YouTubeで中国共産党に批判的な内容が削除 原因は「システムエラー」?

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2020年06月02日 10:51  リアルサウンド

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 Google傘下のYouTubeが、中国共産党に批判的な中国語のコンテンツを長期に渡り、削除していたことが明らかになった。


(参考:Androidが位置情報を不正に追跡? 米アリゾナ州がGoogleを訴える


・ユーザーから複数の証言
 『The Verge』によると、中国共産党への反対運動をアメリカで展開するJennifer Zeng(曾錚)氏が「ものの15秒足らずで『共匪』(共産党ゲリラ)というコメントが、YouTubeにより削除されました」とツイートしたことをきっかけに、この問題が明るみになったという(参考:https://www.theverge.com/2020/5/27/21271611/youtube-deletes-comments-critical-china-communist-party-fixed)。


 また、テクノロジー企業Oculus創設者であるPalmer Luckey氏は、次のようにツイートしている。


「YouTubeは、中国共産党のインターネットプロパガンダ部門である五毛(Wumao)についての、私のこれまでのコメント全てを削除しました。Googleの誰が、すでに中国で禁止されているアメリカのプラットフォーム(YouTube)の、アメリカでホストされているアメリカの動画のアメリカ人のコメントに対して、検閲することを決めたのでしょうか」


 Palmer Luckey氏は更に続ける。


「これはYouTubeの新たなグローバルポリシーのようです。 五毛について否定的なことを言うと、コメントは約30秒で、警告や予告なしにCCP(中国共産党)の検閲スタイルで削除されます。 何のためでしょうか」


・YouTubeは「システムエラー」と説明
 YouTubeのスポークスマンは『The Verge』に対して、これがシステムエラーであり、修正されたが、他の用語がまだ影響を受ける可能性がある、と説明している(参考:https://www.theverge.com/2020/5/27/21271611/youtube-deletes-comments-critical-china-communist-party-fixed)。


 しかしYouTubeは、このエラーがどのように起こったかは、説明していない。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる影響で、これまでよりも自動システムに依存しているために、誤って自動削除されたことを示唆している。


 しかし、2019年10月にYouTubeの公式ヘルプページで、複数ユーザーが同じ問題を報告していた証拠が確認されているという(参考:https://www.theverge.com/2020/5/26/21270290/youtube-deleting-comments-censorship-chinese-communist-party-ccp)。


 自動コメントフィルターへの依存が高まっているというのは、これらのコメントが、パンデミックより前に削除された理由の説明にはならない。


・Googleと中国の歴史
 YouTubeを傘下に置くGoogleの中国との関係は複雑で、以前には撤退を余儀なくされている。2018年には、中国共産党の基準を満たす検閲済み検索エンジンのプロトタイプを開発していることが明るみに出て、政治家やGoogle従業員からも(民主主義の)原則を売り飛ばしたとして、非難された。このProject Dragonflyと呼ばれる試みは、2019年6月にアメリカ上院司法委員会の公聴会で中止となったことが報告されている。


 Googleが巨大な中国市場への参入をにらみ、何らかの忖度が行われていたのではないか、と厳しい視線が向けられている現在。真偽のほどは定かではないが、果たして。


(Nagata Tombo)


このニュースに関するつぶやき

  • Googleも中国の顔色を伺うんですね。
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