妊娠中の象、爆薬の詰まったパイナップルを食べて死亡(印)<動画あり>

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2020年06月04日 21:12  Techinsight Japan

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爆薬入りパイナップルを食べてしまった象(画像は『New York Post 2020年6月3日付「Pregnant elephant dies after being fed pineapple filled with explosives」(Facebook)』のスクリーンショット)
密猟や違法な取引で野生動物が犠牲になってしまうケースは後を絶たないが、このほどインドで野生の象が爆薬の詰まったパイナップルを食べて口に大怪我をしてしまった。物が食べられなくなった象は耐え難い痛みを抱えながら息を引き取ってしまったという。『New York Post』『New Indian Express』などが伝えている。

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インドのケララ州にあるサイレント・バレー国立公園に生息していた15歳の雌の象が先月27日、同州マラプラム地区を流れるヴェリヤー川で立ったまま死んでいるところを発見された。同地区の森林局の職員であるモハン・クリシュナンさん(Mohan Krishnan)は、のちに「人生の中でもっとも胸が締め付けられるシーンだった」と明かしている。

モハンさんによると、象は何者かが仕掛けていた爆薬入りのパイナップルを食べたことにより、爆発によって顎と舌を負傷したという。モハンさんが現場を確認した時、既に象は負傷により食べ物を口にすることができない状態で弱っていたそうだ。

象は群がってくるハエや虫から身を守るために川に入ったと見られていたが、『New York Post』では「この象が自ら死を感じ取ったため川に入ったようだ」と報じている。モハンさん達は、野生の象を救うために訓練された“クムキ(Kumki)”と呼ばれる2頭の象を連れて救助を試みようとしたが、時既に遅く象は川で息を引き取ってしまった。

直接の死因は肺に水が入ったことによる窒息死だったが、象は痛みを抱えながら川の中で救助隊に危害を加えることもなく静かに息を引き取ったようだ。森林局管轄の獣医でこの象を検視したデイヴィッド・エイブラハム博士(David Abraham)は、次のように述べている。

「私は20年以上、約250頭もの象の検視を行ってきたのですが、初めて象の胎児をこの手で抱き、胸を打たれました。当初は象が妊娠していることに気づきませんでしたが、心臓をみている最中に羊水があることに気づき、妊娠していることが分かったのです。」

象は妊娠しており、胎児とともに絶命したことがエイブラハム博士の検視によって明らかとなったのだ。

なお今回のように、爆薬が入った果物による象の負傷は過去に何度もあるそうだ。農村部では作物を野生のイノシシなどから守るため果物に爆竹のようなものを仕掛けておき、それを象が誤って食べてしまうという。

このたび息を引き取った象は妊娠中で栄養を蓄えるため農村部まで食料を求めてやって来て、爆薬入りのパイナップルを食べてしまったもようだ。

また象の牙を狙う密猟者も同様の手口を使うため、インドの野生生物保護法では今回のような罠や仕掛けは違法だとして、森林局へ「爆薬入りのパイナップルを仕掛けた犯人を特定するように」との声があがっている。

森林局では「インド憲法の第51条A(g)は生き物への思いやりを持つことはインドの全ての市民の義務である」と記して、象の死の直前の写真とともにSNSに投稿した。



画像は『New York Post 2020年6月3日付「Pregnant elephant dies after being fed pineapple filled with explosives」(Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

このニュースに関するつぶやき

  • 象牙は確かに日本でも需要があるのだけど、一番の購買者は日本人ではないという話を聞いた気がする。
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