米失業、黒人高止まり=経済格差が抗議デモ助長

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2020年06月07日 07:01  時事通信社

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写真ホワイトハウス周辺を歩く抗議デモ参加者。高級ホテルに「金持ちはくそ食らえ」と落書きされている=5月30日、ワシントン(AFP時事)
ホワイトハウス周辺を歩く抗議デモ参加者。高級ホテルに「金持ちはくそ食らえ」と落書きされている=5月30日、ワシントン(AFP時事)
 【ワシントン時事】白人警官による黒人男性の暴行死事件をきっかけに、米国で人種間の経済格差に焦点が当たっている。黒人の失業率は白人より2倍程度高い水準で推移しており、格差拡大の要因となっている。全米各地に広がる抗議デモは、改善が進まないことに対する市民の怒りの表れでもある。11月の大統領選では人種差別や経済格差の問題が大きな争点になりそうだ。

 ◇「外見で判断」

 「ここ数年の景気回復で給料は上がったけど、白人はもっと上がっているの!」。首都ワシントンでマンション管理人を務めるウラナさんは不満を隠さない。ホワイトハウス周辺で起きたような大規模デモは「わたしも黒人だから、なくならない差別や格差に抗議する人たちの気持ちが分かるのよ」と話す。

 中西部ミネソタ州で始まった抗議デモは人種差別が背景だった。だが新型コロナウイルスの感染拡大に伴う深刻な景気悪化で失業が急増。高級ホテルには「金持ちはくそ食らえ」と落書きされ、経済格差への不満に発展していることが分かる。

 米景気は2008年のリーマン・ショック後に回復をたどり、少数派の黒人、ヒスパニック、アジア系の雇用が改善し、所得も増えた。だがウラナさんは「就職面接に行っても黒人は能力ではなく、外見で判断される」と嘆く。

 ◇格差固定化

 労働省が5日発表した5月の失業率を人種別に見ると、白人は全国平均の13.3%を下回る12.4%に下がった。逆に黒人は16.8%に悪化。新型コロナ流行前には「景気拡大で黒人失業率は過去最低」(トランプ大統領)になっていたのは事実だが、ほぼ一貫して黒人が白人より2倍程度高い傾向が続いてきた。

 連邦準備制度理事会(FRB)の調査では、16年の平均的な白人世帯の財産は17万1000ドル(約1900万円)だったのに対し、黒人世帯は1万7600ドルと、わずか10分の1だ。FRB高官は「過去の景気拡大は格差縮小につながらなかった」と格差の固定化に警鐘を鳴らしている。

 全米各地で経済活動が一部再開し、悪化していた雇用は底入れした可能性が高いとみられている。だがレストランや旅行などサービス業を中心に「感染拡大で失われた雇用の6割程度しか戻らない」(英オックスフォード・エコノミクス)との分析もある。今後の景気回復過程で生じる雇用のばらつきが格差拡大の要因になる恐れがある。

 トランプ氏は11月に迫った大統領選での勝利をにらみ、大型減税案を含む追加経済対策で雇用回復を急ぐ考え。しかし、差別や経済格差という米国の病巣に切り込まなければ、抗議デモの長期化や拡大を招きかねない。 

このニュースに関するつぶやき

  • その元には、オバマゲートがある。。https://youtu.be/mXlYbOJ1gms
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  • 俺が見てる層がそうなのかも知れないけど、米国人達も意外とこの騒動を白い眼で見てるよ
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