綾野剛と舘ひろしが初共演 『新聞記者』制作スタッフ再集結『ヤクザと家族 The Family』公開決定

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2020年05月27日 06:11  リアルサウンド

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(c)2020『ヤクザと家族TheFamily』フィルムパートナーズ

 綾野剛と舘ひろしが初共演を果たす映画『ヤクザと家族TheFamily』が、2021年に公開されることが決定した。


 本作は、『あゝ、荒野』『新聞記者』『宮本から君へ』を世に送り出しているスターサンズ・河村光庸プロデューサーが企画を務め、『新聞記者』で第43回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した藤井道人監督自身のオリジナル脚本で描く、ヤクザという生き方を選んだ男の3つの時代にわたる壮大な人間ドラマ。


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 1999年、2005年、2019年という3つの時代で見つめる、一人の男とその“家族・ファミリー”の壮大な物語となる本作。男は、自暴自棄になっていた少年期に、地元のヤクザの親分から手を差し伸べてもらったことで心の救いを得て父子の契りを結ぶ。しかし、時は移り、彼にも愛する自分の家族ができる。一方、暴対法の施行はヤクザの有り様と男の環境を一変させる。男の選んだ生き方は様々な矛盾やハレーションを起こし始め、組の存続を巡る因縁の敵との戦いの中、ヤクザであることを貫くことは、一方でかけがえのないものを失うという状況を突きつけられていく。


 初のヤクザ役に挑む綾野が演じるのは、父親を覚せい剤で失い、その日暮しの生活を送っているときに、柴咲組組長の危機を救ったことからヤクザの世界へ足を踏み入れた男・山本。短気で暴力的な面もあるが、一本気さのある山本はヤクザの世界で“男をあげていく”。しかし、移り変わる社会の中で“組織=ファミリー”と“愛する家族”の間で揺れ動く。そんな時代を象徴する“最後のヤクザ”とも言える男の半生を綾野が体現する。


 綾野とは初共演となる舘が演じるのは、身寄りのない孤独な少年・山本に手を差し伸べ、山本に“家族”という居場所を与えた柴咲組組長・柴咲博。舘がヤクザ役に挑むのは43年ぶりとなる。


 河村プロデューサーは「ヤクザは人間社会の矛盾と不条理が集約された形で今日まで生き残ってきました。しかし、“生身の人間”を見出すことが難しくなり、グローバル経済が優先される今の社会システムの中で、個が集団に分断され、押しつぶされ、ヤクザは一括りに『反社』として扱われ真っ先に排除される…。現代社会のリアルな縮図として今こそ、どうしても問題提起せねばならないテーマなのです」とコメントしている。


 また、綾野、舘、藤井監督からもコメントが寄せられている。


■コメント
・綾野剛
渾身の作品が生まれました。現場では今までに感じた事の無い鼓動の連続で、毎日が走馬灯のようでした。果てしなく目を背けたくなるような残酷さと、その体温を永遠と抱きしめ続けたくなるような心地よさ。これが”家族”なのかと。母、親父、兄弟、愛した女。過去から現在、人権と時代。そしてこれからの未来を生き抜く子供たち。私達、藤井組は、その全てをひとつの映画に込めました。幾度もの難関にも映画は私達を見放さず、見つめ続け、救ってくれた。映画は私達にとって最後の“家族”です。スタッフ、キャスト、家族のみんなで乗り越え導き出した愛の結晶。それが『ヤクザと家族 The Family』です。どうか、どうか。家族を大切に。


・舘ひろし
「ヤクザ」という題材で家族の愛を描いた作品(脚本)に、大変興味を持ちました。藤井監督は感情表現を繊細に演出し、俳優スタッフが一つとなり、丁寧に作品を作り上げていきます。その姿勢に感銘を受けました。綾野剛さんは、訴えかける目力が素晴らしい。いつも作品のこと、役柄を深く考えており、役の中をリアルに生きている、そんな俳優さんだと思います。とても刺激をもらいました。『ヤクザと家族 The Family』どうぞ、ご期待ください。


・監督・藤井道人
『新聞記者』の撮影が終わり、河村プロデューサーと僕が次に選んだ題材は「新しいヤクザ映画」でした。前作同様、難産ではありましたが、変わりゆく時代の中で排除されていく「ヤクザ」という存在を、抗争という目線からではなく、家族の目線から描いた作品です。綾野剛という唯一無二の俳優とこの作品を一緒に作れたこと、舘ひろしさんをはじめとする素晴らしいキャスト、スタッフと「ヤクザと家族」という映画を作り上げたことを誇りに思います。是非、公開まで楽しみにしていてください。


【キャストの選定について】
河村プロデューサーと話して、主人公の山本という役は綾野剛以外考えられない、という共通の認識でした。20年の役を生きる山本という役は、その時代を象徴するかのように様々な繊細な感情を表現しなければならなかったからです。綾野さんのストイックな役への姿勢は、本作の脚本の世界を何倍にも広げてくれました。柴咲組の組長を演じた舘ひろしさんは、僕のリクエストです。かっこよくて、でも愛嬌もある、優しい「父親像」を舘さんに託しました。舘さんには撮影時本当にたくさんのことを教えていただき、僕の監督人生の大きな財産の一つとなりました。


(リアルサウンド編集部)


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