MLBの不時着?【ボクたちにはMLBが必要なんだ!】

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2020年07月02日 17:40  ベースボールキング

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ベースボールキング

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◆ 紆余曲折を経て辿り着いた着地点

 MLBの2020年シーズンの開幕が、ようやく、本当にようやく、7月23・24日ということで決定しました。決定まで本当に長かった……。今回は開幕に至るまでの経緯、そして今シーズンの“特別なルール”を、いま一度おさらいしてみようと思います。

 新型コロナウイルスの流行を受け、3月12日に公式戦開幕延期が決定。続いて全30球団のキャンプが中断しました(もう4カ月も前になるんですね……)。3月26日には開幕戦延期を受け、MLB機構側とMLB選手会側との労使協定により、試合数に比例した年俸で合意がされましたが、この合意が後に響いてきます。

 無観客試合でのシーズン進行が現実的となった時点で、チケット収入がなくなる事を理由に機構側が5月に大幅な年俸削減案を提示したところ、選手会側が3月26日の合意条項を盾に双方が紛糾。コミッショナーのロブ・マンフレッドは6月10日に「2020年シーズンは100%確実」と豪語したにもかかわらず、わずか5日後には「自信がない」と自らの言葉を翻し、選手、関係者、マスコミ、そしてファンからの非難が殺到する一幕もありました。

 結局、6月22日にMLB機構側が持っている強行開催の権利をコミッショナーが行使し、60試合での開幕が決定しました。

 ただこの一連の紛糾は、2021年限りで失効する労使協定の交渉に悪影響を及ぼすことは間違いないでしょう。「世界一強い労働組合」として知られるMLB選手会側は結局、今回の労使協定で形式上「折れた」形に。2021年シーズンがストになるかもしれない、という可能性も現時点で噂されております。

 とはいえ、何とか開幕する2020年のMLB。

 試合数の少なさ=1試合の重要さが増すことから、アメリカにおける3月の風物詩、一発勝負のトーナメントで開催される、全米大学体育協会(NCAA)トーナメント「マーチ・マッドネス」のMLBバージョンになる、とも例えられています。

 MLB公式SNSなどでは、その参考例として、日本における野球版「マーチ・マッドネス」こと、夏の甲子園、全国高等学校野球選手権に関する動画を公開しています。

View this post on Instagram A post shared by MLB ⚾ (@mlb) on Jun 29, 2020 at 1:08pm PDT


というわけで、2020年、特別なシーズンとなる特別な規定を、皆さんと一緒に共有し、開幕に備えられたらこれ幸いでございます!


◆ 今季のMLBはここが違う!

【2020年の流れ】
7月1日:キャンプ開始
7月23日・24日:レギュラーシーズン開幕
8月31日:トレード期限
9月27日:レギュラーシーズン終了
11月1日:この日より前にポストシーズン終了

【2020年の特別ルール】
・7月1日からのキャンプは基本的に各チームの本拠地で行われる予定。
※自国民や永住者以外の入国を原則的に禁止しているカナダに本拠地を置くブルージェイズは一旦フロリダ州に集合するとのこと(山口俊投手が該当)。

・アクティブ・ロースター(ベンチ入り選手)は開幕時30人 ⇒ 2週間後に28人 ⇒ 4週間後に26人へ。

・9月15日までに例年の40人ロースター枠+2020年限定の「予備選手」20名=60人枠に入っている選手にポストシーズンの出場資格。

・「タクシースクワッド」という特別ルールが設けられる。
※アクティブ・ロースター外の選手を3人同行させることが可能で、そのうちひとりは必ず捕手。プレーは可能だが、MLB登録日数にはカウントされない。

・レギュラーシーズンで「タイブレーク」を導入。
※延長に入ると、無死二塁からスタート。ランナーは前の回で最後にアウトになった打者。あるいはその選手の代走。この走者が生還しても、投手に自責点は記録されない。
※レギュラーシーズンのみ適用され、ポストシーズンは対象外。

・今年に限りナショナルリーグもDHを採用。

・故障者リストは10日間、また60日間は45日に短縮される。
※コロナ感染者用の故障者リストも設けられ、日数の制限はないが、陽性反応を示した選手は二度陰性となるまで復帰出来ない。

・選手、コーチ、スタッフは1日おきに検査実施。
※選手は1日2回検温と症状のチェックを受ける。

・試合に関与しないスタッフ、翌日の先発予定の投手をはじめとした試合に出る予定のない選手は、ダグアウトから6フィート以上離れ、スタンドに着席。
※プレーしていない選手、コーチ、スタッフは、ダグアウトやブルペンにてマスク着用厳守。

・ツバ吐き・噛み煙草・ひまわりの種は禁止。ガムのみOK

・投手は指舐めを避ける代わりに、濡れたハンカチをポケットに入れることを認める。

・ハイファイブやハグなどセレブレーション禁止

・複数のプレイヤーが触ったボールは必ず交換。

・乱闘は厳禁。

・ポストシーズンは例年と一緒。

・チームのホームタウンが感染拡大した場合など、MLBの判断で安全な中立地に移動することが可能に。


◆ まだまだ先は見えないけれど……

 5月の時点では「感染者の少ないアリゾナ、テキサス、フロリダに30球団を振り分け、場所を限定して開幕」と報じられていたが、その3州が現在、新型コロナの第二波にさらされていたり、いまだ全世界的に予断を許さない状況が続いています。

 また、ダイヤモンドバックスの先発ローテの一角を占めるマイク・リーク、そしてナショナルズのチームリーダー的存在の一塁手ライアン・ジマーマンと、先発右腕のジョー・ロスの計3名は、新型コロナウイルス感染への懸念を理由に、今シーズンの不参加を表明しました。

 その他にもツインズはコーチ2名を過去の病歴や高齢を理由に職務から外すことを発表。まだまだ先は見えませんが、我々ファンはシーズンが続いていくことを信じて、まずは開幕することを見届けようではありませんか!


P.S. タイトルは巷で大ブームの韓国ドラマ「愛の不時着」を引用させて頂きました……。

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