恋人に火を付けられ身体の80%を火傷した女性 暴力を受けても「この人しかいない」と信じていた(米)

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2020年06月20日 05:51  Techinsight Japan

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火傷をする前の女性(画像は『The Sun 2020年6月11日付「BURNED ALIVE I was scarred for life and suffered 80% burns after evil boyfriend set me on fire – I looked like a monster」』のスクリーンショット)
恋人に暴力を振るわれながらも「私にはこの人しかいない」と信じて関係を続けていた女性が、男に火を付けられ身体の80%を火傷する重症を負った。女性は一命を取り留めたものの全てを失い、『The Dallas Morning News』などに自分の経験や思いの丈を語った。

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米テキサス州ダラス在住のダニエル・タウンゼンさん(Danyeil Townzen、42)が、自分の人生を変えることになるマシュー・ガース(Matthew Gerth、34)に初めて出会ったのは、2017年9月のことだった。ダニエルさんはその日、自宅から約480キロ離れたサンアントニオの友人宅を訪れるために長距離バス「グレイハウンド」に乗ったものの、バスが途中で故障してしまった。

ダニエルさんは「友人に迎えに来てもらうことになって、待っている間に話をしたのがマシューだったの。とてもハンサムだし、気さくで話も弾んでね。せっかくだからと友人の車にマシューを乗せてサンアントニオに向かったわ。私はホテルを予約していたんだけど、いつの間にかマシューも一緒に泊まることになったのよ。そしてそれから2週間、マシューとロマンチックなホリデーを過ごしたの」と当時を振り返る。

13歳で母を亡くしたダニエルさんは、16歳で家を出ると自分の力で高校を卒業した。26歳で結婚したが37歳で離婚し、その寂しさを埋めるかのようにマシューが現われたのだった。ダニエルさんはその後、週に2回のペースでダラスからサンアントニオに通い、マシューとのデートを重ねた。

しかし出会いから3か月が過ぎた12月31日のこと、優しかったマシューの態度が豹変した。マシューはダニエルさんの携帯電話を勝手に操作し、男友達からのメールを見つけて怒鳴り始めた。ダニエルさんは携帯をいじられたことに腹を立て「ただの友達よ」と説明したが、マシューの怒りは収まらなかった。マシューは高速道路を運転中にダニエルさんを車の中から押し出そうとし、車を停めるとダニエルさんの顔を何度も殴ったのだった。

ダニエルさんはマシューの一面を知ってショックを受けたが、マシューは翌日に謝罪。その後も2度ほどダニエルさんを殴ることがあったが、2人の関係は続いた。ダニエルさんは当時のことを「マシューはまるで何かのスイッチが入ったように別の人格になった。でも私にはマシューしかいなかった」と振り返っている。

そんなダニエルさんに悲劇が起こったのは2018年5月、マシューがダニエルさんのアパートに移り住んで2週間が経った頃だった。

マシューに「他の男とデートしている」と責められたダニエルさんは、家を出ると外に停めていた車の中で一夜を過ごした。翌朝の21日、ダニエルさんが仕事着を取りにそっと家に戻ると、マシューはすでにキッチンで朝食を作っていた。そしてダニエルさんの姿を確認すると不気味な笑みを浮かべ、ナイフを掴んでダニエルさんに襲いかかってきた。ダニエルさんはカウンターにあったチリソースをマシューの顔にかけて抵抗したが、マシューはダニエルさんの顔を何度も殴りつけた。ダニエルさんはそばにあった携帯用バーナー(トーチランプ)を手に取り、マシューの腕に向けて炎を出すと家の外へと逃げた。しかし運悪く、何かにつまずいて転んでしまった。

マシューはすぐに灯油を持って現れ「俺に火傷させやがって」と言って灯油をかけ、命乞いをするダニエルさんに携帯用バーナーで火をつけた。そして火に包まれて苦しむダニエルさんを見て笑い、蹴り飛ばすとその場から逃げ去った。

ダニエルさんは近所の人の通報で駆けつけた消防隊らによって病院に搬送され、薬による昏睡状態に置かれた。身体の80%を火傷して神経損傷、腎不全、心不全を起こして危険な状態だった。そして5か月後、ダニエルさんは奇跡的に意識を取り戻したのだった。

ダニエルさんは目覚めた直後のことを、こう語っている。

「目覚めると病室に誕生祝の風船がたくさんあったの。私は意識がないまま、40歳の誕生日を病院で過ごしていたのよ。医師から火傷のことを聞かされ、初めて鏡を見た時には涙が出て止まらなかったわ。鏡に映った自分を認識することができなかったのよ。」

「医師らは私が眠っている5か月の間に15回の皮膚移植手術を行ったわ。私は話すことや歩く訓練から始めたけど、左手はもう機能しなくなってしまった。入院は1年にも及び、家も、車も、仕事も全て失ったわ。心的外傷後ストレス障害で、火を見るのが未だに怖いの。薬は一生飲み続けなくてはならず今後も手術が必要よ。マシューによって私の人生はズタズタにされてしまったの。」

なおマシューは自宅から約380キロ離れた場所で逮捕され、昨年9月に終身刑を言い渡された。裁判でマシューの弁護士は「マシューは10代の頃に交通事故を起こして人をひき殺しており、それがもとで脳に障がいを負い、時々人が変わったように激怒するようになった。またドラッグに依存するなど精神的に不安定な状態が長く続いた」と擁護したが、裁判官は「あなたがしたことは犯罪。明らかに殺意をもってしたこと。自分の罪としっかりと向き合うべき」と厳しい判決を下した。


ダニエルさんは自分の経験を通し、こう語っている。

「どんなに暴力を振るわれても、『私には彼が必要』と言い聞かせて生きてきた。でもそれは間違いだった。もしあなたが虐待を受けたら、すぐにパートナーのもとから逃げるべき。そして2度と後ろを振り返らずに、前に進んで欲しい。」

画像は『The Sun 2020年6月11日付「BURNED ALIVE I was scarred for life and suffered 80% burns after evil boyfriend set me on fire – I looked like a monster」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

このニュースに関するつぶやき

  • こういう場合、普通に別れることが不可能。絶対追ってくるし結局殺される。現地の警察がちゃんとアンテナ張ってないと、自力じゃ助からない。
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