復興渦中の鴨川市で三セクをめぐり現市長と元市長派が対立…市政混乱に不安を抱える市民も

0

2020年06月26日 15:23  日刊サイゾー

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊サイゾー

写真リゾート地としても人気が高い鴨川市だが……
リゾート地としても人気が高い鴨川市だが……

 昨年の2度の大型台風による大雨災害の復興渦中にある千葉県鴨川市で、ある騒動が起こっている。

 「市が運営に関わる第三セクター『鴨川マリン開発』を舞台に、2009年に市政から退いた元市長が院政を敷こうと暗躍しているんです。地元の漁業組合長と手を組んで、鴨川マリン開発に関する問題の責任を取らせる形で現役市長派の力を削ぎ、市における自身の存在感を高めようとしています。ただ、元市長は鴨川市の財政を悪化させたと批判されきた人物ですからね。この騒動を知る市民たちは『元市長は何を企んでいるのか?』と不安を抱いてますよ」(市政関係者)

 鴨川マリン開発は、プレジャーボート係留施設「鴨川フィッシャリーナ」を管理、運営する第三セクター。鴨川市が51%、鴨川市漁協が49%の株を所有する株式会社組織だが、近年、同施設を利用する一部の船艇所有者と保管契約トラブルを抱えてきた。

 「そのトラブルの責任を問われ、鴨川マリン開発の臨時取締役会で、代表取締役だった小柴祥司副市長が今年4月に突然解任されたんです。代わりに代表取締役に就任したのが、かつては鴨川マリン開発設立に反対していた鴨川市漁業協同組合長の松本ぬい子氏。そして、この解任劇を仕掛けたといわれるのが、同社取締役で元鴨川市長の本多利夫氏です。本多氏が現市長派を追い出し、鴨川マリン開発をベースに自身の影響力を誇示しようとしているとの見方がもっぱらです」(鴨川市在住のフリーライター)

 鴨川市は、全国的に有名な民間病院「亀田総合病院」を擁し、レジャー施設「鴨川シーワールド」を抱え、漁業も盛んなことから、千葉県では裕福な市と思われているが、実際の財政は火の車で莫大な赤字を抱えている。

「本多氏は、市議会議員を4期14年。市長を2009年までの5期18年務めたんですが、市長時代に起こしたリゾート計画の多くが失敗に終わった。鴨川市が天津小湊町と合併した際、国から支援された85億円近い交付金の大半を借金の穴埋めに使ったんです。それに市の財政が火の車だというのに、鴨川市ふれあい記念公園内の膨大な土地を早稲田大学の鴨川セミナーハウス、城西国際大学観光学部、同大学安房ラーニングセンター誘致のために無償譲与するという信じられない大盤振る舞いをしたんです」(前出の市政関係者)

 総事業費約88億円をかけたコンベンションホールの予定地を城西国際大学に無償譲与したことについて、当時、市長だった本多氏は、新学部誘致による経済効果が年間7億円は見込めると判断したからだと語っていた。

「城西国際大学観光学部は、2006年の設立からしばらくは日本人学生が多数在籍してましたが、現在は中国人が大半。どれだけの経済効果を生んでいるのは不明です。本多氏の失政の一つといっていいんじゃないでしょうか」(地元の不動産関係者)

 本多氏には黒い金銭疑惑もあった。1998年に、農業用地整備事業を行う法人である土地改良区を舞台に、同法人の副理事長だった曽我辺良次市議会議長が逮捕されるという不正事件があった。曽我辺議長は法人を私物化した挙げ句、脱税、背任、横領の罪に問われ、千葉地裁で懲役3年6カ月の実刑判決を受けるのだが、同法人の理事長を務めていたのが本多氏だった。本多氏は不正事件への関与は否定していたが、土地改良区に対して、個人的に約1650万円の示談金を支払うという、問題を沈静化させるための処理を行っている。

「これは当時の新聞にも載り、『なぜ、市長が肩代わりを』という疑問が呈されました。本多氏が裏で事件に関与していたからこそ、示談金を払って事が大きくなることを収めたという噂が流れましたが、曽我辺氏が獄中死してますから、いまや真相は藪の中ですよ」(前出のフリーライター)

 この他にも公共事業のゼネコン絡みの不正に関する噂は絶えなかった本多氏。にもかかわらず、市長退任後の2012年に名誉市民の称号を与えられている。

「財政悪化の責任者である本多氏を名誉市民にすることに反発する声もありましたが、強引に事が進められました。市長から退いた後も、本多氏の影響力が市政に残っていた証です。今回、問題になっている鴨川マリン開発も事実上、本多氏が立ち上げた事業。それを現在の亀田郁夫市長体制が受け継いだのですが、現市長は反本多派といえる人物。本来、本多氏は市側の利益を守らなければならない立場なんですが、現在は、もう一方の株主である漁業協同組合に利する動きをしているように見えます」(前出の市政関係者)

 80歳になる本多氏は、5月13日に開かれた鴨川マリン開発の臨時取締役会の席上で「体力、気力。そして脳の方もだいぶ衰えたので、次の役員改選で辞めたい」と語ったが、実際には小柴副市長の解任劇を仕掛けていたようだ。

「本多氏の根回しで新代表取締役に就任した松本漁業組合長は、引退をほのめかした本多氏に『これからもお知恵をお借りして』とエールを送ってますからね。本多氏が同法人への関与をバックに、市政への影響力を拡大させようとしているのではないでしょうか」(漁業関係者)

 また、新代表取締役の就任した松本氏は鴨川マリン開発の経営をめぐり、早くも市の上層部と衝突し、時に罵声を浴びせつつ、自らの要求を突きつけているという。市側は、現体制ではまともな運営ができないということで法的措置も辞さない構えだそうだ。さらに「新代表らは鴨川マリン開発を解散させたのち、同社の事業を民間企業に移そうと画策している」(同)との指摘もある。穏やかな海の街、鴨川市が激震に見舞われている。

    前日のランキングへ

    ニュース設定