コロナ対策「日本モデル」の責任者は誰だ? 地面に転がる缶チューハイを見て思う

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2020年06月02日 16:00  AERA dot.

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写真北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表
北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表
 作家・北原みのり氏の連載「おんなの話はありがたい」。今回は、新型コロナウイルス対策の「日本モデルの成功」について。北原氏は、政治家や専門家たちの想像力の及ぶ範囲を疑問視します。

【図表】一目でわかる!新型コロナ感染とBCG接種有無の相関性

*  *  *
 自粛生活が始まってから、私の暮らすマンションではリサイクルごみの日に出される空き缶が尋常ではない量になっている。先日は、空き缶箱から缶があふれ道路にちらばっていた。そのほとんどが缶チューハイかビールだ。居酒屋は閉じられているが、もしかしたら日本の酒量は変わっていないのではないかと、ふと思う。

「このままじゃアル中で死ぬかもしれない」 

 先日、美容院に行ったとき美容師がそう言っていた。お酒が好きな人で、仕事のある日は必ず居酒屋で一杯ひっかけて帰る生活をしていた。それがこの状況で仕事もなければ、居酒屋も開いていない。気がつけば、あっという間に朝から飲む生活になったという。

 朝起きてまず缶チューハイをコーヒー代わりに一杯。運動不足を解消するために、昼ごろになると少し遠いスーパーまで歩いて行き、翌日の缶チューハイを1ダース買う。帰ってきたらだらだらと飲み続け、夕方6時になったら焼酎と日本酒を飲む(本当のお酒を飲む時間)、と「規則正しい」生活を送っているのだと自嘲する。

 彼の収入は1月に比べ20%以下になった。家賃は重くのしかかるが、予約のキャンセルは続く。給付金は申請したが、入金がいつになるのか全く分からず支払いのあてにできない。

「飲むと少し不安が消えるんですよね」
 
 だからこのままじゃ、コロナの前にアル中で死ぬかもと言うのだ。まったくだよね……と私たちは笑いながら、いや笑いごとじゃないんだけどね、と少し泣きそうになる。
 
 政府は今「日本モデル」ということを言い始めている。むなしい言葉だ。そこに何か実体が伴うかのような錯覚を起こさせるが、今苦しんでいる人々からすれば、急激な人生の下り坂の最中であることは変わらない。誰が「日本モデル」と言いだしたのかは分からないのだが、4月1日に専門家会議が出した提言では、PCR検査を対策の柱にするのではなく、クラスターを早期に見つけ出していく「日本モデル」に世界の注目が集まっているとされている。

 その後、4月18日に日本感染症学会による「私たちの経験と英知を結集して」と名づけられたシンポジウムが行われた(せめて「経験と“知識”」くらいにとどめられないのか)。そこでは専門家が、PCR検査の限界がきたときに、検査を受けさせろ!と大衆が病院などに押し寄せ「一部の人は興奮して大声をあげるような状況になるのは容易に想像できる」と警戒する図を公表していた。

「日本モデル」の「成功」とは、大衆が暴徒化せず医療現場が崩壊していないことを言うのだろうか。確かにアメリカやブラジルの惨状をみれば、日本はマシなのかもしれないが、それは講じられた対策のおかげなのだろうか。むしろ東京と都市の規模としてほぼ同じソウルで6月1日現在の死者が4人、東京305人の違いの方が、大衆にとってリアルな恐怖だと思う。日本モデルの責任者は誰だ。

 今月の給料がゼロになるかもしれない恐怖を、コロナ対策をしている政治家や、専門家たちは、どれだけ想像できるのだろう。不安に支配され、事実を知りたい、未来を描ける展望がほしいとのぞむ大衆を、パニック予備軍としか捉えず、仲間たちで「私たちの英知」「日本モデル」と誇り高く胸を張る天空の方々に、地面に転がる無数の缶チューハイの空き缶は見えているか。この国の英知はどこにあるのか。

このニュースに関するつぶやき

  • つまりこの人は不安を煽りたいだけなんですね!
    • イイネ!2
    • コメント 0件
  • 元々韓国は中国人から嫌われてるから観光にも行かなくなってましたからね(笑)感染者、死者共に少ないに決まってるだろ?その最中第二波とかやらかしてるから馬鹿だよね( *´艸`)
    • イイネ!28
    • コメント 0件

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