「日本球界での逆風は強すぎる」阪神・藤浪、復活のため“メジャー移籍のススメ”

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2020年06月01日 17:05  AERA dot.

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写真毎年、復活が期待されている阪神の藤浪晋太郎だが… (c)朝日新聞社
毎年、復活が期待されている阪神の藤浪晋太郎だが… (c)朝日新聞社
「メジャーリーグへ来い」

 阪神・藤浪晋太郎に対して、MLB関係者が熱視線を注いでいる。

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「藤浪本人にも問題があるだろうが、今の日本球界での逆風は強すぎる。どこへ行っても批判を浴びている状況では、モチベーションも上がらないはず。環境を変えれば本来の能力を発揮できる可能性がある。思い切って米国で再出発を図るべき」

 MLBアジア地区担当スカウトは藤浪に対して好意的だ。

「高校時代から注目していた。長いリーチを生かした威力ある球は十分通用する。また若い頃からトーナメントで戦ってきた、勝つための野球頭がある。今は苦労しているけど、26歳と年齢も若く魅力がある。チャンスがあればぜひ欲しい投手だ」

 大阪桐蔭高時代は全国大会春夏連覇を達成。12年オフのドラフト1位で阪神入団、1年目から10勝を挙げ、その後も二桁勝利を続けていたが、16年に途絶えて以降は制球難が悪化し勝てない状況が続いている。昨年は1軍でわずか1試合の登板にとどまった。

「今年に賭けていたようで、昨オフから目の色が違った。今までは自分の形にこだわりすぎ、周囲からアドバイスを受けても聞く耳をもたなかった。新しいことにどんどん挑戦するようになり、キャンプから好調を維持していた。調子が良かった分だけ、少し気が緩んだのでしょうか」

 メジャー流動作解析『ドライブライン』を導入するなど、復活を目指し試行錯誤していた。その矢先で続出した問題行動、球団関係者は無念さを隠せないようだった。

 3月26日には、タニマチ主催の会食の席で新型コロナウイルス感染したことが判明。そして5月29日には、前日の練習遅刻が原因で2軍降格処分となった。

 プロ野球は開幕が遅れ、高校野球などアマ競技は軒並み中止。プロ、アマ共に揺れているスポーツ界において、悪い面で話題を提供し続けている形になってしまっている。

「練習に遅刻して来たんで、昨日。新たにみんな頑張ろうという中で練習に遅れてくるというのはこっちとしてもすごく残念やし、全体の信頼を失うようなことだった。ここ(1軍)にいてみんな同じ気持ちでやっていくのが難しいという判断。人なんでミスもあるけど、これが初めてじゃないので」

 阪神・矢野燿大監督はこれまで親心を見せ温かく見守ってきた。しかし今回だけは厳罰を下すしかなかった。

 ウイルス感染が発覚後の3月27日に入院、退院後の4月23日の記者会見では「会食は非常に軽率だった」と深く反省した姿を見せた。その後、練習を再開し、順調な仕上がりをみせていた中での練習遅刻。しかもこれが初めてではなかったというから穏やかには済まない。謝罪会見からわずか1カ月での愚行に、周囲も言葉を失った。

「阪神、藤浪くん……。けっこう期待してるんだけど…」と上原浩治氏(元巨人ほか)がツイッターに投稿したのもうなずける。

 また時期を同じくジャニーズ事務所所属タレント・手越祐也が芸能活動自粛となった。緊急事態宣言下、女性らと飲み会をおこなっていたことなどが大きな理由。「藤浪がやっていることは似たり寄ったり。同じ穴のムジナ」とネットを中心に話題となっているほどだ。

 まさに四面楚歌の状況であるが、冒頭のようにMLB関係者は藤浪にラブコールを送る。

「才能があるのは間違いない。環境が本人のそれを阻害している部分もある。例えばイップスに関しては、日本では何をやっても改善が見えなかった。米国で時間をかけて修正しても良い。技術的なものか、精神的なものか。米国ならばやる気があって、可能性がある選手にならば環境はいくらでも準備できる。例えるならトミー・ジョン手術だと考えれば良い。仮にイップス修正に2年かかっても、藤浪はまだ28歳で投手として先が残されている」(前出のMLBアジア地区担当スカウト)

 側副靱帯再建術『トミー・ジョン手術』は米国において、投手を中心におこなわれている。一般的に術後18カ月程度で故障前と同レベル、もしくはそれ以上の回復が見込めるとされる。時間を費やしても根本から修正するという考え方だ。

 また日米のスポーツ事情に詳しいスポーツライターは「現在の社会情勢が藤浪獲得の追い風になる」とも語る。

「日本人投手への評価が高いのに加え、阪神のエース格ならばブランド力はすごい。加えてコロナウイルス禍でMLB各球団が経営難に悩まされている。人件費節約は最重要事項で、年俸カットなどの話題も出ており、これからの契約交渉は大荒れが予想される。MLB傘下のマイナーリーガーも軒並みクビになっているほど。各チームとも編成に苦労している中で、藤浪を格安で獲得できるならこれほど良いことはない。数千万円なら手を挙げる球団はたくさんあるはず」

 今季年俸は6300万円(推定)と言われているが、減俸なども受け入れることができればメジャー挑戦も実現味を帯びてくる。

「最後は本人次第」と語るのはアマ時代から藤浪を追い続けるスポーツライター。

「プロ入り後すぐに結果が出た。阪神という人気球団で周囲からもチヤホヤされた。20代の若者が勘違いしてもしょうがない部分もある。しかし早く気付かないと手遅れになる。今回の厳罰を見ても、周囲は見放し始めている。現実的に阪神から移籍するのも1つの方法。本来は野球好きの真面目な好青年なのだから、無理やりにでも環境を整えた方が良い。高校野球のスターだった藤浪という名前は大きなブランドになっている。だから中途半端な国内球団移籍では変わらないと思う」

 米国を含めた海外移籍を選択肢に入れるべき、と力説する。

 阪神担当記者は常に気にかけてくれる、ダルビッシュ有(シカゴ・カブス)の名前を挙げる。

「ダルの近くへ行くのを選ぶという手もある。現状を見ていると1人では甘えが出てしまう可能性が高い。人一倍意識の高い姿勢を常に目にすれば、本人も気付くはず。ダルの話なら素直に耳を傾けるのではないか」

 投球スタイルこそ異なるが、同じような体型で日米で結果を残す先輩にすがるのも最後の手だと言う。

 同級生の大谷翔平(アナハイム・エンゼルス)とは大きな差が開いてしまった。高校時代の実績は藤浪が上だったことが過去の遺物になった。

 野球センスは誰もが認める。だからこそ本人の姿勢が歯痒く見えてしまう。野球への意識や取り組み方が、2人の差を生み出したのは明白だろう。

 しかしどんな形であれ、再びのライバル関係が生まれればこんなにドラマチックなことはない。藤浪晋太郎の復活、覚醒を期待をしてしまう。米国挑戦には大きな可能性、そして夢とロマンがあるのは間違いない。








このニュースに関するつぶやき

  • 阪神はグッズ販売の実績がなければ、評価しないしな。移籍もやむなしじゃない。
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  • アメリカに行くのかなー!
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