「私の家族はバイキンじゃない」配送員に除菌スプレー「諦めの境地」マンガに 玄関で考えてほしいこと

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2020年04月21日 07:00  ウィズニュース

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写真渋谷さえらさん(@voxxx)の漫画より= 渋谷さえらさんのツイート
渋谷さえらさん(@voxxx)の漫画より= 渋谷さえらさんのツイート

 新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が続き、通販やネットスーパーの需要が高まっています。物流に関わる人々によって、生活が支えられているのだと実感している方も多いのではないでしょうか。しかし、配達した玄関先でお客さんに「心ない対応」をされることもあるようです。配送員として働く夫の経験から、「私の家族はバイキンじゃない」と投稿された漫画が注目されています。漫画には「みんな同じ人間だということを考えていただけたら」という作者の思いが込められています。(朝日新聞デジタル編集部・野口みな子)

【マンガ本編はこちら】「俺はバイキンかなにかか?」配送員に除菌スプレー コロナ禍に「諦めの境地」

「私の家族はバイキンじゃない」
 「私の家族はバイキンじゃない」心に刺さる文章とともに、ツイッターに投稿された漫画。描いたのは、漫画家・渋谷さえらさん(@voxxx)です。コロナ禍の中で、配送員として働く夫の仕事について描かれています。

 「リモートワークの概念は無く、天気も関係ない仕事」「冬場があかぎれだらけで爪も割れます」。時には過酷な場面でも、物流を、そして家族の生活を支えるために働いている渋谷さんの夫。

 しかし新型コロナウイルスの影響で、夫の仕事にも変化が起こっていました。

 まず1つは「置き配」を利用するお客さんが増えたことです。「置き配」とは、玄関先などの指定した置き場所に荷物を置くという配達方法。配送員と接触しないため、互いに感染を予防する目的で需要が高まっています。

 「置き配」対応するサービスや対象範囲も増えています。ヤマト運輸では、感染拡大にともなう一時的な対応として、インターホン越しに置き場所を伝えれば手渡しなしで受け取れるサービスを開始。この場合は、伝票に印鑑やサインは必要ありません。アマゾンジャパンも「置き配」の対象エリアを拡大。さらにはウーバーイーツや出前館など、飲食宅配業界にも広がっています。

 漫画では「置き配」について、「サインをもらう手間が省けるので これはかなりラク!」という渋谷さんの夫。しかし、コロナ禍での「変化」はこれだけではありませんでした。

ドアの向こうから「除菌スプレー」向けられ…
 ある配達先で夫が出会ったのは、「はい!なに!?」と高圧的な態度で、医療用のゴム手袋をつけながら出てきたお客さん。他にも、ドアを開けた向こうには、除菌スプレーをこちらに向けながら立つお客さんまで……。

 「俺はバイキンかなにかか?」

 水やお米など重量のある荷物をはじめ、配達先の人々の生活を支える物資を運んでいるのに、むなしい思いをする機会が増えているのです。

 漫画で渋谷さんは、未曽有の事態に「過敏になる部分がある事はわかる」としながらも、その感情をそのまま他人に向けることに疑問を投げかけます。

 「私の家族はバイキンじゃない 皆さんと同じ様に守りたいものがあるから旦那は外に出てくれている」

 「外で働いている人がいるからこそ 私達の生活は成りたっている事を考えてみて下さい」

 最後は「早くコロナが落ち着いて穏やかな日々が戻ります様に」という願いでしめくくられています。漫画には心ない対応を批判する声や物流を支える人々への感謝の言葉などが寄せられ、3.6万回以上のリツイート、「いいね」も6.9万件以上集まっています。

怒り越え、「諦めの境地」
 これまで育児漫画などを描いてきた渋谷さん。新型コロナウイルスの影響で、夫の仕事は多忙を極めていました。荷物は激増し、人手不足で帰宅は毎晩夜遅い時間。夫婦でその日にあったことを話す中で、夫の話につらい出来事が多くなっていました。

 「今の物流現場の現状を少しでも知ってもらい、夫の仕事のつらさを軽減できれば」という思いで漫画を描き、発信したといいます。

 除菌スプレーを向けられるなどの対応をされたことについて、渋谷さんは「旦那は『諦めの境地』という感じでした」と振り返ります。これまでもお客さんに理不尽な対応をされることもあったようですが、「さすがに怒りを通り越した部分があったように見えました」。

 夫にとっても「自分が感染してしまったら」「家族や同僚にうつしてしまったら」という不安はぬぐい去れません。そんな中でも、家族の生活のために仕事をしています。さまざまな文化的、経済的活動が停滞している現在の情勢からも、「仕事があるだけまだありがたい」と話しているそうです。

 「旦那をはじめ、外で働いてくださってる方々には感謝の気持ちしかありません。なかなか難しいとは思いますが、無理せずお体を第一になさっていただければ…と思っております」

 ツイートが拡散されていることについて、「まずはたくさんの温かいお言葉を頂けたことに感謝しております」。不安が広がり、心ない対応をしてしまう人がいる一方、今回の反響によって、この状況でも優しさや気遣いを持って接することの大切さを学んだといいます。「旦那もそのお気持ちがいただけただけでうれしい、と大変喜んでおりました」

目の前の相手には必ず人生がある
 渋谷さんは、「自分がお客さんの立場になったとき、店員の方や配達員の方に対して、いわゆる『モブ』(ゲームやアニメなど、無名のキャラクターやエキストラなどの『その他大勢』をさす)の認識が無意識にあるのでは」と指摘します。

 「でも、一瞬しか関わらないその人たちにも家庭や守りたいものがあって、その人にも人生があって、みんな同じ人間なんです」

 「『自分の人生に関係のない赤の他人だから』と思わず、一瞬だけでもいいので『この人にもこの人の人生があるんだよな』と、この漫画をきっかけに考えていただけるようになってもらえればと思います」

 渋谷さんの夫によると、在宅しているのになかなかインターホンに出ないお客さんもいるようです。荷物が激増している中で、スムーズに配達を完了するために「できればご対応いただけるとうれしい」と教えてくださいました。

 これまで経験したことのないような大きな脅威に対し、不安や恐怖心を抱えてしまうのは仕方ありません。しかし、その不安に耳を傾けすぎると、私たちのために仕事をしてくださっている人たちの大切さも見えなくなってしまいます。自分や家族の身を守ることだけではなく、この状況に対応してくださっているすべての人に敬意を払うことが、今私たちにできることのひとつなのです。

このニュースに関するつぶやき

  • 配達業者いなければスーパーやコンビニ、ネット通販で買い物できないってわからないのかな?売るのだってレジやってくれる人いないと買えないのに… https://mixi.at/a6N9wEo
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  • 人にものを頼んでおいてする態度じゃないわ。だったら自分で買いに行くなりしろよ。重たい荷物運んでもらってるのだろう?なんでこんな態度が取れるんだ
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