『うまい棒』5年ぶり新味発売 相次ぐ駄菓子終売も、40年CMなしで年間7億本売り上げる理由とは

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2020年06月24日 07:00  ORICON NEWS

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写真数十年間愛されている人気味から、1年足らずで終売になった珍味まで、これまで60種類以上発売してきた『うまい棒』
数十年間愛されている人気味から、1年足らずで終売になった珍味まで、これまで60種類以上発売してきた『うまい棒』
 1979年に誕生し、これまで60種類以上の味を発売してきた『うまい棒』。当初は主に駄菓子屋で人気商品となったが、今でもコンビニやスーパーで陳列される定番菓子として、年間出荷本数は7億本を超える。「なっとう味」や「シュガーラスク味」など、40年の間あらゆる新味を開発してきたが、長らく「コンポタ」、「チーズ」、「めんたい」の3トップの順位に変動はないという。時代の変化に飲まれることなく、同商品が愛される理由とは。一番人気から黒歴史メニューまで、販売元のやおきん・田中浩次さんに聞いた。

【貴重】幻の終売品・オムライス味から梅おにぎり味まで!歴代うまい棒一覧

■20年愛されてきた「チキンカレー味」終売の理由とは 定番「サラミ味」は“飲み屋”での思いつき?

――来月で「チキンカレー味」が終売になるそうですね。

【田中さん】実は来月、約5年ぶりにレギュラー新味の発売を予定しておりまして、それを受けて、チキンカレー味が終売することになりました。現在「うまい棒」のレギュラー味は14種あって、これ以上増えてくると生産の効率が悪くなってきてしまうんです。そのため、新味を発売する際は全体の味バランスを見て、どれかと入れ替えを行います。一番売り上げが悪かったから、とかいうわけではないんです。

――ということは、新味はスパイシー系なのでしょうか…?

【田中さん】スパイシーではないのですが、しょっぱい系ですね。通常の生地はとうもろこしで作っているのですが、新商品にはポテトのフレークを入れていて、今までは異なる食感で、生地の味も楽しんでもらえるかと思います。

――これまで作られた味の種類はいくつあるのでしょうか。

【田中さん】60種類以上になりますね。当初は会議とかではなくて、飲み屋でとても美味しいサラミが出てきて「サラミ味」のきっかけになったり、九州出張で明太子を食べて「めんたい味」の誕生につながったり、といった感じでラインナップが増えていきました。

――1982年に発売された「めんたい味」は、いまだに貴社の看板商品ですよね。

【田中さん】当時はまだ九州の明太子が今ほど全国的に有名ではなかったので、インパクトがあったのだと思います。ただ、「めんたい味」に明太子そのものは使われていないんです。味のバランスを吟味した結果、たらフレーバーにパプリカパウダーや香辛料で赤みや辛味を付けています。2014年に発売した「プレミアム明太子味」(20円)は明太子を使用しています。

■なぜ『やさい味』を『やさいサラダ味』に変更?「どの味も今が一番おいしくなっているはず」

――その後、1992年に出た「コーンポタージュ味」が現在まで続く不動のトップとなりました。

【田中さん】そうですね。前述のように、うまい棒自体の原料がとうもろこしなので、コンポタ味は生地との相性が良いのだと思います。また、甘いだけでなく塩気も感じられて、世代問わず食べやすい味というのもあると思いますね。「めんたい味」は20〜40代男性に人気ですが、全体として幅広く受けているのが「コンポタ味」ですね。

――時代の流れの中で味の嗜好の変化もあると思いますが、人気の味が長年変わらないのはなぜだと思われますか。

【田中さん】味自体の完成度、バランス含めて、上位のものはよくできていると自社商品ながら思いますね。また、味によってパン粉を入れて食感を工夫してみたり、「チーズ味」なら仕上げだけでなく生地からチーズの粉を入れてみたり、常に研究を重ね、マイナーチェンジをしています。そのため、「コンポタ味」も発売から20年以上経っていますが、恐らく今が一番おいしくなっているはずです。

――1980年発売の「やさい味」が途中で「やさいサラダ味」に変更されたのはなぜでしょうか。

【田中さん】発売当初は野菜ジュースをそのまま飲んだような本格的な味にしていたのですが、もっと食べやすくしようということで、ガーリック風味を加えて「やさいサラダ」にドレッシングをかけるイメージで改良したためです。かつての「バーガー味」も「てりやきバーガー味」に、「ソース味」も「とんかつソース味」に途中で改良していて、よりイメージがしやすいように、ある程度味の特徴を付けることはこれまで結構してきていますね。

――つかぬことをお伺いしますが…今までで一番売れなかった味は何でしょうか。

【田中さん】1982年発売の「マリンビーフ味」ですかね…。イカ焼きで肉の味を表現してみようと作られた味でしたが、1年を待たずして終売となっています。私が入社する前の話で、ほかの終売した味でも、誰かしらから「こんな味だった」という話が出てくるのですが、当商品に関しては誰もはっきりと味を覚えていないんです(笑)。いわゆる黒歴史でしょうか…。

■当初は批判された“個包装”先駆けで生き残り「これまでCM出したことない」

――もともと、どのようなきっかけでうまい棒が生まれたのでしょうか。

【田中さん】1970年代に、コーンスナックを製造する機械が作られ始めたんです。そこから新しいお菓子を作ろうという動きが各メーカーにありました。当時の駄菓子スナックの主流はポテトチップスやあられなどで、丸形はあったのですが、コーンスナックで棒状のものはできないかという発想から「うまい棒」が生まれました。

――その頃はあちこちに駄菓子屋さんがあって、お菓子は包装なしのむき出しで「1本10円」、「袋に入れて30円」といった形で売られていましたよね。

【田中さん】そうですね。1本ずつ個包装しているお菓子は少ない時代でした。駄菓子屋で買っても店先で食べる子どもがほとんどですから、なんでわざわざコストをかけて個包装にするんだ、という声もあったそうですが、コーンスナックはしけやすいので、おいしさが長持ちする作りにこだわり、店先だけでなく家に持ち帰ったり、お出かけ先に持って行ったり、どこでも自由に食べられるようになったことで、見事差別化に成功しました。

――その後、40年もの間愛されている理由は何なのでしょうか。

【田中さん】エンタメ要素を取り入れたパッケージと、豊富なラインナップを展開したことで、商品認知されやすくなったことは大きかったかと思います。実は弊社は、これまでCMを出したことはないんです。長らくお店に置いていただけていることで、商品自体が広告塔となってくれていますね。また、当初は「意味がない」と批判を受けていた個包装にしたことで、パッケージから楽しめて、アウトドアにも対応できたことに加えて、賞味期限や原材料を記載できるようになり、時代の流れの中で駄菓子屋さんが減っていく中でも生き残ることができました。

■40年間10円維持の裏には子どもたちを想う企業努力 “コスパが良い”味は‥?

――40年以上価格を変えていないのも人気の理由ですよね。

【田中さん】いつの時代もお子さんのお小遣いはそれほど変わらないと思うんですよね。昔100円握っていた子どもが今、1000円持っているかというとそうではないと思います。だから、100円でいくつか味を試したりほかのお菓子も買えたりできる「10円」はこれからも維持していきたいですね。

――とはいっても、10円維持は相当大変なのでは…?

【田中さん】かなり厳しいです(苦笑)。40年前から見ると運送費、人件費、原料費諸々上がっていますが、弊社だけでなく、各工場や運送業者の皆さんにもご協力いただきながら、細かいところまでコスト削減と効率化に常に努めております。

――味によって原価も異なるのではないのでしょうか。

【田中さん】そうですね。「たこ焼き味」はタレをつけて焼いて、表面をカリカリにした後、もう1度味付けをして二度焼きしているので、製造上の手間が一番かかっています。「なっとう味」もフリーズドライの納豆パウダーを使用するなど比較的原料費が高いので、お得かもしれません(笑)。

――駄菓子屋さんはあまり見かけなくなり、駄菓子の終売ニュースも相次いでいますが、日々新しいお菓子が生み出される中で心がけていることがあれば教えてください。

【田中さん】やはり、おいしさだけでなく面白さと楽しさは駄菓子に欠かせないですね。うまい棒のパッケージには昔から「うまえもん」がプリントされていますが、3年前には妹の「うまみちゃん」が世に出ました。少子化が進み、売り場も変化していっている中で、今後も10円を維持しつつ、お菓子だけじゃなくキャラクターも含めて、いろんな角度から楽しんでもらえればと思います。

このニュースに関するつぶやき

  • 『 #うまい棒 』 #5年ぶり新味発売 #相次ぐ駄菓子終売 も、 #40年CMなし で #年間7億本売り上げる理由 とは #グルメ #Gourmet
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  • 金額の割りにはクオリティー高くて本当に美味しいよwww
    • イイネ!39
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