ARG eSports Cup第3戦:元BTCC王者アシュリー・サットンが早くも3勝目を記録

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2020年04月20日 11:11  AUTOSPORT web

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開幕戦R1、第2戦もR1、そしてこの第3戦グレンではR2で勝利を挙げたアシュリー・サットン
オーストラリア大陸のモータースポーツ・カテゴリーを統括するARG(Australian Racing Group)が創設したプロドライバー向け新eスポーツ・シリーズ『ARG eSports Cup』の第3戦ワトキンスグレンが行われ、開幕戦、第2戦に続き英国より参戦する元BTCCイギリス・ツーリングカー選手権王者アシュリー・サットンが勝利を飾った。

 この『ARG eSports Cup』は、豪州大陸を代表するツーリングカー・シリーズ、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーを除き、2019年創設のTCRオーストラリアや豪州史上最速フォーミュラのS5000シリーズ、そしてVASCステップアップ・カテゴリーのSuper2やSuper3、V8ツーリングなどに参戦中のプロを対象としたeスポーツ選手権となっている。

 アメリカ西部を代表するロードコース“ザ・グレン”ことワトキンスグレンを舞台とした今回も、各シリーズに加えて3台のワイルドカード枠を争うクオリファイレースを勝ち抜いた計43台がグリッドに並ぶ盛況ぶりを見せたが、やはり強さを見せたのは開幕戦バサースト、マウントパノラマでのレース1で初代ウイナーに輝き、続く第2戦ベルギーのゾルダーでも勝利を飾った元BTCC王者だった。

 技術的トラブルによりレース開始時間が遅れた4月16日の決勝レース1は、そのサットンがフロントロウ2番手に並び、イギリスからの刺客を止めるべく奮闘したV8ツーリングカー参戦中の若手有望株、ハーレー・ハーバー(United eSports)がポールポジションからの発進となった。

 シケインを設定しないショート版を使用したザ・グレンでの勝負は、先頭集団の各車がトウで引き合うスリップストリーム合戦の様相となり、ハーバーとサットン以下、ワイルドカード枠のルカ・ジャコミン(Team Valvoline GRM)、TCRレギュラーのジョーダン・コックス(Garry Rogers Motorsport)、元VASC参戦組でS5000挑戦中のジェームス・ゴールディン(Team Valvoline GRM)らが目まぐるしくトップスポットを入れ替える好バトルが展開される。

 開幕からアウディRS3 LMSワンメイクの設定を使用するこのシリーズでは、イコールコンディションゆえに決定打がないままに周回数だけが増えていく精神戦となるなか、レース時間20分を過ぎた頃から首位ハーバーと後方から追い上げを見せたネイサン・ヘルネ(Gulf Western Oils)が逃げはじめ、サットンを含む後続3台は徐々にギャップを築かれていく。

■第3戦は車両変更。アウディRS3 LMSに代わりF3マシンを採用

 すると直後にTCRオーストラリアでホンダ系ドライバーとして活躍中のジョン・マーティン(Wall Racing)が1コーナーでウォールにクラッシュし、後続を走っていたWTCR世界ツーリングカー・カップ参戦組のニールス・ラウングフェルド(Track Tec Racing)が巻き込まれるアクシデントが発生する。

 第2戦に続くマーティンのリタイアを皮切りに、続々とピット・ルーティンへとなだれ込んだ隊列だったが、その後は昨季VASCデビューで表彰台を獲得したトーマス・ランドル(ACT Fence Hire)らが代わる代わる首位に立ち、選手権リーダーのディラン・オキーフ(Renault Sport GRM)と前戦勝者の2007年VASC王者ガース・タンダー(Melbourne Performance Centre)らが絡むクラッシュが発生するなど波乱続出の展開に。

 そんな混乱をくぐり抜け、ハーバー、サットン、ランドルのパックがファイナルラップへと突入し最後の勝負に。ハーバーはランドルからの執拗なプレッシャーを抑え込み、2本のロングストレートで完璧なブロックラインを取ると、最終コーナーで賭けに出たランドルがわずかなコンタクトで姿勢を乱し失速。これで雌雄は決し、ハーバーがeシリーズ初勝利。バトルを観察して好機をうかがったサットンが2位に続き、ヘルネが3位。ランドルは8位までポジションを落とす結末となった。

 続いてトップ20のリバースグリッドで争われたレース2は、その狙いどおりにオープニングから各コーナーでクラッシュ多発の荒れた展開となるなか、後方からハーバーとサットンの前戦ワン・ツー・ペアが這い上がる展開となり、ハーバーは4周目時点で2番手にまで浮上してくる。

 一方のサットンも宿敵ハーバーの後方で冷静に動きを観察したのち、残り2ラップの最終セクターで首位に浮上。ストレートエンドのヘアピンでドアを閉め、完璧なディフェンスでやり返しラウンド3での勝利を獲得。このパーフェクトな優勝劇でランキングでも首位浮上に成功し、2位ハーバーと3位トム・アレクサンダー(Track Tec Racing/ワイルドカード枠)のトップ3リザルトとなった。

 次週開催の『ARG eSports Cup』第4戦は、ここまで使用してきたアウディRS3 LMSを一旦離れることになり、今度はシングルシーターのダラーラ製F3マシンを採用。その舞台はフォーミュラにふさわしい超高速サーキット、イタリア・モンツァとなる。

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