市川海老蔵はなぜ“YouTuber向き”? 注目を集めるタレント性と動画活動のマッチングを読む

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2020年06月05日 11:31  リアルサウンド

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動画サムネイルより

 歌舞伎俳優の市川海老蔵が6月3日、YouTubeチャンネル「EBIZO TV」を開設。過去の舞台映像から、普段のトレーニング風景、長男・勸玄くん、長女・麗禾ちゃんとの“本気の鬼ごっこ”まで、精力的に動画を投稿し、注目を集めている。


(参考:中村獅童&杉浦太陽の“良きパパっぷり”に注目? YouTubeに芸能人の親子チャンネル続々


 YouTuberデビューを報告する第一弾の動画では、子供たちからのインタビューや、日常のトレーニングや食事情、そして歌舞伎の素晴らしさを伝えるチャンネルにしたいと語った、市川海老蔵。同日に公開された「鬼ごっこ」動画では、「舞台もないし、何かしなくちゃなと思っていて。出力するのが仕事じゃないですか。これを機にいろいろなことに挑戦しようと思っていて、可能性を探りたい」とした上で、「僕は比較的免疫力が高いので、免疫力を高める方法とか、運動とか、皆様のヒントになれば」と、健康面にもフォーカスすることを強調した。


 また、今般のコロナ禍を受け、「芸術はどこへ向かえばいいか」というテーマでもトークを展開。「無観客で芝居をすることも考えている。まず自分が試験的にいろいろとやってみて、無観客でもご覧いただき、成立するような形(を模索したい)」とも。その上で、無観客での公演はすでに知名度がある役者でしか成り立たないという可能性も考え、「いま頑張っている人たちがタイミングを逃さないように」と、作品を販売する場を提供したり、企画を考えるサロンを展開したり、という方策も検討していることを明かしている。


 コロナ禍の影響もあり、有名人のYouTube参入が加速しているなかで、「EBIZO TV」のチャンネル登録者数はすでに4万人に迫り、一般知名度が高くても数千再生、というタレントも珍しくないなかで、デビュー動画は約20万再生、その他の動画も数万単位と、比較的好調な滑り出しを見せている。


 過当競争様相を呈しているYouTuber業界において、成功につながる要因として、「他にない個性/専門性があるか」というポイントが挙げられるが、この点について市川海老蔵は当然、申し分ない。また、直近のトレンドとして、芸人YouTuberのパイオニアであるカジサック(キングコング・梶原雄太)、またヒロミや中村獅童のチャンネルも含め、心あたたまる「ファミリー動画」が人気を博しており、その意味でも「EBIZO TV」は注目を集めていきそうだ。


 歌舞伎という専門分野での実績/ファンベースと家族の協力、そして否が応でも注目を集めてしまうタレント性を持った市川海老蔵は、まさにYouTuber向きのパーソナリティと言えるだろう。今後どんな動画が飛び出すか、楽しみにしたい。(向原康太)


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