鉄人アニキに“1試合4発男”まで 「広陵高」出身者でベストナイン組んでみた

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2020年05月26日 07:20  ベースボールキング

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広島・阪神で活躍した金本知憲 (C) Kyodo News
◆ センバツで3度の優勝

 多くの強豪校が聖地・甲子園を席巻してきた高校野球。しかし、甲子園で勝てるチームが、プロでも活躍できる選手を輩出できるかというと必ずしもそうではない。

 目の前の一戦一戦で勝利を収めつつ、そのうえプロ選手を多く輩出できるチームとなると、全国でもほんの一握りと言えるだろう。そんな“勝利”と“育成”を両立してきた名門校にスポットを当てるのが、『名門校ベストナイン』。第4回目となる今回取り上げるのは、“春の広陵”の異名でも有名な広陵(広島)だ。


 なお、今回も選出基準については「プロ入り後の成績」が評価対象。様々な要素を加味して比較しながら、独自に選抜したメンバーとなっている。


◆ 「広陵」ベストナイン

<投手>
有原航平(日本ハム)
[通算] 109試(703.1回) 52勝41敗2セーブ・1ホールド 防3.79
☆現役

<捕手>
門前真佐人(タイガース〜阪神〜金星〜阪神〜大洋〜広島)
[通算] 1203試 率.237(3761−892) 本80 点543 盗50

<一塁手>
新井良太(中日〜阪神)
[通算] 630試 率.238(1253−298) 本40 点151 盗5

<二塁手>
上本博紀(阪神)
[通算] 673試 率.267(1928−515) 本30 点157 盗92
☆現役

<三塁手>
二岡智宏(巨人〜日本ハム)
[通算] 1457試 率.282(4666−1314) 本173 点622 盗48

<遊撃手>
白石勝巳(巨人〜パシフィック〜巨人〜広島)
[通算] 1651試 率.256(6151−1574) 本84 点571 盗210

<外野手>
金本知憲(広島〜阪神)
[通算] 2578試 率.285(8915−2539) 本476 点1521 盗167

福富邦夫(サンケイ〜アトムズ〜ヤクルト〜太平洋〜ヤクルト)
[通算] 1616試 率.255(4217−1076) 本89 点425 盗70

岩本義行(南海〜大陽〜松竹〜大洋〜洋松〜東映)
[通算] 856試 率.275(3121−859) 本123 点487 盗140


◆ その他候補

<投手>
佐伯和司(広島〜日本ハム〜広島)
[通算] 302試(1679.2回) 88勝100敗2セーブ 防3.62

福原 忍(阪神)
[通算]595試(1338.1回) 83勝104敗29セーブ・118ホールド 防3.49

西村健太朗(巨人)
[通算] 470試(752.1回) 38勝34敗81セーブ・77ホールド 防3.12

吉川光夫(日本ハム〜巨人〜日本ハム)
[通算] 209試(1040.0回) 55勝70敗3セーブ・3ホールド 防3.91
☆現役

野村祐輔(広島)
[通算] 172試(1036.2回) 71勝52敗 防3.38
☆現役


<捕手>
小林誠司(巨人)
[通算] 611試 率.219(1541-337) 本14 点134 盗7
☆現役


<内野手>
福田周平(オリックス)
[通算] 248試 率.255(787−201) 本3 点53 盗46
☆現役

佐野恵太(DeNA)
[通算] 180試 率.259(347−90) 本10 点48 盗1
☆現役


<外野手>
俊 介 (阪神)
[通算] 840試 率.250(1235−309) 本9 点86 盗28
☆現役


◆ 現役投手とプロ野球黎明期に活躍した捕手のバッテリー

 投手はトータルの数字であれば福原、先発であれば野村の方が実績は上だが、今後の積み上げを考えて有原を選ぶ。

 高校時代は3年時にエースとして春夏連続で甲子園に出場しており、春はベスト4に進出。その後、進学した早稲田大でも順調に成長を遂げ、2014年のドラフト会議では4球団競合の末、日本ハムに入団した。

 プロでも少し調子の波はありながら、5年間で通算52勝をマーク。昨年は最多勝のタイトルも獲得している。昨オフの契約更改ではメジャー志望も表明しており、早ければ来年から海を渡る可能性もあるだろう。


 捕手には、プロ野球黎明期に活躍した門前を挙げた。

 戦前には大阪タイガース(現・阪神)でプレーした後、戦後には社会人野球、国民リーグを経てプロへ復帰。4球団を渡り歩いて長く活躍した。強肩の捕手ながら打力を持ち合わせ、大洋時代の1950年には25本塁打・110打点をマークしている。“打てる捕手”の草分け的な存在と言えるだろう。


◆ “逆シングル”の生みの親…!?

 内野手では、意外なことにファーストの選出に苦労。結果的には新井を選んだ。

 高校時代は投手も兼任した選手で、3年春のセンバツに出場。駒沢大では4番として活躍した。中日では二軍暮らしが続いたが、トレードで阪神に移籍してからは、勝負強い打撃を生かして一軍に定着。2012年には兄・貴浩と兄弟アベックアーチも放った。


 セカンドは、現在も現役でプレーしている上本。

 高校入学直後からレギュラーとなり、2年春には西村や白浜裕太らとともに春のセンバツで優勝。早稲田大でも、1年春から4年秋までリーグ戦全試合にフルイニング出場を果たし、通算109安打をマークしている。プロではレギュラーとしてフルに活躍したシーズンこそ少ないが、チームに欠かせない存在となっている。


 二岡は本来の守備位置はショートだが、ここではサードでの選出とした。

 高校時代に甲子園出場はなかったものの、近畿大ではリーグ記録となる13本塁打を放ち、7度のベストナインに輝く大活躍。逆指名で入団した巨人でも、1年目からレギュラーに定着すると、“打てるショート”として名を馳せた。日本ハム移籍後は故障で大きく成績を落としたものの、代打では度々勝負強い打撃を見せている。


 白石は戦前、巨人の第一次黄金時代に活躍した名ショートだ。現在では当たり前のプレーとなっている逆シングルでのキャッチも、白石が定着させたと言われている。

 戦後は地元に創設された新球団の広島に移籍。そこでは選手兼任監督も務めた。負担の大きいショートを主に守りながら、実働18年というのは当時としては異例の長さである。


◆ アニキが外野の筆頭

 最後に外野手。筆頭はもちろん金本だ。

 ドラフト4位でのプロ入りながら年々パワーアップし、2000年にはトリプルスリーを達成。FAで阪神に移籍後も中軸として活躍し続け、連続試合フルイニング出場の世界記録も打ち立てた。通算2539安打は大学卒の選手としては歴代1位の数字である。


 福富はサンケイ時代からスワローズで強肩の外野手として活躍していた選手。

 一時は太平洋(現・西武)にトレードで移籍するも、1975年には再びヤクルトに復帰。1980年のチーム初優勝時には代打としてチームに貢献し、この年限りで現役を退いている。


 岩本は戦前から戦後にかけて複数の球団で強打者として活躍。1951年に記録した「1試合4本塁打」「18塁打」は、いまだにプロ野球記録である。

 1953年のシーズン終了後に引退するも、なんと44歳となる1956年に東映で現役に復帰。翌年にはプロ野球最年長記録となる45歳5カ月でのホームランも放っている。


 メンバーを見ても、プロ野球が創設された時代から現役選手まで、長きにわたって名選手を輩出していることがよくわかる。

 時代を超えて日本の野球界に貢献してきた高校で、その“歴史の長さ”という点では全国でもNo.1と言えるだろう。


☆記事提供:プロアマ野球研究所

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