血液分析によって子癇前症の進行が予測できる

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2020年05月23日 18:01  妊活・卵活ニュース

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子癇前症の予測
カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部、女性ヘルス・ケア企業のSera Prognostics社(米ユタ州ソルトレイクシティ)の研究チームは、「Cell Reports Medicine」(5月19日掲載)にて、子癇前症の症状がない妊婦の血漿内にmicroRNA(miRNA:マイクロRNA)が検出され、これにより子癇前症の進行が予測できると発表した。

重篤な妊娠合併症
子癇前症は重篤な妊娠合併症であり、妊娠期の高血圧、蛋白尿、腎機能異常を特徴とする。妊娠中期以降に発症し、症状が深刻化した場合、母子の生命をも脅かす。症状は、妊娠高血圧や蛋白尿に加え、急な体重増加、浮腫み、激しい頭痛、腹痛、吐き気である。

子癇前症は、妊産婦死・新生児死、低出生体重児における要因の相当な割合を占め、早産の主な要因となる。発見・治療の遅れは母子の命に大きく影響し、それゆえ、早期発見・治療が必要となる。

マイクロRNAバイオマーカーによる子癇前症リスク検査の開発を
研究チームが、ケース研究・コントロール研究の研究論文のデータを検証したところ、妊娠17週から妊娠28週で子癇前症の症状がない女性の血漿内に、1本鎖マイクロRNAバイオマーカー(一変量)2種、2本鎖マイクロRNAバイオマーカー(二変量)29種が検出された。

また、今回、妊娠初期段階において胎盤に生じた異常によって、子癇前症が発症するとの推測に至った。今後は、大規模な出生前コホート研究を通して、マイクロRNAバイオマーカーを検証し、最終的には、妊娠初期の女性に対する子癇前症リスク検査の開発を目指す。

研究チームは、子癇前症リスクが高い妊娠の特定は、出生前ケアをよりパーソナライズでき、患者である妊婦および医療従事者にとって大きな価値があると考える。今回の発見により、子癇前症の迅速な診断・最適な管理が実現し、今後の予防治療の研究に有益な情報をもたらす。

(画像はプレスリリースより)

UC San Diego Health

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