清原に立浪、松井稼頭央も…! “名門”・PL学園出身者で「ベストナイン」組んでみた

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2020年05月19日 07:22  ベースボールキング

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清原・桑田のKKコンビをはじめ、多くの名選手を輩出したPL学園 (C) Kyodo News
◆ 名球会プレイヤーがずらり…

 多くの強豪校が聖地・甲子園を席巻してきた高校野球。しかし、甲子園で勝てるチームが、プロでも活躍できる選手を輩出できるかというと必ずしもそうではない。

 目の前の一戦一戦で勝利を収めつつ、そのうえプロ選手を多く輩出できるチームとなると、全国でもほんの一握りと言えるだろう。今回からの新企画では、そんな“勝利”と“育成”を両立してきた名門校にスポットを当て、プロの世界で活躍したOBたちを集めて「ベストナイン」を選出してみたい。


 第1回で取り上げるのは、1980年代に“最強”の名をほしいままにしたPL学園(大阪)。なお、選出基準としては高校時代の活躍ではなく、あくまでもプロ入り後の成績を評価対象とした。


◆ 「PL学園」ベストナイン

<投手>
前田健太(広島〜ドジャース〜ツインズ)
[日米通算] 355試(2098.2回) 144勝102敗6セーブ・9ホールド 防2.80

<捕手>
木戸克彦(阪神)
[通算] 965試 率.230(2192−505) 本51 点226

<一塁手>
清原和博(西武〜巨人〜オリックス)
[通算] 2338試 率.272(7814−2122) 本525 点1530

<二塁手>
立浪和義(中日)
[通算] 2586試 率.285(8716−2480) 本171 点1037

<三塁手>
宮本慎也(ヤクルト) 
[通算] 2162試 率.282(7557−2133) 本62 点578

<遊撃手>
松井稼頭央(西武〜メッツ〜ロッキーズ〜アストロズ〜楽天〜西武)
[日米通算] 2543試 率.285(9492−2705) 本233 点1048 盗465

<外野手>
新井宏昌(南海〜近鉄)
[通算] 2076試 率.291(7011−2038) 本88 点680

福留孝介(中日〜カブス〜インディアンス〜ホワイトソックス〜阪神)
[日米通算] 2462試 率.283(8456−2395) 本322 点1240

サブロー(ロッテ〜巨人〜ロッテ)
[通算] 1782試 率.265(5143−1363) 本127 点655

<指名打者>
加藤英司(阪急〜広島〜近鉄〜巨人〜南海)
[通算] 2028試 率.297(6914−2055) 本347 点1268


【その他候補】

<投手>
尾花高夫(ヤクルト)
金石昭人(広島〜日本ハム〜巨人)
桑田真澄(巨人〜パイレーツ)
野村弘樹(横浜)
入来祐作(巨人〜日本ハム〜横浜)

<内野手>
小早川毅彦(広島〜ヤクルト)
片岡篤史(日本ハム〜阪神)
今岡 誠(阪神〜ロッテ)
今江年晶(ロッテ〜楽天)
※ロッテ時代の登録名は「今江敏晃」

<外野手>
中塚政幸(大洋)
吉村禎章(巨人)
坪井智哉(阪神〜日本ハム〜オリックス)


◆ 桑田か、マエケンか…

 指名打者を含めた10人の選出が困難なほど、数多くの名選手を輩出してきたPL学園。こういった企画を考えると、改めてそのスゴさを実感することができる。


 まずは投手から。実績的に見れば桑田真澄がNo.1になるが、ここはメジャーでの実績や今後の上積みにも期待して前田健太をチョイスした。

 1年夏から甲子園のマウンドに立ち、秋にはエースの座をゲット。3年春のセンバツでは1回戦で16奪三振をマークするなど、チームのベスト4進出に大きく貢献。加えて、打っても4番打者として打線を引っ張り、単独でホームスチールを決めて見せるなど、野手としての能力も抜群だった。

 プロ入り後も2年目からローテーションに定着すると、最多勝と最多奪三振は2回、最優秀防御率は3回も獲得。2010年と2015年には投手最高の栄誉・沢村賞にも輝いており、球界を代表するエースへと飛躍した男は、2016年から戦いの場をアメリカ・メジャーリーグに移して奮闘中。ここまで日米通算144勝を記録しており、「200勝」の大台も十分に射程圏内と言えるだろう


◆ 野手は9人のうち7人が名球会入り!

 野手は指名打者まで含めた9人のうち、実に7人が2000本安打を達成。8割近くが名球会入りを果たしているという凄まじい顔ぶれとなった。


 この中で最も早く一流選手となったのが加藤英司だ。

 PL学園を卒業後、社会人の松下電器(現パナソニック)を経て阪急に入団。主に「3番・一塁」として2度の首位打者、3度の打点王に輝くなどの活躍を見せ、阪急の黄金期を支えた。


 続いて登場するのが外野手の新井宏昌。

 法政大を経てドラフト2位で南海に入団すると、2年目にはレギュラーを獲得。1979年には加藤が首位打者、新井が打率2位とPL出身の2人がタイトル争いを繰り広げた。トレードで近鉄に移籍後も首位打者を獲得するなど、息の長い活躍。引退後には、オリックスでイチローを指導したことでも知られている。


 そして、野手の看板と言えばやはり清原和博になるだろう。

 桑田とともに、春夏5度の甲子園出場。2位以下に大差をつける、甲子園通算13本塁打を記録した怪物スラッガーである。

 プロ入り後も、高卒ながら1年目にいきなり31本塁打をマーク。これはいまだ破られぬ高卒1年目の最多記録である。FAで巨人移籍後は度重なる故障で成績を落としたが、525本塁打は歴代5位、1530打点は歴代6位の大記録だ。


◆ 二遊間は立浪和義と宮本慎也を選出

 清原以外の内野陣も、歴戦の強者が揃った。


 立浪和義は高卒1年目からレギュラーとなり、いきなりショートとしてゴールデングラブ賞を受賞。その後はセカンドへとコンバートされたが、勝負強い打撃でチームを牽引。“ミスター・ドラゴンズ”と呼ばれた。通算二塁打487本は堂々の日本記録である。

 宮本慎也は同志社大から社会人・プリンスホテルと進み、プロ入りは遅かったものの、高い守備力が評価されてプロ3年目からレギュラーを獲得。バッティングもミート力に磨きをかけて、6度の打率3割を記録した。長くショートを守ったが、41歳となるシーズンにサードでベストナインを獲得していることから、今回はサードで選出した。

 松井稼頭央は高校時代は投手だったが、高い運動能力を生かすためにプロではショートに転向。3年連続盗塁王に輝くなど、抜群のスピードで球界を代表するリードオフマンとなり、その後は長打力もアップさせて、2002年にはトリプルスリーも達成している。メジャーではセカンドを守ることが多かったが、日本プロ野球史上に残るショートであることは間違いないだろう。


 外野でNo.1の実績を残しているのは、福留孝介になるだろう。

 プロ入り当初は内野の守備難に苦しんだが、外野に転向してから打撃が一気に開花。2度の首位打者を獲得し、メジャーに渡ってもレギュラーとして活躍した。帰国して入団した阪神でも、外野の一角として地位を確立。43歳となった今シーズンも現役でプレーしている。

 サブローは高校からドラフト1位でロッテに入団。一軍定着までには時間がかかったが、高い守備力と勝負強い打撃で台頭。“繋ぎの4番”としても活躍した。ロッテの歴史に残る選手であると言えるだろう。


 唯一手薄なのが捕手だが、木戸もドラフト1位でプロ入りを果たし、1985年にはダイヤモンドグラブ賞(現在のゴールデングラブ賞)を受賞するなど、阪神の日本一に貢献している。そういう意味では十分、名選手と言えるだろう。


 惜しくもベストナインから漏れた選手も、桑田をはじめ名選手揃い。これだけの選手がOBで揃うチームは、現時点ではPL学園以外ないだろう。

 度重なる不祥事で2016年夏を最後に休部となり、いまだに復活のめどが立っていないというのは寂しい限り。それでも、長い高校野球の歴史の中で、最も“勝ちながら選手を輩出したチーム”であることは間違いない。


☆記事提供:プロアマ野球研究所

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  • そうそうたるメンバー。これだけの選手を排出したのに今は…
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