“逸材中の逸材”は誰だ? 過去10年のドラフト指名選手を番付にしてみた【投手編】

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2020年06月06日 16:00  AERA dot.

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写真プロでは活躍できなかったが早稲田大時代はスカウトから高い評価を受けていた大石達也(c)朝日新聞社
プロでは活躍できなかったが早稲田大時代はスカウトから高い評価を受けていた大石達也(c)朝日新聞社
 2010年代も多くのドラマがあったプロ野球ドラフト会議。毎年のように目玉と言われる選手が出現し、プロ入り後に期待通りの活躍を見せた選手もいればプロの壁や故障に苦しんでいる選手もいる。そこで今回は過去10年間(2010年〜2019年)に指名された選手の期待度を番付形式で10人選んでみたいと思う。プロ入り後の活躍は考慮せず、あくまでもドラフト会議時点での評価を対象とした。前回の野手編に続いて今回は投手編をお届けする。

【写真】ドラ1入団も「1軍出場なし」で終わった選手はこちら

西前頭筆頭(10位):斎藤佑樹(早稲田大→2010年日本ハム1位)

甲子園でのフィーバーの印象が強いが、大学4年間でもリーグ戦通算31勝、323奪三振、防御率1.77としっかり結果を残してみせた。縦の変化球を主体にしたクレバーな投球は見事で、間違いなく東京六大学野球の歴史に残る投手である。下級生の頃と比べて3年時以降、成績を落としたことは懸念されたが、最終的に4球団が1位指名した。

東前頭筆頭(9位):高橋純平(県岐阜商→2015年ソフトバンク1位)

3年春に出場した選抜で最速150キロをマークし、2試合連続二桁奪三振も記録。スピードだけでなくコントロールも安定しており、スケールと完成度を備えた大型右腕として注目を集めた。その後は左太ももの故障で夏の岐阜大会、U18W杯では不本意な投球に終わったが、その故障がなければ更に高く評価されていた可能性も高い。

西小結(8位):有原航平(早稲田大→2014年日本ハム1位)

広陵高時代から大型本格派として評判の右腕でプロからも高い評価を受けていたが早稲田大に進学。大学では2年秋からエースとなり、通算19勝をマーク。150キロを超えるストレートと抜群の制球力で世代ナンバーワンと言われた。最終シーズンは右肘の故障で出遅れたものの評価は変わらず、4球団競合のすえ日本ハムに入団した。

東小結(7位):松井裕樹(桐光学園→2013年楽天1位)

2年夏に出場した甲子園で新記録となる1試合22奪三振をマーク。準々決勝で光星学院(現八戸学院光星)に敗れたが、4試合で68個の三振を奪っている。上背はないが抜群の躍動感で、打者の手元で鋭く縦に変化するスライダーは“消える”と言われた。3年時は横浜に敗れて甲子園出場は逃したものの高い評価は変わらず、5球団の1位指名を受けた。

西関脇(6位):藤浪晋太郎(大阪桐蔭→2012年阪神1位)

エースとして甲子園春夏連覇を達成。甲子園で登板した9試合全てで150キロを超えるスピードをマークし、夏は準決勝、決勝と2試合連続で2安打完封と圧巻のピッチングを見せた。少し癖のあるフォームを疑問視する声はあったものの、スケールの大きさと高校生離れした完成度に評価は高く、4球団が1位入札している。

東関脇(5位):藤岡貴裕(東洋大→2011年ロッテ1位)

戦国東都と言われる東都大学野球でも2010年代最高の投手。リーグ戦では2度のMVP、3度のベストナインと最優秀投手を受賞。全日本大学選手権も3年時、4年時と連覇を達成し、2年連続でMVPを受賞した。菅野智之(東海大→巨人)、野村祐輔(明治大→広島)とともに『大学ビッグ3』と言われたが、当時の実力は頭一つ抜けた存在だった。

西大関(4位):大石達也(早稲田大→2010年西武1位)

福岡大大濠時代から九州屈指の右腕として評判で、早稲田大では斎藤、福井優也(現楽天)とともに3本柱として活躍。主に7回以降のリリーフを任されると、1年秋から3年春まで38回2/3連続無失点を記録した。藤川球児(阪神)を思わせるようなストレートの勢いで、リーグ戦通算60試合を投げて奪三振率12.60という驚異的な数字を残した。

東大関(3位):田中正義(創価大→2016年ソフトバンク1位)

高校時代は無名だったものの、大学2年春に150キロ台を連発して鮮烈にデビュー。3年時に大学日本代表として出場したプロ若手選抜との壮行試合では7連続三振を奪い、居並ぶプロスカウトを唸らせた。最終学年は故障で出遅れた影響もあって5球団の指名にとどまったが、年始には全12球団が1位指名の可能性があるとも伝えられたほどだった。

西横綱(2位):奥川恭伸(星稜→2019年ヤクルト1位)

2年春から4季連続で甲子園に出場。3年夏の智弁和歌山戦では延長14回を投げて23奪三振、自責点0という高校野球の歴史に残る快投を見せた。決勝で履正社に敗れて惜しくも優勝は逃したものの、甲子園の後に行われたU18W杯でも圧巻のピッチングでスカウト陣を唸らせた。ステップの幅が狭いフォームを懸念する声もあるが、総合力は大学生、社会人を含めても上位だろう。

東横綱(1位):佐々木朗希(大船渡→2019年ロッテ1位)

“令和の怪物”の異名をとる大型本格派右腕。3年春に行われた高校日本代表候補合宿で163キロをマークし、それ以降は異例とも言えるフィーバーとなった。決して速さだけでなく、フォームの良さや変化球のレベルも一級品。奥川や石川昂弥(東邦)が最終学年で台頭してきたのも、佐々木の存在に引っ張られた部分が多分にあっただろう。

 名前が挙がらなかった中では東浜巨(亜細亜大→2012年ソフトバンク1位)、大瀬良大地(九州共立大→2013年広島1位)、安楽智大(済美→2014年楽天1位)なども高い注目を集めた。また、悩んだのが菅野智之(東海大→2012年巨人1位)と大谷翔平(花巻東→2012年日本ハム1位)をどう扱うかだ。ともに目玉の一人であったことは間違いないが、菅野は一年の浪人で前年よりも評価が下がっており、大谷も3年夏のAAA世界野球選手権では投手として精彩を欠いてメジャー志望でなければどの程度の球団が指名したかが読みづらいこともあって今回の番付からは外した。

 東西の横綱はいずれも昨年のドラフトで指名された投手となったが、佐々木、奥川ともに歴代の高校生投手の中では図抜けた存在であることは間違いない。プロの世界でどこまで成長してくれるかが本当に楽しみである。(文・西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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  • この中で活躍したのは有原と藤浪ですかね.
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