「無観客試合は絶対に嫌」ミスター・サブマリンが語る“120試合”の戦い方 今季有利なのは巨人と…

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2020年06月02日 11:30  AERA dot.

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写真無観客試合は選手にどんな影響を及ぼすのか (c)朝日新聞社
無観客試合は選手にどんな影響を及ぼすのか (c)朝日新聞社
 緊急事態宣言の解除を受け、プロ野球の開幕が6月19日に決定した。感染防止のため、当面は無観客での開催となり、レギュラーシーズンは当初より23試合少ない120試合となった。6月2日からは、各チーム4カードずつで練習試合も始まる予定だ。

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 開幕までは、残り3週間弱。決して多くの時間は残されていない。各選手、チームともに、急ピッチで調整を進めなくてはならないが、ケガのリスクなど問題はないのだろうか。

 かつて「ミスター・サブマリン」と呼ばれ、千葉ロッテマリーンズなどで活躍し、現在は社会人野球チーム「日本製鉄かずさマジック」で監督を務める渡辺俊介氏に、今季のプロ野球について話を聞いた。

*  *  *
――ついにプロ野球の開幕が決まりました。率直にどう感じましたか?

 早く開幕してほしいという気持ちは当然もっていましたので、無事に開幕が決まったというのは素直にうれしいですね。最初は無観客での開催なので、テレビ観戦のみにはなると思いますが、ファンの皆さんにとっても喜ばしいことですよね。ただ、新型コロナウイルスというものは、まだまだわからないことが多すぎるので、感染のリスクなどのことを考えると、やはり不安はありますね。

――今期レギュラーシーズンは120試合です。各チーム、戦い方などは例年と変わってくるのでしょうか?

 20試合程度の減少であれば、大きな影響はないと思います。昨年は143試合でしたが、僕が入団した頃は交流戦もまだなかったし、それ以前は130試合という時代もありました。もし、仮に今年例年通り3月から始まっていたとしても、120試合消化した時点は、ほぼ順位も決まっている頃でしょうから、わざわざ戦い方を変えるまでもないと思います。

 ただ、すべてのスケジュールがまだどうなるのか発表されていないので、空き日がまったくないとか、移動のゲームが続くなど、日程が過密になる場合は「ピッチャーの頭数」が重要になってきます。

 1週間に1回投げることをきっちり守れる先発が6枚そろっているチームであれば問題ないでしょうが、そんなチームはなかなかないですからね。リリーフに負担がかかることは間違いないでしょう。

 特にピッチャーが打席に立つセ・リーグは、どうしてもピッチャーが交代するケースが多くなるので、中継ぎの充実が鍵になってきます。DH制のパ・リーグは、リリーフに関しては基本的に7、8、9回を考えておけばいいので、先発がきっちり長いイニングを投げることが重要となります。「ピッチャーの頭数」だけでいえば、やはり巨人やソフトバンクなど、巨大な戦力を持っているチームが多少有利かもしれませんね。

――開幕まで、残り3週間弱しかありません。各選手は、新型コロナウイルスの影響で満足な調整ができていないのでは?

 3週間というのは決して長いわけではないですが、調整できる可能の範囲内だと僕は思います。

 自粛生活が長く続きましたが、今の選手は、限られた空間の中でできるトレーニングのいろんな知識を持っているので、身体が鈍っているっていうことはないでしょう。身体のキレということよりも「チームとしての動き」と「戦うという意識の“スイッチ”」のほうが重要かもしれませんね。

 開幕までに練習試合が10試合程度はあるとも聞いていますので、徐々に感覚は戻ってくるでしょうが「急ピッチで仕上げていく」という感覚はどうしてもある。これは、例年とは違いますので、自粛生活中に、各選手がどんな時間を過ごしてきたのかっていうのは非常に大きいでしょうね。

 ただ、チームによって、自粛生活中は何もするなと選手に指示しているケースもあるかもしれません。もし、ここから慌てて身体を動かしているような選手がいたとするならば、ケガのリスクは高いので十分に注意が必要です。

 調整に関しても、おそらくほとんどの選手が、例年の開幕3週間前に行っていたトレーニングをベースにして練習メニューを組み立てるはずです。急に開幕が決まったからといって、これまでと違う調整法を取り入れるってことは、まずしないでしょうね。例年と同じ調整をすることで、自分が今どんな状態になのかっていうのが比較しやすくなりますから。

 もし、僕が今現役だったとしたら、「実戦感覚」に関するトレーニングを多めに入れるでしょうね。おそらくチームとしても、そっちに時間は割くとは思いますが、ピッチング練習を行うにしても必ずバッターを立たせるとか。連携プレーやけん制などの確認も必要だと思います。

――開幕しても当分は無観客での開催です。選手のモチベーションなどに影響は?

 これは相当雰囲気が異なるので、かなり影響はあると思います。僕だったら、絶対的に嫌ですね。ゲーム慣れしている選手だと、お客さんが入っている雰囲気を感じて、集中力を高めているルーティーンがあったりしますし、そういう選手は、ほどよい緊張感を集中力にかえることができるんですね。そういう高揚感があきらかに減りますから、ベテラン選手ほど、やりにくいと感じると思います。

 ただ、無観客というのはアマチュア野球に近いものがありますから、新人の選手にとっては、優しい環境かもしれませんね。僕も初めてプロのマウンドにたった時は、お客さんの雰囲気にひるみましたから(笑)。特にソフトバンクの声援はマウンドが揺れるんですよ……あれは怖かったですね。

――交流戦、オールスターゲームは中止となりましたが、クライマックスシリーズ(以下・CS)に関しては、セ・リーグが中止、パ・リーグは検討中と意見が割れています。足並みがそろっていないように感じますが?

 もちろん、セ・パで一緒にするのがすっきりしていちばん良いとは思いますが、そもそもリーグが二つに分かれているので、別にいいんじゃないかなと個人的には思います。

 僕が千葉ロッテマリーンズでプレーしていた2005年は日本一になりましたけど、そもそもセ・リーグにはCSはなかったですし、パ・リーグはこれまでも新しい歴史を作ってきた背景がありますからね。

 実際やはり盛り上がりますし、CSがあるからこそ、リーグ優勝が決まった後でも個人タイトルだけに注目がいくっていうのが減りましたし、最後の最後まで何かしら6球団が絡んでくるっていうのは、選手たちにとってもやりがいがありますよ。

 また、球団の資金面というところでもCSの役割は非常に大きい。今年は特に。こういうコンテンツができるのであれば、やるべきだと思います。

(聞き手・構成/AERA dot.編集部・岡本直也)

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