架空のアニメオープニングっぽい映像が本気すぎ「早く第1話が見たい」 ワンカット映像に2カ月かける執念

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2020年05月31日 07:00  ウィズニュース

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写真花が舞い散る必殺技、走り出す登場人物たち…「あるある」が詰め込まれた「異世界ファンタジー編」=「アニメOPっポイヤツ」YouTubeより
花が舞い散る必殺技、走り出す登場人物たち…「あるある」が詰め込まれた「異世界ファンタジー編」=「アニメOPっポイヤツ」YouTubeより

 主人公の顔のアップからの、入れ替わり立ち替わり現れる登場人物たち。タイトルがドンと出て、仲間たちと走り抜ける先には、不敵な笑みを浮かべるライバルの姿――。テレビアニメのオープニングの「あるある」を詰め込んだ映像を、実写で制作している団体が話題です。コメント欄に「このアニメ見たことある」と錯覚する人も現れるクオリティの高さですが、驚くべきなのは、編集なしのワンカット撮影であるということ。間違えたらやり直しで、1〜2分の映像を撮るために2カ月かけるという、執念の制作過程について聞きました。(朝日新聞デジタル編集部・野口みな子)

【画像】まさにアニメOPの「あるある」詰め合わせ、動画の名場面はこちら 「早く第1話見たい」と錯覚

ワンカット撮影に「テイク23」「テイク28」
 「架空のTVアニメのOPっポイ映像をつくる」というコンセプトのYouTubeチャンネル「アニメOPっポイヤツ」。これまで「王道少年アニメ編」から「特殊捜査官編」、「異世界ファンタジー編」や「ギャンブル編」まで、幅広いジャンルの「オープニングっポイ映像」を制作、配信してきました。

 完成度の高さに「感動」「鳥肌立った」「早く1話が見たい」などのコメントが寄せられ、中には人物やストーリーの考察を始めるアカウントも。オープニングには収まりきらない世界観に、夢中になる人が増えています。TikTokにも投稿されたダイジェスト版には4万件以上の「いいね」が集まり、70万回以上再生されています。

 また、同じチャンネルに投稿されている撮影風景を収めた動画では、正真正銘のワンカット撮影であることがわかります。10人ほど出演者たちが、カメラの死角で素早く移動し、次のシーンを準備していく動きは圧巻です。しかも、どの回も「テイク23」「テイク28」など、相当な数の撮り直しの結果だということも驚きです。

 どのようにしてこの「TVアニメっポイ映像」が生まれているのか、チャンネルを運営する「ポイヤツら」のメンバーに聞きました。

映像制作と地続きにある「舞台」
 「ポイヤツら」は、パントマイムをベースとした舞台で活動する団体です。「ポイヤツら」に所属し演出家でもある、かきもとさんは「アニメOPっポイヤツ」の始まりを、「『舞台上で撮影をしてそのまま上映する』というコンセプトの、1つのパフォーマンスだった」といいます。

 舞台全体を俯瞰したり、自分の好きな出演者を目で追ったりできるのが舞台演劇の良さですが、視覚的に人物やモノをクローズアップすることはできません。そこで「カメラを使うことで舞台でもそれができるのではないか」と考えたことがきっかけでした。

 テーマとして「TVアニメのOP」を選んだ理由に、「ポイヤツら」が土台としているパントマイムと共通点があるとかきもとさんは説明します。

 「パントマイムは原則として、言葉や小道具などを使わないので、お客さまの共感、いわゆる『あるある』で成り立つ表現だと思っています。同時に、『ストーリー』よりも『画作り』で勝負する表現でもあります。わかりやすい、ある意味説明的な動作の連続で、シーンを作っていくイメージですね」

 一方で、アニメのオープニング映像はいわば「本編のダイジェスト」。登場人物の紹介、世界観設定、作品ジャンルをはじめ、観るだけでこれから本編で起こることをわかりやすく伝わってきます。

 「その情報も、各作品のオリジナリティだけで構成されているのではなくて、逆に『どこかで見たことある』、『あの作品と同じだ』という視聴者の共感から成り立っている部分もあると思います」

 こうした説明的な「画」と視聴者の「あるある」で補強されるという相性の良さから、「TVアニメのOP」をモチーフにしたといいますが、「もちろんメンバーそれぞれにアニメが好き、というのが最大の理由です」。

 ワンカット撮影へのこだわりも、「編集」できない舞台演劇が背景にあるからこそ。「リアルタイムでさまざまなことが起こる」という舞台の醍醐味を活かし、そこにある制約も「工夫することで生まれる面白みもある」といいます。

「こいつは何話で仲間になるよ」役者も設定深掘り
 構成やカメラワークを考えているのは、メンバーであり演出家でもある、かきもとさん。既存のアニメのオープニング映像から着想を得ることが多いといいますが、つい「これ、アナログで再現できるかな?」という視点で観てしまうといいます。

 キャラクターについては、デザイン画や簡単な絵コンテは用意しているそうですが、細かな設定は与えていません。しかし、「役者がそれぞれに『こいつはこんな性格だ』とか『こいつは何話で仲間になるよ』とか、勝手に設定を深堀りしています(笑)」。

 とはいえ、撮影風景の動画を観ただけでも、並大抵の準備で作れる映像ではないことはひしひしと伝わってきます。かきもとさんによると、企画から完成に至るまではおよそ2カ月。会社員として働くメンバーも多い中、稽古を重ねる時間を確保するためにはこれくらいの期間が必要なのだといいます。

 コンテで想定した動きが実際にできるのかどうか、稽古の中で試し、発見しながら作り上げていく。かきもとさんは「短期間でつくる舞台のような感覚」と表現します。

 こうした稽古の積み重ねの集大成となるのが、スタジオでの撮影です。撮影にかかる時間は、作品によるとはしつつも、およそ5時間。スタジオの構造が想定と異なるなど、予想外の出来事は当たり前。その場で修正作業をしながら、1〜2分の完成動画を撮影するために何度も何度も撮り直します。まさに、「スタジオの予約時間との勝負」。

 立ち位置を緻密に把握して動く役者の大変さが目立ちますが、中でも一番大変なのはカメラマンだそうです。映像には写らなくとも、振り付けやカメラワークが決まっている「ほぼ役者」。また役者の動きや「画」を意識する監督も兼ねており、超重要な役割を一手に引き受け、常に頭がフル回転の状態なのだといいます。

ZOOMでも撮影「画面分割」が可能に
 新型コロナウイルスによる影響で、これまで通りの撮影が難しくなった「ポイヤツら」のみなさん。しかしこれを機に、リモートでの作品づくりにも挑戦。新作の「武闘大会編」はZOOMを舞台に、ここでもワンカットで撮影されました。

 タイムラグに苦労し、20回以上テイクを重ねたそうですが、「ZOOMならでは」の表現も可能に。役者がビデオのオン/オフを繰り返すことで、2画面、4画面と画面分割を実現するという巧みな技も取り入れ、コメント欄には「天才か」という声も寄せられています。

 ウイルス禍によってメンバーが集まるのが難しい状況でも、作品づくりを続けたのは『継続して活動する』という目標があったとメンバーの月出ヒタチさんはいいます。

 「年齢を重ねていくにつれ、活動を辞めてしまうケースが周囲でも多くなっている中、一定のペースでしっかり活動を継続していきたいなと思っています。なので、こういった時期でも活動を止めてしまいたくないという思いがありました」

シリーズ構成は「皆さまの心の中に…」
 そんな積み重ねもあり、チャンネル登録者や再生数も増え、TikTokでは「バズる」投稿も続出。動画にはさまざまな声が集まっています。

 こうした反響について「もちろんどのコメントもありがたく拝見していますが、一番うれしいのは考察コメントですね」と月出さん。

 「みなさんが思い思いにキャラクターの設定や、話の展開などを考察してくれているのですが、『そういう見方があったか!』とか『わかるわかる!そうだよね!』とかこちらも楽しんで読んでます」

 「是非自由に、妄想して楽しんで欲しいですね。エンドクレジットに書いていますが、シリーズ構成は、『皆さまの心の中に…』としていますので(笑)」

 今後は「90年代感のあるアニメ」や「アクションもの」などにも挑戦していきたいそう。また、「『観客がいる前で撮影して、上映する』というのをしばらくやっていないので、また舞台で上演したいですね」。

 「世の中の状況をみてですが、早く新作製作に取り掛かりたい」という「ポイヤツら」のみなさん。これからの作品も楽しみです。

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  • 劇場版アイマスの中で宣伝された【眠り姫】もすげぇ観たくなる出来だった(^.^)
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