ソフトバンク「高卒左腕」の成功例となるか 開花目前!古谷優人に注目

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2020年05月25日 11:52  ベースボールキング

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ベースボールキング

ソフトバンク・古谷優人
◆ 「開幕は一軍にいたい」

 新型コロナウイルスの新規患者数も減少傾向となり、緊急事態宣言の全面解除も秒読みとなってきた中、プロ野球も開幕日の最終調整に入っている。夏の甲子園は残念ながら中止となってしまったものの、その分も「野球」を通じて人々に勇気を与えるような、そんな熱い戦いに期待したい。


 具体的な開幕日についての報道もあって、現場も調整のピッチが上がって来ている。例えば、日本一3連覇王者のソフトバンクは、5月19日から投手・野手合同での練習を再開。もちろん、「密」をできるだけ避けるために午前組・午後組と分かれての練習となっていたが、ユニフォームを着用してのトレーニングには今まで以上に気持ちが入ったはず。25日には、5イニング形式で紅白戦も行う予定だという。

 開幕の延期というのは、すべてにおいて悪いことではない。中には、この時間をチャンスに変えようと奮闘している者もいる。21日にオンライン取材に登場した古谷優人も、「開幕した時には一軍にいたい」と決意を新たにしている。


◆ 一軍デビューは目前?

 北海道の江陵高から、2016年のドラフト2位でソフトバンクに入団した高卒4年目の左腕。高校時代は甲子園の出場歴もなく、全国的に名前が知られていた人物というわけではなかった。

 プロ入り後も、これまでの3年間で一軍出場はゼロ。しかし、今年の春季キャンプでは一軍に相当するA班のメンバー入りを果たし、キャンプの本拠地・アイビースタジアムのブルペンでは、工藤公康監督から直々にマンツーマンでの指導を受けるなど、その期待の高さが垣間見えた。


 175センチとプロの投手としてはやや小柄な部類ながら、全身を使って投げ込んでいく威力抜群の速球が最大の魅力。この春のオープン戦でも、6試合に登板して防御率2.70とアピールに成功した。

 ここまで3年間で着実に力をつけ、実戦でも結果を残したとなれば、当然ながら一軍の候補にその名前は入ってきているに違いない。あとは気になるのは状態だけ。これから開幕までの期間で、いかに調子の良さを発揮できるか。そこにかかってくる。


◆ 意外と育っていない?鷹の高卒左腕

 今や大エースとなった千賀滉大を筆頭に、武田翔太や高橋純平、岩嵜翔などなど…。高卒で獲得した投手が次々に一軍で結果を残している近年のソフトバンク。しかし、彼らは全員が右投げの投手。高卒の左腕で結果を残したといえるのは、山田大樹(現ヤクルト)くらいしかいないのだ。


 「ソフトバンク」にチーム名が変わった2005年ドラフト以降に入団した選手で見ても、規定投球回に到達した高卒の左腕投手は2012年の山田(148.2回)ただひとりだけ。中継ぎ投手を見ても、昨季の川原弘之が10年目にして19試合に登板したのが目立つくらいだ。


 一軍の主戦力が故障しても、ファームからその穴を埋める選手がどんどん出てくる印象がある近年のソフトバンクだが、高卒左腕に関してはその循環が起こっていないというのが実情。

 もちろん、ドラフト会議で高卒左腕を指名していないわけではない。ソフトバンクとして参加した2005年から2019年のドラフト会議において、高卒左腕は育成を含めて16人(支配下:10人、育成:6人)指名している。ただし、支配下で指名した10人のうち、6人はすでに現役を引退。そのなかの4人は一軍未出場だった。


 筑後に凄まじい施設を持ち、その育成力が高く評価されるチームであるが、高卒左腕に関しては結果を残す以前に、そのほとんどが一軍のマウンドに登場することなく球界を去ってきている。

 それだけに、古谷にかかる期待は大きい。指揮官からも熱視線を浴びる4年目左腕は、チームにとって久々の「高卒左腕の成功例」となるか。鷹の背番号49から目が離せない。


◆ 古谷優人・プロフィール

ポジション:投手
投打:左投左打
身長/体重:175センチ/76キロ
生年月日:1999年2月19日
経歴:江陵高−ソフトバンク(16年・D2)
[昨季成績] 17試(35.2回) 2勝1敗 奪三28 防2.52
※一軍出場なし

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