出生前コルチコステロイド療法は子供の行動障害リスクを高める

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2020年05月23日 05:21  妊活・卵活ニュース

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出生前コルチコステロイド療法による影響
ヘルシンキ大学、オウル大学、国立健康福祉研究所(THL) (全てフィンランド)の研究チームは、「JAMA」にて、 出生前コルチコステロイド療法(出生前母体ステロイド投与)によってステロイドに晒された子供は、ステロイド曝露を受けていない子供と比べ、情緒障害・行動障害・心理的発達障害の発症率が高くなると発表した。

早産リスクがある場合、標準的な治療は出生前コルチコステロイド療法(早産が予測される母親に対して副腎皮質ステロイドを注射する治療法)となる。推奨および診療ガイドラインは国・地域によって異なるが、日本をはじめ、高所得国では、30年以上に亘って、早産リスクに対する治療として、出生前母体ステロイド投与が施されている。

長期的な効果・副作用のバランスを比較検討
研究チームは、国立健康福祉研究所の「Medical Birth Register」および「Care Register for Health Care」を用いて、2006年から2017年の間に誕生した子供67万人以上を対象に、集団ベース調査を実施した。

出生前コルチコステロイド療法(出生前母体ステロイド投与)を受け、ステロイドに晒された早産児は、満期産児と比べ、情緒障害・行動障害・心理的発達障害の発症率が高くなることが認められた。軽度の知的障害の割合では、出生前コルチコステロイド療法を受けていない母親の子供より低くなった。

一方、コルチコステロイドは早産児の成熟、特に肺の発達を加速させ、ストレスに対するレジリエンス(回復力)を増加させ、早産で誕生する子供の予後が改善される。

研究チームは、出生前コルチコステロイド療法が効果的な治療法であり、超早産児の命を救うと強調する。治療による長期的な効果および副作用におけるバランスを比較検討することが重要である。

(画像はプレスリリースより)

UNIVERSITY OF HELSINKI

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