コロナ禍の子育てに父親は? 不安や焦燥感「悩んだことを言葉に」 もともとギリギリだった生活が崩壊…

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2020年06月07日 07:00  ウィズニュース

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写真写真はイメージです=PIXTA
写真はイメージです=PIXTA

新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務と子育ての両立やパートナーとの関係、子どもの教育や遊び方など、これまで感じたことのないモヤモヤが生まれています。自粛期間をどう乗り切り、どんな課題が残っているのか。「この期間に悩んだことを言葉にして、人と共有しておいた方がいいと思います」。『男コピーライター、育休をとる。』の著書がある、株式会社電通のコピーライター・魚返洋平(うがえり・ようへい)さんの言葉から考えます。(withnews編集部・河原夏季)

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両立は「無理ゲー」
5月30日にオンラインで開かれたイベント「#父親のモヤモヤ・オンラインオフ会〜コロナ禍の子育て&在宅勤務&夫婦関係、どうしてる?〜」で、魚返さんは、0〜10歳の子どもがいる30〜50代の父親たちに語りかけました。

3月から在宅勤務をしている魚返さんは、2歳の娘の保育園がほぼ休園状態になった4月上旬から約2ヶ月、共働きの妻と家で育児をしながら仕事をしていました。

「仕事と家庭の両立は、もともとスマートにできていたものではなくて、泥臭くなんとか対処していました。そのバランスが崩壊しつつあります。僕と同じように『無理ゲー』だと言っている人もSNSでは見かけますが、お母さんが発言しているケースが多い。一方で、中にはスマートに両立している人もいるようなのですが、皆さんどうしているのかなと思っています」

仕事へのモヤモヤは次のように話しました。

「広告会社という性質上、ピンチをチャンスに変えていこうとか、非常に前向きな意思でみんな仕事をしていてまぶしいんです。個人的には、目の前の今日一日をどう乗り切るかということにいっぱいいっぱいで、本来あるべきアイデアを考え実施していくアグレッシブな思考に、今は到底なれていない。会社に行くようになったり、もう少し仕事の時間が増えたりしたときに、温度感やスピードが第一線のみんなの感じについていけるのか、不安や焦燥感みたいなものがあります」

保護者LINEで情報交換
毎日娘と一緒だと遊び方も悩みどころです。魚返さんは新しいアイテムを買い足してしのいでいました。

「運動をしなくなるので、トランポリンを買って家ではねさせたり、子ども用のバランスボールを買ったり、性能の良いシャボン玉液を買いました。在宅が基本となりつつも散歩や買い物はちゃんとしていて、外の風にもあたっていました」

6月から保育園は再開し、負担は少し軽くなりました。しかし、いつ第2波が来るかわかりません。その時のためにしておいた方が良いと思うこともあります。

「この期間に悩んだことを言葉にして、人と共有しておいた方がいいと思います。気持ち的に孤独を遠ざけるためです。共有しておくと心細くないと思います。僕はまだ職場ではきちんと共有できていませんが、この後できればいいと思っています。1人でもいいから同じようなことを考えている人がいると、単純に心強いですね」

参加者からは事前に「パパ同士のつながりを求めているか」という質問が寄せられていました。魚返さんは次のように答えました。

「つながりはあった方がいいと思います。ただ、父親に限定したつながりを積極的に探しているかというとそうではありません。僕はパパ同士と言うより、毎日保育園の送り迎えで会う人たちのつながりがあります。同じクラスの保護者でLINEグループを作って、コロナ以前は、月1くらいで子どもが入れる座敷席の店で集まっていました。今この状況においても、テイクアウトの店やマスクを売っている店の情報を交換していて助けられています」

育休を躊躇するあなたへ
事前質問の中には、「育休を取りたくても躊躇(ちゅうちょ)する人へ行動変化を促すキャッチコピーを聞きたい」というリクエストもあり、魚返さんは五つのコピーを考えてきてくれました。

”一生でいちばん優しくなれる一年が、くる。”

「子どもが生まれてから1歳になるまでの1年は、人間が一番優しくなるチャンスだと思います。そのときに育休を取っているか取っていないかって、その優しさを生かすか殺すかみたいになるなと思っていました」


”ここからの一年を、妻は一生おぼえてる。”

「父親目線です。育休を取るか取らないかは、一生記憶に残るものを良き思い出とするかどうかを左右します」


”家族のこと以外考えなくていい日々。人生にどれだけありますか。”

「家族のことしか考えなくていい毎日を許されているのが、育児休業という制度です。家族と仕事のことを考えながら両方やるのが常ですけど、家族のことだけに脳みそと体と時間を使えば良いって魅力的だよなと思います」


”あなたがいなくてもなんとかなるのが、会社のいいところです。”

「サラリーマンなのであれば、心配しないでいったん離脱しなよと。『自分がいないと』と考えがちですが、こういう考えもあるだろうと思いました」


”最強の出産祝いは、育休です。”

「周囲の人へ向けたものですが、周りの男性でこれから子どもが生まれる人がいたら、育児休業への理解こそが一番のギフトだよという切り口もすてきに響くと良いなと思って書きました」

参加者からは「前向きなキャッチ!」「キャッチコピー素敵すぎて感動」という反応が寄せられました。


会の終わりに、魚返さんはこう話しました。

「子育てで本当に無理ってなったとき、最終手段で思っていることがあります。ものすごく未来に立って今を振り返るということを勝手にシミュレートするんです。いつか子どもと別れるときがくると思います。いつかは死ぬし、生きていても離ればなれになりますよね。一見悲観的ですが、そのことを想像すると、めんどくさい1日ですらもう1回体験したくなると思うんです。子どもと離ればなれになるときから自分を見る。これは少しだけ前向きになれます。僕はそう考える癖がある。人によっては有効かもしれません」


父親のリアルな声、お寄せください
記事に関する感想をお寄せください。また、「育休」の反省や失敗談も募ります。「仕事ばかりだった」「パートナーと衝突した」といったモヤモヤや体験を募ります。育休を取得した父親の3人に1人は、1日の家事・育児時間が「2時間以下」――。育児相談アプリを運営する会社がこんなデータをまとめ、「とるだけ育休」と名付けました。「#父親のモヤモヤ」企画班では、あらためて「育休」に注目しています。家庭での育児負担について、みなさんはどう向き合っていますか?

いずれも連絡先を明記のうえ、メール(seikatsu@asahi.com)で、朝日新聞文化くらし報道部「父親のモヤモヤ」係へお寄せください。

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