iOS 14初期バージョンが丸ごと流出……開発用iPhone 11を不正に売買か

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2020年05月28日 07:01  リアルサウンド

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リアルサウンド

Pexelsより

 iPhoneやiPadのオペレーティングシステム(OS)の次なる主要なアップデートであるiOS 14は、ベータ版が今夏中、そして2020年9月頃には公式リリースされると言われている。


(参考:折りたたみ式iPhoneの開発進行中か 新たなリークが続々


 しかし、リリースがまだしばらく先にも関わらず、初期バージョンの情報がほとんど明らかになっている。これはかなり異例のことだが、その原因は、開発用にiOS 14をインストールしたiPhone 11がそっくりそのまま、流出していたためだということが分かった。


・リーク情報は、闇市場で取引されている
 『Motherboard』によると、流出した時期は2019年12月で、リークしたiOS 14のバージョンは12月10日のものだという(参考:https://www.vice.com/en_us/article/5dzpxz/how-iphone-hackers-got-hands-on-new-ios-14-months-before-realease)。


 本来、Apple開発者しか手にし得ないものだが、中国のベンダーから数千ドルで取引されたのだという。どうやら、中国の工場等から初期プロトタイプといった情報を盗み密売するグレーなマーケットが存在しているようだ。


 そして、このコードが、2020年2月頃までには広くハッカーやセキュリティ・リサーチャーに行き渡った。これは、あくまで開発中のiOSであり、当然ながら内容には廃止や変更が行われるものもあるだろう。しかし、全体像を掴み、脆弱性を探すのに十分な情報が揃っている。


 年々、Apple関連のリークは激しさを増しており、この一件については、Appleもある程度は把握しているという。Appleがどの様な対応を行うかは不明だが、専門家らは、事態を重く見ている。


 Appleはセキュリティに最新の注意を払ってはいるものの、サプライチェーンは膨大なもので、管理を行き届かせるのは至難の業だ。


・iOS 14の新機能を先取り
 Appleのソフトウェア・アップデートに関するちょっとした情報がリークされるのは、よくあることだが、iOSのプレリリースビルド全体が発表の数カ月も前に、ネット上に出回るというのは非常に稀だ、と『The Verge』は伝えている(参考:https://www.theverge.com/2020/5/22/21267590/ios-14-leaked-early-version-internet-months-vice)。


 リークされたiOS 14の機能には、フィットネスアプリ、スタイラス用のPencilKit API、iMessageのアップデート、新しいホーム画面ビュー、QRコードをスキャンしてサードパーティーのアプリをテストする機能、iCloudキーチェーンのオーバーホール等がある。


 『9to5Mac』は、AppleがMacのメッセージアプリをCatalystバージョンに置き換えようとしていることがiOS 14コードにより明らかになった、と報じている(参考:https://9to5mac.com/guides/ios-14/)。


 AppleがmacOSのメッセージアプリをCatalystバージョンに完全に置き換えようとしている証拠をiOS 14コードに見つけたとし、Appleはこの件について、6月にも発表する可能性があるという。


 待望のiPhone 12と、ほぼ同時期にリリースされるであろうiOS 14。その機能から端末の新たな仕様も想像しやすいため、Appleにとっては手痛いリークになったのかもしれない。


(Nagata Tombo)


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