WRC:ヒュンダイ、7月末から実戦再開。イタリアやエストニアのラリーにワークスマシン&ドライバー投入

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2020年06月10日 12:51  AUTOSPORT web

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7月末から8月頭にかけて行われる3イベントに出場するヒュンダイi20クーペWRC
ヒュンダイ・モータースポーツは6月9日、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を踏まえた夏からの活動計画をアナウンスし、イタリアやエストニアで行われるラリーにヒュンダイi20クーペWRCを投じることを明らかにした。

 WRC世界ラリー選手権にワークスチームとして、WTCR世界ツーリングカー・カップにはカスタマーチームにワークス支援を行っているヒュンダイ。しかし、どちらのシリーズも新型コロナウイルスにより、開催に影響が出ている。

 WRCは7月から9月上旬にかけて行われる予定だったサファリ・ラリー・ケニア、ラリー・フィンランド、ラリー・ニュージーランドが中止されたため、9日時点でのシリーズ再開は最短で9月24〜27日のラリー・トルコとなる。

 またWTCRはシーズン開幕を迎えておらず、こちらは9月12〜13日にオーストリアで第1戦が行われる予定となっている。

 いずれのシリーズも9月まで開幕しない状況のなか、チームは「ファンに戦っている姿を披露したい」として夏の間に行われる3つのラリーイベントにワークスマシンやワークスドライバーを送り込む方針を明らかにした。

 具体的に参戦を予定しているのは7月24〜26日に行われるラリー・ディ・ローマ・カピターレと、7月31〜8月2日開催のラリー・ディ・アルバ、そして8月7〜9日のラリー・ダートフィッシュの3戦だ。

 ローマ・カピターレとラリー・アルバには、ワークスとして2台のi20クーペWRCが投入される。このうち、ローマ・カピターレではダニ・ソルドとヒュンダイのカスタマーレーシング・ジュニアドライバーであるピエール・ルイ-ルーベがステアリングを握る予定だ。

 ラリー・ダートフィッシュはバルト三国のひとつ、エストニアで行われるイベントで、ティエリー・ヌービルとエストニア出身のオット・タナクがi20クーペWRCを走らせるとのこと。

 また、どちらのイベントにもヒュンダイが展開しているカスタマー向けラリーカー、ヒュンダイi20 R5も出場する。

 TCRなどのサーキットレースについては、8月末に開幕するTCRヨーロッパなどに向けて、7月中は開発テストなどを続けていく方針だ。

 チームプリンシパルを務めるアンドレア・アダモは「一部の国々では、依然として新型コロナウイルスのパンデミックが続いている状況であり、そのことから目を背けることはできない」と述べている。

「しかし、我々が拠点を構えているヨーロッパ圏では、感染予防対策やソーシャルディスタンスを守ることで活動を再開することが認められている。また各シリーズとも開催スケジュールが刻々と変化しているが、我々は柔軟に対応している」

「WRCについてはフィンランドとニュージーランドでの開催が中止となり、選手権再開の時期が延びてしまった。そのため活動方法について考えを巡らせていたんだ。ドライバーとコドライバーに実戦感覚を取り戻してもらい、ファンに笑顔を届けるためにね」

「もちろん新型コロナウイルスの状況をしっかり見極める必要があるが、この夏はいくつものイベントでi20クーペWRCやi20 R5が走る姿を披露できるはずだ。それと並行してTCR車両の開発も継続し、カスタマーレーシング部門の活動も安全に配慮して進めていく」

「今は誰にとっても困難な状況だが、暗いトンネルの先には必ず光があるものだ。一歩ずつ確実に歩みを進めながら、日常を取り戻していければと考えている」

 チームが拠点を構えるドイツ・アルツェナウでは新型コロナウイルス感染拡大防止のためロックダウンが課されてた期間もあったが、現在は解除。チームも約50%のスタッフが自宅作業、残りはソーシャルディスタンスを守ってファクトリーで勤務するなど、活動を再開しているという。

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