【エンタメ】オンラインで“キャパ”を設ける理由は?「#オンラインライブハウス_仮」発起人・柳井貢インタビュー【中編】

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2020年06月03日 17:11  ウレぴあ総研

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ウレぴあ総研

写真5/13開催の「FM802 弾き語り部」に出演した井上竜馬(SHE’S) 撮影=渡邉一生(アーティスト) 写真提供=FM802(アーティスト)
5/13開催の「FM802 弾き語り部」に出演した井上竜馬(SHE’S) 撮影=渡邉一生(アーティスト) 写真提供=FM802(アーティスト)
【re:START】エンタメ再始動へ向けて。

【エンタメ】マネタイズ法と「生」である価値の追求「#オンラインライブハウス_仮」発起人・柳井貢インタビュー【前編】

ぴあではエンターテイメント業界のキーパーソンにインタビューを連載していきます。

【re:START エンタメ再始動に向けて】キーパーソンインタビュー第3回は、株式会社ヒップランドミュージックコーポレーション執行役員であり、「#オンラインライブハウス_仮」発起人の柳井貢氏に、3回にわたってお話をお聞きします。

【エンタメ】マネタイズ法と「生」である価値の追求「#オンラインライブハウス_仮」発起人・柳井貢インタビュー【前編】に続く2回目は「ライブハウス」という枠組みとイメージが伝えるものについて聞いていきます。

(※この取材は、5/14にオンラインで行いました。)

■なぜオンラインでありながらキャパシティが決まっているのか?

── 「#オンラインライブハウス_仮」には、当たり前ですが「ライブハウス」という言葉が入っているように、オンライン空間でありながらキャパシティが決まっているというのが特徴的です。これにはどのような意図があるのですか?

柳井 前回お話ししたふたつの軸である、チケット代として入り口でお金をいただくモデルと「生」を追求したコンテンツ、そこにさらに回数を重ねるという目標を加味すると、

プレーヤーにとっては、オンライン上の不特定多数の誰かに向かってやるよりも、ここにいるあなたたちに対してパフォーマンスする方が、「生」という意味合いにおいてプレーのクオリティーが上がるだろう、と。

そしてキャパシティが決まっていることで特定の空間ができて、入場料という仕組みが作れる。という仮説に基づいて、キャパシティを設ける必要があると判断したんです。

だけどそれを言葉での説明や理論だけでなく、印象として感じてもらうのが重要だと思ったんですよね。その印象を具体化する演出として、毎回具体的に「ライブハウス」を設定する必要があったんです。

ただそのライブハウス感というものをどの程度提供できるのか、というところはまだ課題としてあります。

要するに、ユーザー目線で言えば、出演者も大事だけど、どこで行われるかというのも重要なわけですよね。

リアルな世界においては、当然ながらBIGCATもJANUSもShangri-Laもそれぞれ違った個性と魅力があるので。そこの部分に関して言えば、ライブハウス側と一緒になってどれだけ取り組めるかというのが鍵になってくるでしょうね。

僕の妄想としては(笑)、リアルな世界と同じようにオンライン空間でも各ライブハウスのキャパシティがそれぞれに決まっていて、なおかつホスピタリティーも違っている。

オンライン上ではあるけれど、場所としての個性が出てくれば、アーティストがここでやりたい、とか、ユーザーはここで観たい、というふうに定着していくのではと思っています。

例えば、AというライブハウスでXというアーティストがプレイしました。かたや同時に、BというライブハウスにYというアーティストが出演しました。

あるユーザーは、アーティストとしてはXが好きなんだけど、場所としてはBで観る方が好きなんだよな、というように選択肢が増えるのがひとつの理想ですね。

── キャパ設定する上で、そしてコミュニケーションの面でも、たしかに「ライブハウス」という枠組みとイメージが伝えるものって重要ですね。

柳井 そうですね。やっぱり目指したいのは、コミュニケーションをベースにした生のライブ体験なので。アーティストもコミュニケーションが取りやすいですからね、少人数の方が。

オンライン大阪城ホールって、もはやキャパ設定する意味もないし、わけがわからないですからね(笑)。だったらYouTubeでやればいいじゃんって話になっちゃうので。

やっぱりそれぞれのコンテンツに合わせた適切なキャパシティって、あると思うんですよ。落語を1万人のキャパの会場で聞きたいかと言われたら、それは何十人何百人の寄席の方が絶対いいですよね。

音楽も同じで、なんとなくスタジアムやアリーナ、巨大野外会場なんかで体感するものが、すごいと思われがちなんですけど、でもライブハウスで行われているライブには、そこでしか体験できない素晴らしさがある。

ビルボードライブが数千人規模の会場にあえてしないのは、適切なサービスに対してのキャパシティというものがあるからなんですよね。

リアルな世界ではコンテンツに合わせた会場設定とか、それに合わせた需要がある程度みんなわかっている。でもそれがオンラインになると、途端にボケてしまう。みんな一緒くたになってしまうんですよね。

もちろんキャパがないっていうのは、それはそれで有意義なんですけど。全部が全部そうである必要はないし、こういうのもあるよっていうのが「#オンラインライブハウス_仮」ということです。

── 出演されたアーティストのみなさんからはどのような感想がありましたか?

柳井 昨日(5/13「FM802弾き語り部 リモート編♪-at #オンラインライブハウス_仮」@オンライン_心斎橋BIGCAT)出演してくれたLAMP IN TERRENの松本大(Vo&G)に訊いたら、そこに80人の人たちがいて、その人たちが頭から最後まで観てくれていて、その人たちに届けているんだっていう実感があったと言っていましたね。不特定多数に向けてやるよりはやりやすい、と。

ただミュージシャンとしては、音がちゃんと聞こえてるのかな、とか、音自体のクオリティーはどうなのかな、という部分が気になったりというのはあるので、可能性を感じつつも、部分的な不安もセットになっている、というのがミュージシャンの正直なところでしょうね。

── オムニバスのイベント形式のものと、単独でのライブだと、コンテンツの作り方は変わってきますか?

柳井 変わると思います。けどそれは、リアルなものと同じですね。昨日オムニバス形式のものをやってみて思ったのは、例えばアーティスト同士のコミュニケーションがすぐできるというのはオンラインの良いところだなと思いましたね。

リアルの場合だと、転換しなければいけないし、トーク用のマイクや椅子を用意しなければいけないしで、それをやるだけで結構大変なことになってきますから。オンラインだと、ライブのMC中にライブをやっていないアーティストがトークで参加したり、ということも可能ですからね。

今後の公演情報はonlinelivehouse.jpで順次、発表されます。

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