「ここからの勇人は見もの」巨人・坂本、コロナ感染を糧にさらなる成長の“予感”

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2020年06月04日 16:00  AERA dot.

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写真巨人・坂本勇人 (c)朝日新聞社
巨人・坂本勇人 (c)朝日新聞社
 巨人・坂本勇人と大城卓三が新型コロナウイルス感染したことが報じられた。

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 6月3日、巨人と西武の練習試合が試合前に急遽中止となった。理由は日本を代表するスター選手と連覇を狙うチームの正捕手候補がウイルスに感染したためだ。

 前日には東京都の感染状況が悪化の気配を見せ、『東京アラート』が発令されたばかり。球界のみならず日本中に衝撃が走った。

「被害を最小限に食い止めることが最も重要。そのためにやるべきことは多い」

 在京スポーツ紙記者は、2選手の感染発覚が及ぼす影響は大きいと語る。

「2選手とも主力として練習試合を含め、チームの全練習メニューに参加していた。他球団を含め接触した関係者すべてのウイルス感染チェック、そして立ち入り場所の消毒作業なども必要になる。当面、東京ドームなど巨人が使用した施設の使用禁止になる可能性もある」

 3月の阪神3選手の感染発覚時は、感染選手が練習試合で使用したナゴヤ球場の消毒をおこなった。同様の措置が東京ドームにも必要となるはずだ。

「6月19日の開幕が決まり、試合日程や移動手段など急ピッチで調整していた。しかし、こうなった以上は開幕すら白紙に戻ることもありうるのではないか。開幕直後は無観客で、移動距離も少なくて済む関東中心で行う方針だった。東京ドームがこういう状況だとどうなるかわからない」

 巨人だけでなくNPB関係者のすべてが頭を悩ませることになった、と前出のスポーツ紙記者は続ける。

「(坂本)勇人に関しては身体について心配していたが、最悪の形になった」

 球団関係者は坂本の感染に関しては、周囲の多くが早くから懸念していた。

「ここ数年は疲労との戦いで、腰痛も完治していない中で試合に出続けてきた。今年最初、立て続けに体調を崩した。開幕延期になり自身の調整も難しい中、チームの先頭に立ってやっていた。肉体的にも精神的にもギリギリな状態で、免疫力も落ちていたのではないか」

 坂本は今年1月の沖縄自主トレと2月の宮崎キャンプ中の2度、インフルエンザ感染していた。この時の教訓を生かしコンディショニングには細心の注意を払っていたという。

「食事や飲みに歩いているという話をまったく聞かなくなったのに……」

 巨人担当記者は坂本の変化とともに、今回のウイルスへの対処の難しさを語る。

「『気分転換しないと野球にも集中できない』と語っていた。また多くの浮名を流しているようによくモテる。お酒も飲めるので多くの誘いも受けるが、年末あたりからそういう話を聞かなくなった。今年の春季キャンプではウイルスの話題も出始めていた。チームへの影響を考えて、食事も繁華街に出ずにホテルで済ませていた。開幕延期が決まってからは、私用での外出はしていないらしい。どんなに注意を払っていてもこういうことがある。厄介なウイルスです」

 オープン戦での無観客試合導入を提案するなど、巨人は早くからウイルス対策の徹底をおこなってきた。その中心として細心の注意を払ってきた坂本が感染してしまった。

「変な意味でアンバサダーの三冠王になってしまった」

 大手広告代理店担当者は、坂本の置かれた現状について斜め目線で解説する。

「各球団とも野球だけの興行収入では限界に達したため、グッズ販売、放映権などの収入を重要視するようになった。巨人も同様で、有名アパレルブランドとのコラボ展開やネット配信に活路を見出そうとしている。その流れの一環として坂本はMLB公式キャップなどを扱うニューエラ社、映像配信会社DAZN社のアンバサダーに就任したばかり。世界的に著名な2社に加えて、ここへ来ての新型コロナウイルス感染。まさに名前を世間に広めるアンバサダーの役割を担ってしまった」

 坂本は3月にニューエラ社、6月にDAZN社のアンバサダーに就任したばかり。共に球界そして巨人を盛り上げて行こうとしていた矢先、ウイルス感染してしまった。

 また、今シーズンは大記録更新にも挑戦するはずであった。

 昨年まで1884安打を放っており、2000本安打まで残り116本。史上最年少での達成が目前だった。これまでの記録は68年、榎本喜八(東京)が達成した31歳7カ月16日。坂本が更新するためには、7月29日までに残り116安打で可能性十分であった。しかし開幕延期となり、坂本の記録達成の実現可能性は、消失したに等しい。

「勇人はいろいろなものを我慢して、チームに対して献身的にやっている」

 前出の球団関係者は、坂本の姿勢はチーム全体に大きな影響を与えている、と言う。

「口には出さないけど、2000本安打の記録更新はできる、と思っていたはず。球史に名前を残せるわけだから、興味がないはずはない。開幕延期になって内心、悔しかっただろうね。でもそれを一切表に出さず、来るべきシーズン開幕に向けて率先してチームを引っ張っていた。そんな勇人がウイルス感染した。やりきれない気持ちでいるはず。今はかける言葉が見つからない」

「夢としては持っている」と語っていたメジャー移籍を封印。18年オフに5年の長期契約を結び、生涯・巨人を決心してグラウンドに立った。その初年度となる昨年は5年ぶりのリーグ優勝を果たした。次は2012年以来8年ぶりの日本一奪回を目標に掲げている。

「一途で熱い男だから今回のことで責任を大きく感じていると思う。だからここからの坂本は見もので、これまで以上に野球に没頭するはず。天才が死ぬ気でやればどこまでも伸びる。もしかすると打率4割などという、とんでもない成績を残して巨人を頂点に導いてくれるかもしれません」(前出の巨人担当記者)

「神様は乗り越えられない試練は与えない」とよく言われる。坂本にとって今回の件は、さらなる成長ができる機会なのかもしれない。

 球団発表では早期での復帰可能ということ。まずは健康な姿で再び巨人のユニフォームに袖を通して欲しい。また坂本ほどのスターがウイルスを打ち破れば、世間に対してこれほど大きなメッセージはない。

 ヒーローはピンチのあとに大逆転するもの、と昔から相場が決まっている。











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