ネイマールは6億円寄付。コロナ禍にブラジルのスターが立ち上がる!

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2020年05月31日 06:21  webスポルティーバ

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 ブラジルではすべてが悪い方向に向かっている。もちろんサッカーも例外ではない。

 リーグ戦はすでに2カ月半ストップしており、他国と同様、再スタートの日が話し合われているが、そのこと自体が非難されている。ここ10日間でブラジルの新型コロナウイルス感染による死者数が大幅に増加しているからだ。これまでに2万5000人もの人が亡くなっているのに、なぜサッカー再開など言っていられるのか。ブラジルは世界で二番目に感染者数が多い(5月29日現在)。

 ただ、多くのチームは経済的な危機も感じている。世界的に名前が知れているレベルのチームはどうにか生き残れるかもしれないが、それ以下のチームは風前の灯火だ。100年以上世界に良質の選手を輩出してきたブラジルサッカーの危機は、そのまま世界のサッカーの危機になる恐れがある。

 セリエB(2部)、C、D、地方リーグの何百というチームの中には、6月には閉鎖しなくてはいけないところが出てくるという。最悪の場合、7万5000人の選手、監督、チームスタッフが失業することとなる。すべての試合は中止され、練習もできず、何よりそれがいつまで続くかわからない。カナリア色のユニホームをピッチで見ることができるのは、いったいいつになるのだろう。

 サッカー界でコロナで亡くなったのは、地方リーグのクラブ会長1人と監督1人だけだ。そんなこともあり、多くのチームは6月の第1週には練習を再開したいと考えている。ビッグクラブで再開に賛成なのはフラメンゴ、サンパウロ、クルゼイロだ。

 一方、6月はあまりにも早すぎると考えるチームもある。その筆頭が本田圭佑の所属するボタフォゴだ。ボタフォゴの会長は、毎日のようにメディアに対して、練習再開は急すぎると訴えている。そう考えるのはボタフォゴだけではない。サントス、コリンチャンス、アトレチコ・パラナエンセも同じ意見だ。

 ブラジルでは現在、6つのスタジアムが感染者を収容している。サンパウロの2つのスタジアムとリオデジャネイロの2つのスタジアム、あとの2つはブラジル北部だ。かつてゴールネットが揺れ、選手たちが抱き合って喜んでいた場所には今、ベッド、人工呼吸器、救急車が置かれている。
 
 こんな状況下で、人々はサッカーへのサウダージ(郷愁)を禁じえない。そこでテレビ局は、名勝負と呼び名の高い過去の試合の再放送を始めた。W杯の決勝、ロナウドやロマーリオのすばらしいゴール特集……。

 サンパウロは自身のネットTVで、2005年のクラブワールドカップ決勝、リバプール戦を放送した。その際、元ブラジル代表のライーと元ウルグアイ代表のディエゴ・ルガーノが発起人となって、試合を見る際に2米ドル(約220円)を寄付するよう呼びかけた。集まったお金は地元の貧しい人に配られることになっている。「日本でのすばらしい思い出が、同時に人を助ける」と、ライーは言っている。

 そうした多くの偉大な選手たちが人々を助けようと奮闘している姿が、国民の心を温めている。ブラジルには何百万という貧困層がいる。リオやサンパウロといった大都市では急速に、道で物乞いする人の姿が増え始めた。彼らには早急に助けが必要だ。

 なかでも獅子奮迅の働きをしているのはドゥンガだ。米、果物、野菜など、大量の食糧をかき集めて貧しい人々に配ったほか、仲間を募ってリオグランデ・ド・ソルに病院を建てた。彼の自宅があるポルトアレグレでは、今でも食糧を集めている。

 ネイマールは500万ドル(約5億5000万円)をさまざまな団体に寄付し、さらに100万ドル(約1億1000万円)をブラジルのアマチュアサッカー救済のために寄付した。

 カフー、ライー、マウロ・シウバ、エジミウソンといったブラジルのスター選手たち、そしてフォルミガ、シシー、クリスティアーニら女子サッカーの選手も救済活動を行なっている。彼らは自分たちのユニホームやシューズをネット上でオークションにかけ、その売り上げで病気の子供や老人を助けようとしている。

 ブラジルには「Cesta Basica(基本のバスケット)」というものがあり、1リットルの油、5キロの米、5キロの豆、1キロの砂糖、1キロの小麦粉などが入っている、日常生活の必需品セットだ。この「Cesta Basica」はひとつが20ドル(約2200円)するが、多くの選手がこれを買い上げて、貧しい人に寄付している。デニウソンはこの箱を500個買い、寄付した。ブラジルの東北部では、無名な選手たちもこの箱を買い上げ、貧しい人々に配っている。

 コロナウイルスがブラジルにもたらした危機はあまりにも大きく、これらの活動だけでは十分ではない。もっと多くの選手たちが組織だって、立ち上がるべきだろう。今こそ、真のチャンピオンであることを見せるべき時である。

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