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ジャニーズ事務所所属のNEWS手越祐也が緊急事態宣言下に女性らと飲み会を開いていた問題で、芸能活動を自粛することになった。
手越についてはまず、「週刊文春」(5月13日発売号)が緊急事態宣言下の4月下旬にパーティを開いていたことを報道。ジャニーズ事務所がコロナ感染防止のチャリティ企画「Twenty☆Twenty」への参加見合わせを発表していた。ところが、今度は5月23日未明にも飲み会をしていたことが「文春オンライン」(5月23日付)にすっぱぬかれ、とうとうジャニーズ事務所が芸能活動の全面自粛という処分を下したのだ。
「今回の措置は完全にジャニーズ事務所の主導です。手越についてはこれまでもさまざまな不祥事やスキャンダルを引き起こしていたが、“女帝”メリー喜多川副社長の寵愛を受けていたため、事務所内でもその行動を誰も諌めることができなかったし、すべてなかったことにしてきた。しかし、メリーさんが第一線を退いて影響力を低下させていることに加え、滝沢秀明副社長の方針で、タレントの不祥事に厳しい対応をし始めていますからね。たとえば、ジュニアのHiHi Jetsメンバーのプライベート画像流出問題や、売り出し中のSnowMan岩本照のラブホ合コン・未成年飲酒問題で活動自粛処分にしています。こうした流れで、手越も今回、処分をすることになったのでしょう。テレビ局もジャニーズ事務所の意向を受けて、すぐにレギュラー番組『世界の果てまでイッテQ!』などの出演見合わせを決めました」(スポーツ紙ジャニーズ担当記者)
出演見合わせだけではない。驚いたことに、ワイドショーも一斉にこの手越問題を報道。「社会人として自覚が足りない」「さすがに今回はまずい」などと苦言を呈している。
まったくどういう神経をしているのか。断っておくが、これ、手越に対する言葉ではない。芸能マスコミに対して言っているのだ。
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先のコメントでもあったように手越についてはこれまでも、さまざまなスキャンダルや不祥事が明らかになってきた。しかし、手越がどんな事件を起こそうが、ワイドショーもスポーツ紙も一切報じることはなかったし、手越自身も一度も謹慎などすることなくテレビに出続けてきた。
たとえば、今回2回立て続けに報じられたコロナ禍での飲み会報道だが、手越はそれ以前、政府が不要不急の外出を自粛するよう国民に呼びかけている最中の3月下旬に参加していた。
安倍首相の妻・昭恵氏が芸能人らに囲まれて花見を楽しんでいたことを「週刊ポスト」(小学館)と「NEWSポストセブン」が写真とともに3月下旬に報じたが、掲載された写真にはライトアップされ美しく咲き誇る桜の木をバックに、ニッコリと満面の笑みを浮かべる昭恵氏の前方では、手越が親指を立てて微笑んでいた。
この昭恵氏の“花見”については国会でも取り上げられ安倍首相が逆ギレ反論するなど大きな話題となり、テレビでも花見写真が大々的に報じられた。
しかし、ワイドショーは手越の“手”すら口するにことはなく、問題の花見写真を紹介する際も、手越の顔の部分にはぼかしが入れる始末だった。安倍首相はこの集まりについて「知人と会合」と国会で説明しており、手越の参加はこの会合が不要不急なのか否かを知る上でも重要な材料なはずなのに、その存在をなかったことにしてしまったのだ。
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●今回はジャニーズ事務所から批判OKのサインが出ていた
また、手越は“コロナ自粛期間中の外出”といったレベルではない、もっと悪質な事件も引き起こしている。
たとえば、2017年5月には、当時逮捕された金塊強奪事件の容疑者のfacebookに手越との親密写真が掲載されていたことが発覚していた(朝日新聞の取材に対し手越本人も認めている)。しかし、容疑者と手越の写真について報じたのは本サイトなどネットメディアと朝日新聞くらいのものだった。この金塊事件じたいは当時、ワイドショーでも大々的に取り上げられていたのに、手越と容疑者の交遊問題は完全に蓋をされてしまったのだ。
極め付けが、2018年の未成年飲酒報道だろう。手越は、2018年6月に「週刊文春」(文藝春秋)に未成年女性との飲酒疑惑を報じられた。その前週には同じくジャニーズNEWSの小山慶一郎と加藤シゲアキも未成年女性への飲酒強要が発覚、小山は『news every.』(日本テレビ)キャスターをはじめ芸能活動を自粛、加藤は厳重注意の処分を受けている。そしてふたりの番組内での生謝罪などはワイドショーでも大々的に報じられた。
ところが、同時期に発覚した手越の未成年飲酒疑惑に関しては、ワイドショーはいっさい報じることはなく、それどころか日本テレビは手越にサッカーW杯のキャスターを予定通り務めさせたのだ。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)も、たかだか不倫でベッキーを降板させておきながら、手越に関しては不問だった。
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ところが、金塊事件の容疑者との交友や未成年飲酒でさえも無視していたテレビやスポーツ紙が、今回、緊急事態宣言下で仲間と飲み会を開いていたというだけで大々的に取り上げ、一斉に苦言を呈したのだ。前出のスポーツ紙担当記者が苦笑しながらこう話す。
「普通ならここまで大きく取り上げないよ。今回、ジャニーズ事務所から処分内容の発表と同時に、われわれに『手越の件は飲み会のこともある程度報道してくれてかまわない』というお達しがあったんだ。テレビ局にも同様の通達があったはず。それでこういう報道になった。これも、ジャニーズの体制の変化ゆえだろう。手越についてはメリーさんが守っていたため、ほかのタレント以上にメディアに対する締め付けが厳しかった。しかし、メリーさんの影響力が低下し、手越はこのまま退所するとの見方もある。メディアにある程度の批判をさせれば、ほかのタレントへの警鐘となると判断したんじゃないか」
結局、ジャニーズタレントの不祥事やスキャンダルを報じるか報じないかは、メディア独自の判断ではなく、ジャニーズ事務所の意向次第ということだ。ワイドショーはこれでよくもまあ、正義ヅラして、芸能人の不倫や自粛期間中の外出を叩くことができるものである。
(時田章広)
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