兵士の後をついてくる「個人装備運搬ロボット」イギリス陸軍が導入

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2020年06月05日 16:11  おたくま経済新聞

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兵士の後をついてくる「個人装備運搬ロボット」イギリス陸軍が導入

 昔の日本には、お茶を運んでくる「茶運び人形」というからくり人形がありました。こちらはさしずめ、その現代ミリタリー版。行軍中に兵士の負担になる、数々の個人装備を兵士の代わりに運ぶ無人の運搬ロボットが、イギリス陸軍に納入されました。


【さらに詳しい元の記事はこちら】


 この運搬ロボットは、イギリスのゼネラル・ダイナミクス・ランドシステムズUKが開発した「MUTT(Multi-Utility Tactical Transport=汎用戦術輸送装置)」という8輪式の電動無人車両。分隊レベル(約10名)程度の歩兵装備などを搭載し、兵士らに随伴して移動するロボットです。


 自分の身を守る銃などの火器は手放せませんが、糧食や雨具といった個人装備は必要な時を除き、兵士にとっては単なる重量物であり、疲労の原因となって戦闘でのパフォーマンスを阻害します。兵士に代わって戦闘に必要ない個人装備を運搬するMUTTは、通常の装輪仕様と不整地に強い装軌仕様があり、投入される戦場によって使い分けられます。


 MUTTは自律行動モードに加え、遠隔操作モードでの使用が可能。自律行動モードでは自動的に兵士の後を付いてくるため、誰かが操作にかかりきりになることはありません。遠隔操作モードでは逆に、兵士たちから離れた場所から攻撃し、援護することも可能になります。


 もちろん、搭載したセンサーを使い、偵察や情報収集(ISTAR)に使用することも可能。この際にも自律的に行動させたり、遠隔操作できめ細かく周囲の偵察警戒をすることができます。


 ゼネラル・ダイナミクス・ランドシステムズUKのカリュー・ウィルクス副社長は「このロボット運搬車の契約締結は、現代の戦場における情勢の変化に対し、軍が要求する革新的ソリューションを我が社の技術が広範囲でサポート可能であることを示しています。MUTTの導入により、イギリス陸軍の素晴らしい能力が最大化されることを楽しみにしています」とのコメントを発表しています。


 イギリス陸軍用のMUTTは、まず2両が2020年4月に納入されました。ゼネラル・ダイナミクス・ランドシステムズUKは今後、MUTTのオペレータと整備員の養成やサービスサポート、補修用部品や工具の供給を含めたフルサポートのヘルプデスクを設け、イギリス陸軍に提供するとしています。


<出典・引用>
ゼネラル・ダイナミクス・ランドシステムズUK ニュースリリース
Image:ゼネラル・ダイナミクス・ランドシステムズUK


(咲村珠樹)


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  • 牛を使えば糧食にも転用出来るぞ。
    • イイネ!0
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