松本潤、小栗旬ら豪華キャストだけじゃない 『ごくせん』で仲間由紀恵のコメディ演技を堪能

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2020年06月11日 11:01  リアルサウンド

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 新型コロナウイルスの影響で4月クールに放送予定だった新作連続ドラマが軒並み放送延期を余儀なくされたことで、期せずして巻き起こった再放送ラッシュ。各テレビ局が人気作を相次いで放送しているなか、2002年に放送されて社会現象を巻き起こした『ごくせん』(日本テレビ系)が特別編として帰ってきたというのは、まさに“満を持して”といったところか。この2002年版のシーズン1だけでも松本潤をはじめ、小栗旬や松山ケンイチなど、生徒役から後の大スターを次々と発掘。さらには学園ドラマが若手俳優たちの登竜門としての役割を果たすという、近年もつづく流れを本格的に確立した作品でもあるため、年を経るごとにその価値を高めている作品だ。


 極道の“大江戸一家”の跡取り娘である山口久美子(仲間由紀恵)が教師になるという夢を叶え、問題児だらけの白金学院3年D組の担任の先生(あえてこのフレーズで言っておきたい)となり、生徒たちと心を通わせながら奔走していく姿が描かれていく本作。6月10日に放送された第2話では、夜の街で偶然不良グループに襲われている教え子の南(石垣佑磨)を助けた久美子が、ふたたびその不良グループに連れて行かれた南を助けるために生徒たちに向けて熱弁を振るう場面が印象的だ。強力な相手に怯んで動こうとしない生徒たちに声を荒げながら、「人ってのは一人じゃ何にもできねえんだよ。だからつるんでるんだろ」と、“仲間”の大切さを必死で説いていく。


 そして授業が始まるというのに学校を抜け出す久美子は「生徒守れないなら教師やってる意味ないから」と捨て台詞を残して、南を探しに行くのである。ひとつのエピソードだけで数えきれないほど多くのストレートすぎるメッセージを投げかける点、そしてクライマックスには久美子が敵となる相手のもとに乗り込んでいき、生徒を奪還するという点。まさに仁侠映画や時代劇、はたまた西部劇のような実に明確でわかりやすい “善”と“悪”のコントラストと、それによって生じる安心感があるといえよう。それこそが、このドラマがシリーズ化や映画化もされるほどに人気を集めた最大の要因なのではないだろうか。


 前述した豪華な生徒役をはじめ、かなり語りどころの尽きないドラマではあるが、ここはあえて主演の仲間由紀恵にフォーカスを当ててみたい。90年代には大人しめな見た目を活かして、控えめな役どころを演じることが多かった仲間は、本作の直前に『TRICK』(テレビ朝日系)で突然コメディへの類稀なる適性を開花させる。本作では極道の跡取りという、ある意味“お嬢様”キャラでもあり、そう考えるとそれまでの仲間のキャリアを見事に集約させたものと捉えることができる。それに加え、毎週繰り広げる大立ち回りによってアクション性も磨いていく。近年ではすっかり10代の頃とは異なるタイプの落ち着きを得て、ミステリアスな役柄が多くなったわけだが、こうして溌剌とした演技を見ると、久しぶりに仲間のコメディ演技を見たくなってしまうものだ。


 さて、このあとの第3話以降から『ごくせん』の面白さが本格化してくるわけだが、次週からは放送開始が延期となっていた『ハケンの品格』がようやくスタートするとのことだ。『ごくせん2002 特別編』が2週で終わってしまうというのはちょっぴり残念ではあるが、シーズン1の全エピソードがTVerとhuluですでに配信がスタートしている。この機会に当時を懐かしみながら一気に楽しんで観るのも一興であろう。


■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter


■配信情報
『ごくせん』
TVer、Huluにて配信中
出演:仲間由紀恵、松本潤、小栗旬、石垣佑磨、成宮寛貴、生瀬勝久、宇津井健、沢村一樹、伊東美咲、松山ケンイチ、上地雄輔
原作:森本梢子(集英社『YOU』連載)
脚本: 江頭美智留、横田理恵、松田裕子
音楽:大島ミチル
主題歌:V6「Feel your breeze」(avex trax)
プロデュース:加藤正俊
演出:佐藤東弥、大谷太郎
(c)日本テレビ


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