コト消費で多様化する映画鑑賞、“満足度の高い映画館”に4つのポイント

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2020年06月02日 12:00  ORICON NEWS

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写真オリコン顧客満足度「映画館」ランキング、7地域別の満足度総合1位獲得サービス (C)oricon ME inc.
オリコン顧客満足度「映画館」ランキング、7地域別の満足度総合1位獲得サービス (C)oricon ME inc.
 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が全国的に解除され、新たな生活様式のもと少しずつ日常を取り戻しつつある日本。休業要請は段階的に緩和され、映画館も各地で徐々に営業を再開し始めている。日本映画製作者連盟によると、2019年の年間興行収入は2611億8000万円(前年度比117.4%)。『君の名は。』や『シン・ゴジラ』、『この世界の片隅に』など、粒ぞろいの作品が並んだ16年を大きく上回り、過去最高の成績を収めた。そんな近年の日本映画活況の背景には、時代とともに進化する映画館の存在も大きく、今後の市場回復を支えるカギとなる部分もありそうだ。そんななか、顧客満足度調査を行うオリコンでは「映画館」の顧客満足度ランキングを初発表。調査結果から“選ばれる”映画館のポイントを探る。

【一覧表】7地域別の「映画館」満足度総合ランキング TOP3

 20年1月8日〜23日の期間、過去1年以内に映画館で映画、またはODS(ライブ・スポーツ中継・演劇など、映画以外のコンテンツを映画館で上映すること)を1回以上鑑賞した15歳以上を対象に、利用した映画館の満足度について調査。全国を7地域に分類し、結果を元に「北海道・東北」「関東」「甲信越・北陸」「東海」「近畿」「中国・四国」「九州・沖縄」と、各地域別の全7ランキングを発表した(規定の回答者数を満たした企業のみを順位付け)。ランキングを構成する評価項目は8つ(「チケットの買いやすさ」「上映作品の充実さ」「スタッフの対応」「ロビーの使いやすさ」「フード・ドリンクの充実さ」「施設の充実さ」「特典・割引の充実さ」「利用のしやすさ」)あり、これらは全33の質問から成り立っている。なお、前述の通り、同調査は緊急事態宣言前に実施したもの。

◆満足度の高い映画館、共通点は「チケットの買いやすさ」「上映作品の充実さ」「施設の充実さ」「利用のしやすさ」

 結果を見ていくと、7地域でそれぞれ総合1位を獲得したのは、北海道・東北【札幌シネマフロンティア】(74.55点)、関東【シネマサンシャイン】(77.00点)、甲信越・北陸【長野グランドシネマズ】(71.38点)、東海【ミッドランド】(73.66点)、近畿【大阪ステーションシティシネマ】(74.72点)、中国・四国【広島バルト11】(74.29点)、九州・沖縄【ユナイテッド・シネマ】(75.46点)。いずれの地域も、1つのスペースに複数のスクリーンを持つ、シネマ・コンプレックス(以下、シネコン)が首位を占めた。

 回答者が映画館を選定する際(利用前)に重要視した項目を調べると、割合に多少の差異はあれど、各地域で「チケットの買いやすさ」「上映作品の充実さ」「施設の充実さ」「利用のしやすさ」を特に重視している傾向が見られた。今回、総合1位を獲得した映画館の評価項目別の結果を見ると、これらの4項目で1位を獲得している映画館が多く、地域別の調査ではあるものの、“満足度の高い映画館”に必須の共通点として考えられそうだ。

◆満足度ランキングに見る、映画の“コト消費”

 いくつか、具体的にいくつかの映画館を掘り下げていこう。関東の【シネマサンシャイン】は、15の劇場を手がける佐々木興業が運営する映画館で、関東地区には4つの劇場を持つ。最新鋭の「グランドシネマサンシャイン」は、昨年7月にオープンした新商業施設・キュープラザ池袋の4階〜12階フロアに位置し、12スクリーン、約2500席は都内最大級。

 最新のテクノロジーを投入した上映設備、3つのグレードが用意されたこだわりのシートなど、鑑賞環境はもちろん、「たいせつな友人を招くように、心を込めたおもてなしで映画ファンをお迎えしたい」というコンセプトに基づいた心憎いおもてなしも満載。映画にゆかりの深い街をモチーフにデザインされた館内フロア、140作品におよぶ名画ポスターギャラリーなど、映画鑑賞が特別な思い出・体験になるような仕掛けが随所にあふれており、全8項目中「施設の充実さ」や「ロビーの使いやすさ」などの7項目で1位を獲得した。

◆地域性を活かした“おもてなし”も重要なポイント?

 8つの評価項目を見ると、全国に名の知れた大手が手がける映画館が有利なのではないか?とも感じるが、甲信越・北陸1位の【長野グランドシネマズ】、東海1位の【ミッドランド】は、ともに地元に根付いた企業が運営するシネコンだ。

【長野グランドシネマズ】は、戦後から長野県の映画産業に携わってきた老舗の興行会社・中谷商事が運営する映画館で、同所は長野市内初の本格シネコンとして2006年6月にオープン。通りに面した壁面がガラス張りとなった開放的な設計で、8つのスクリーン(1365席)には3D上映など臨場感溢れる映像設備を用意。2Fテラスに併設された「シネマスタジオ」では、毎週水曜に長野で活躍するフリーアナウンサー・大岩堅一氏のラジオ番組『Doyohエンタメ意気Yoh Yoh!』(FMぜんこうじで、毎週土曜11:00〜放送)の公開収録が行われ、コミュニティスペースとしても地元の人々を中心に愛されているようだ。

 一方、東海1位の【ミッドランド】は、愛知・名古屋に拠点を置く中日本興業が展開。愛知県内手掛ける3つの映画館のうち、ショッピングセンター・エアポートウォーク名古屋内の「ミッドランドシネマ 名古屋空港」は、全12スクリーンの座席(1809席)に清潔・安全な環境を提供する可視光応答型光触媒ソフトレザーシートを採用。館内は、「空気・水・芸術性」をコンセプトにデザインされ、バリアフリーにも対応。また、ロビー内からは県営名古屋空港の滑走路が見渡せ、離発着する飛行機やヘリコプターを間近に見ることができる。このシチュエーションは日本初で、こういった特異性も少なからず満足度に影響しているかもしれない。

 近年は、定額制の動画配信サービスも定着しはじめているため、映画鑑賞にはより一層、“体験”や“ライブ感”、“居心地”が求められる時代になってくるはず。今は何気なく選んでいる人のほうが多いと思うが、今後は「映画館で選ぶ」というスタイルが一般化していくのではないだろうか?

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