外出自粛で気になる「おうちの換気」、正しい方法は?

ダイキン工業はこのほど、同社Webサイトにて「上手な換気の方法」を公開した。

同社は空気・空調の専門家として、換気することによって、健康で快適な生活に役立つ情報を伝えている。今回は、新型コロナウイルスへの感染リスクへの不安が高まる中、換気のポイントを図解を交えてQ&A方式でわかりやすく解説しており、有益な情報として注目を集めている。以下、内容を要約してお伝えしよう。
○ほとんどのエアコンでは換気できない

まず、「換気」とはなにか。換気は、「部屋の中の空気と、外の空気を入れ換えることで、部屋の空気中にある汚染物資(人間に対して悪い物)を、部屋の中から外へ出したり、薄めたりすること」を指す。汚染物質には⼆酸化炭素(CO2)、⼀酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒド(HCHO)、ハウスダスト、花粉、細菌、ウイルスなどがあり、換気をすることで、これらの汚染物質を部屋の外に出したり、薄めたりすることが期待できる。

閉めきった部屋は、空気が部屋の外に出にくいため、汚染物質がずっと部屋の中に存在したり、増えたりしたままの状態になってしまう。そして、その空気が人間に対して悪い影響を与える。また、「気密性」が高い多くの住宅は汚れた空気が部屋の外に出にくく、換気をしないでいると汚れた空気が部屋にたまってしまうリスクもあるという。

それでは、エアコンによる換気はどうだろう。エアコンは、「部屋の中の空気を吸い込んで」、その空気を冷たくしたり温かくしたりした後に「部屋の中に戻す」ことで快適な環境をつくるものだ。部屋の中の空気と外の空気を入れ換えてはいないため、ほとんどのエアコンでは換気ができない。

つまりエアコン以外のやり方で換気をする必要があるが、そのためには「今すでにある24時間換気システムをきちんと使う」「窓を開けて空気の通り道を作る」「台所の換気扇を活用する」の3つがポイントとなる。
○24時間換気システムを使う

まずは、「今すでにある24時間換気システムをきちんと使う」。自身の家やマンションが2003年7月より後の建物であれば、もともと換気をする仕組み(換気口・24時間換気システム)がついているはずだ。

部屋の壁や天井には「換気口」がついていて、お風呂やトイレ、洗面所などの換気扇を使うと、換気口から部屋の中の汚れた空気が建物の外に出され(排気)、同時に建物の外から新しい空気を取り込む(給気)よう設計されている。家やマンションの換気ではこの換気システムが最も一般的で、2時間で室内の空気をまるまる一回入れ替えることができる。

しかし、外から空気が入ってきて寒い(または暑い)という理由で換気口を閉じたり、24時間換気システムのスイッチをオフにしたりしてしまうと、せっかくの換気システムが役割を果たすことができず、知らず知らずのうちに室内の空気に汚れがたまってしまう。同社では、換気口は開けた状態で、24時間換気システムはいつもオンにして「正しく」使用するように、と呼びかけている。
○窓を開けて空気の通り道を作る

次に、「窓を開けて空気の通り道を作る」。窓を開けて換気するときの時間と回数の目安は、1時間に5〜10分程度。ただし、窓や部屋の大きさや、室内に浮遊している汚染物質の種類によって外に出るスピードは異なるため、どの程度の換気であれば確実に感染症リスクが抑えられるのか、換気の効果について一概にはいえない。

また、2時間で1回10分の換気をするよりも、1時間に5分の換気を2回する方が換気の効果は高くなる。できるだけ回数を多く換気をすると効果的だ。窓開け換気時に花粉が気になる場合は、窓の近くに空気清浄機を置くことで花粉の侵入をある程度抑制することができる。またレースのカーテンも花粉対策に有効といわれている。

サイトではこのほか、「空気の通り道を作る窓の開け方」や「窓を開けても風が入りにくい場合」、「開ける窓が1つしかない場合」「窓がない部屋の場合」についての対処法も紹介している。
○台所の換気扇を活用する

そして、「台所の換気扇を活用する」。住宅の換気扇の中でも排気量が特に大きい台所の換気扇を運転することで効果的に換気することができる。その場合は、台所に近い窓を開けると部屋全体の空気が換気されにくいので、台所からできるだけ離れた窓を開けるように心がける。窓を2つ開けている場合でも、台所の換気扇を運転することで換気をアシストすることができるので、窓開けと換気扇の併用はおすすめとなる。

同サイトでは、ここまで見てきた「今すでにある24時間換気システムをきちんと使う」「窓を開けて空気の通り道を作る」「台所の換気扇を活用する」ことをうまく組合せて換気を効率的に行うことを推奨し、「家の換気方法」のまとめとしている。

※画像はいずれもダイキン工業WEB「上手な換気の方法」より引用（エボル）