今慣れない在宅勤務に奮闘している親たちに、メッセージをお願いします



私も寝かしつけが深夜2時くらいまでかかり、朝から裁判所の期日があるのに逆に目が冴えてしまい、仕事をしてしまうこともありました。



育児をしながらの在宅勤務というのは至難の業だと思います。皆さんさぞかし苦労されていることでしょう。心中お察しいたします。



こんな状況だと、大変過ぎて心に余裕がなくなってくると思いますが、一番大切なのは家族であり、命であるということを忘れずに、頑張って乗り切りましょう。一人で抱え込まずに、誰かに頼ることも大事ですよ。




【取材協力弁護士】
高木 良平(たかき・りょうへい)弁護士
1974年、神奈川県生まれ。2004年に司法試験合格し、2006年桜丘法律事務所に入所。2015年8月1日に独立し「MJ法律事務所」(東京都墨田区)を開設。ボクシングのプロライセンスを取得したこともある(現在は失効)。
事務所名:MJ法律事務所
事務所URL:https://mjlawoffice.business.site/


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