「裸の写真」送ってしまう子どもたち 背景につながり失う恐怖、「断る」スキルの欠如も

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2020年07月04日 17:00  AERA dot.

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写真SNSの匿名性が子どもたちを性被害に巻き込んでいる。ゲームやネットの利用時間増で、健康被害も懸念される。早急な対策が必要だ (c)朝日新聞社
SNSの匿名性が子どもたちを性被害に巻き込んでいる。ゲームやネットの利用時間増で、健康被害も懸念される。早急な対策が必要だ (c)朝日新聞社
 休校や外出自粛で、子どもたちがゲームやSNSをする時間が急増した。近年はSNSを通じて子どもが性犯罪などに巻き込まれるケースが増えており、より注意が必要になりそうだ。ネットに潜むリスクに迫ったAERA 2020年7月6日号の記事を紹介する。

【グラフ】SNSを利用した犯罪被害が大幅に増えたのは…

*  *  *
 子どもの性被害では、児童ポルノ被害も年々増えている。警察庁の発表では昨年、ポルノ被害に遭った子どもは1559人と過去最多となった。中でも、全体の40パーセント近い584人が、裸や下着姿の写真を送信させられる「自画撮り」被害に遭っていた。内訳は高校生が242人、中学生290人、小学生41人。高校生と小学生は前年から微減したが、中学生は逆に51人増えた。

 ある中学3年の女子生徒は今年、10歳年上の男と出会い系アプリで出会い、趣味が合ったのでLINEでやりとりを始めた。しかし、やがて男の束縛が激しくなり「俺の彼女だ」と言い、「ブラジャーをつけた胸の写真を送って」などと言ってきた。断ると、「俺のことが嫌いなのか」と泣く。勉強が忙しくて面倒くさくなった女子生徒は写真を送り、その後、他に彼氏ができたと嘘をつき別れることができたが、不安を口にする。

「私の家族のことも住んでいる場所も本名も年齢も言っているので、彼を振った腹いせで何かされたらどうしようと思うと怖くて」

 そもそもなぜ、面識のない人に裸の「自画撮り」を送るのか。理由を、SNSを活用した子どもの悩みなどの相談に乗るNPO法人「東京メンタルヘルス・スクエア」のカウンセリングセンター長、新行内(しんぎょううち)勝善さん(51)さんは言う。

「自画撮り被害に遭うのは、現実の生活で交友関係が少ない子が多いです。『断る』というソーシャルスキルが身についていないというのもありますが、そうした子どもはネットでの関係がすごく大事なので、ネットで親しくなった人に言われたら断れない。ネットでのつながりがなくなるのは、もう生きていけなくなるくらいの怖さに感じてしまうため、言われるままに送ってしまうのです」

 今回、本誌はインターネットを通じて「コロナ禍の子どもの安全」に関するアンケートをしたが、子どもの視力や学力への影響を心配する保護者も多くいた。

「勉学などの意欲低下が心配」(8歳の娘がいる50歳男性)
「視力や脳や感情など発達への影響が心配です」(5歳の息子がいる50歳女性)

 神奈川県に住む女性(45)も小学3年の娘(8)の脳への影響の不安を口にする。

「休校中はとにかく一日中、ソファに寝っ転がりながらゲームをし、動画を見ています。しかも暗い部屋で。将来、視力の低下はもちろんですが、あれだけ画面を見ていると脳にどのような影響を与えるか不安」

 子どものメディア接触と心身の発達に関わる調査・研究をするNPO法人「子どもとメディア」(福岡県)の代表理事、清川輝基(てるもと)さん(78)はこう警鐘を鳴らす。

「今後、子どもたちの心と体にどのような形で影響が出てくるか心配です」

 清川さんたちの調査では、子どもたちは普段の休日、ウィークデーの3倍近くゲームをしたりネットを見たりしている。休校となった3月からの約3カ月間は、子どもたちにとって休日と同じだったが、違っていたのは基本的に外出できなかったこと。ゲームやネットの時間はさらに増え、ウィークデーに3時間近くネットを見ていた子どもは、普段の休日なら9時間程度だが、この3カ月間はそれ以上になっていたと指摘する。

「ネットへの依存で、視力や学力が低下し、疲れやすく自律神経のバランスが崩れることなどが分かっています。3月からの3カ月間が子どもの心身にどのような影響を与えたか、相当なケアが必要になるでしょう」(清川さん)

 コロナで、まだ外出を自粛するという子どもたちも少なくない。ネット被害から子どもを守るにはどうすればいいか。

 スマホには、不適切なサイトや動画へのアクセスを遮断するフィルタリングサービスや、保護者が子どもの端末を管理する機能のペアレンタルコントロールなどがある。だが、これらは万能ではない。清川さんは、親が一方的に決めるのでなく、まずは親子で使い方のルールを決めておくことが重要と話す。

「充電器はリビングに置き自分の部屋ではネットをしない、1日の利用時間は1時間以内……。こうしたルールを決め、破ったらペナルティーとしてお風呂の掃除をするなど、親と子がお互い納得した上でネットを使うことが大切です」

 新行内さんは教育の必要性を説く。

「小学校低学年からSNSの使い方や、トラブルを回避しネットを適切に使いこなすネットリテラシーを教える教育が必要。性についても日本では避けて通る傾向があるが、例えば、プライベートゾーンは自分の意思と関係なく人に見せたり触らせたりするものではないなど、性行為に伴うリスクも含め、家や学校で教えることが重要です」

 子どもたちをネットの被害から守る。ネットへの対応は、社会全体の緊急の課題だ。(編集部・野村昌二)

※AERA  2020年7月6日号より抜粋

このニュースに関するつぶやき

  • 日本の大人はバブル期の幼女売春旅行からたいして変わってないからな。 対策やりようないよな。 ゴミしか育たない。 https://mixi.at/abmSCpU
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  • 学校でも避妊の授業をすべき。シンママは大変だからね。
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