モーニング娘。’20たちが挑戦する新たなアイドルコンサートの形

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2020年07月05日 14:30  AERA dot.

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写真ハロー!プロジェクトコンサート「Hello!Project 2020 Winter」より。大人数の華やかなパフォーマンスが再び見られることも期待したい=アップフロントプロモーション提供
ハロー!プロジェクトコンサート「Hello!Project 2020 Winter」より。大人数の華やかなパフォーマンスが再び見られることも期待したい=アップフロントプロモーション提供
 モー娘。たちの挑戦が、新たなアイドルコンサートのスタイルに、先鞭(せんべん)をつけることになるだろうか。

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 緊急事態宣言が全面解除され、新型コロナウイルス感染拡大への対策も新たなフェーズに突入している。政府が示した「基本的対処方針」によると、コンサート(屋内)開催の制限については、人と人との間隔を十分に確保するなどの条件の下、現在は上限1千人もしくは会場収容人数の50%以下の少ないほう、7月10日以降は上限5千人もしくは会場収容人数の50%以下の少ないほうとされ、8月からは人数の上限は撤廃されるが会場収容人数の50%以下となる。

 アーティストやアイドルグループの、ライブハウスなどでの小規模なライブは条件を満たしたうえで再開されるようになってきているが、ホールクラス以上の規模のイベントやコンサートは、再開に向けて手探りの状況が続いている。

 そんな状況下において、モーニング娘。’20やアンジュルム、Juice=Juiceなど複数の人気アイドルグループが所属する「ハロー!プロジェクト」が、新たなスタイルによるホールコンサートの開催を発表した。

 毎年夏と冬に開催されている、ハロプロ所属の全グループが出演するコンサート、「ハロー!プロジェクト・コンサート」、通称“ハロコン”。コロナ禍で各グループの春のコンサートが軒並み中止や延期となり、夏のハロコンはどうなるのかファンも気がかりだったところ、全面的に公演内容が変更となった。7月11日の中野サンプラザ(東京)公演を皮切りに、8月下旬まで大阪、宮城、広島、北海道、福岡、東京で開かれる。

 これまでの大人数が華やかに歌って踊る公演スタイルから一転し、今回は出演メンバーがそれぞれソロで楽曲を披露。その楽曲も、中島みゆきの「糸」やオフコースの「さよなら」、荒井由実の「ひこうき雲」、DREAMS COME TRUEの「やさしいキスをして」、aikoの「カブトムシ」に尾崎豊の「I LOVE YOU」など、昭和から近年までのJ−POPを中心としたバラード曲のカバーで構成されるというもの。

 観客同士の間隔を開けるだけでなく、ソロ歌唱ということでステージ上での密も回避。さらにバラード曲ということで、大きな歓声を上げずに着席してじっくり聞くことができるなど、現状の指針を生かした公演スタイルとなる。

 ハロー!プロジェクトを運営するアップフロントプロモーションの西口猛代表に、今回の判断の経緯や理由について聞いてみた。

「ハロー!プロジェクトは、歌ってダンスをするグループの集まりなので、コンサートもどちらかといえば会場全体が盛り上がって楽しんでいただけるような高揚感を伴う演出や選曲が中心でした。しかし、そのようなエネルギッシュなパフォーマンスを今の状況下で行うことは、来ていただく皆様をはじめ、スタッフ、演者、多くの人への感染の危険性を考えた場合、難しいという判断がまずありました」

 そのうえで、政府や各自治体の示すガイドラインに沿った手段の検討を重ねたという。

「メンバーたちも、ステイホーム期間中にそれぞれが頑張って動画サイトやSNSなどで発信を続けてきましたが、やはりみなさんの前でパフォーマンスをしたいという思いも伝わりました。とはいえ、盛り上がる曲を歌って盛り上がるなというのも難しい話です(笑)。じゃあ、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を守り、皆さんに座ってゆったり聞いていただきながら届けられるパフォーマンスとはというところで発想の転換をしてたどり着いた結果です」

 マスクを着用し、着席して鑑賞するスタイル。グループでバラードやスローテンポの曲を歌うのではなく、すべてソロ歌唱に決定。さらに、各公演に出演するメンバーを三つに分け、1日最大3公演のスタイルにすることも発表されている。

「日頃のグループでのパフォーマンスでは、ダンスのフォーメーションがいろいろ変わったり、メンバー同士の絡みなどもあったりなどがどうしてもあります。現在、ステージに上がるメンバーだけで52人、さらにスタッフなども含めると、すごい数になります。公演を三つに分けることも含め、可能な限りメンバーとスタッフの人数を身軽にしようというチャレンジでもあります」(西口代表)

 コンサートといえば、ツアーグッズなどもファンにとっては楽しみの一つである。その販売については同グループの通販サイトを活用すると、西口代表は言う。

「会場で販売するというのは、やはり売り場に密集を生んでしまう可能性が高いという判断です。今回の夏のハロコンでは、たとえばタオルを売っても汗はかかないでしょうし、振ってもらうような場面もないでしょう(笑)。せっかくの機会ですから、コンサートの記念という意味合いは残しながら、通常のツアーグッズとは違ったものをお届けしようと考えているところです」

 今後のファンイベントや握手会などの行方もファンにとっては大いに気になるところだが、「対面で握手をするというイベントは、現状では難しい」と、西口代表は打ち明ける。

「その時の感染状況を踏まえたうえで、密を避けながら、ネットサイン会やお話会など、なるべくイベントは開催していきたいと考えています。もともと小規模であり、ステージも基本的に一人であるバースデーイベントは対応しやすいかと思います」

 大手事務所所属のハロプロコンサートが今回のような形で成立することで、他のアーティストやアイドルグループのコンサートのあり方に一つの道を作ることになる可能性は高い。

「手探りの部分ももちろんまだまだありますが、メンバーたちからみなさんに、直接気持ちを伝えられる機会が一日でも早く持てたらと考えた結果、先駆ける形になりました。とにかく一番に考えたいのは、感染しない、させないこと。そのうえで、どういうふうにエンターテインメントを届けられるのかという中で、今回のコンサートが一つのモデルケースになれば、アフターコロナ、ウィズコロナにおける一つの道を見つけられるのではないでしょうか。既成概念を一度忘れて現場に向き合うことで、もしかしたら新しいエンターテインメントが提供できるかもしれません」

「50代からのアイドル入門」著者でハロプロアイドルにくわしい書評家・翻訳家の大森望さんは、今回のハロコンについて、

「最初は、豊富な楽曲資産が売りなのに『ハロ曲を歌わないハロコンなんて……』とがっかりしたのですが、『赤い風船』や『ワインレッドの心』など超懐かしい曲は誰が歌うんだろう、尾崎豊の『I LOVE YOU』は誰が挑むのか、米津玄師の『Lemon』を歌う勇者は誰か? と、まんまと事務所の術中にハマってますね(笑)」

 と語る。

「ファンクラブイベントをのぞくと、ハロメンがソロで歌うのを生で見る機会は少ないですし、しかも非ハロ曲のバラード縛りということで、コロナ禍ならではのレア感も大いにあると思います。たとえばキャパ(会場収容人数)の半分でも、チケット代を多く払っても見たいという層はけっこういるはずなので、それと有料生配信を組み合わせれば、持続可能な公演スタイルもつくれるのではないでしょうか」

 大森さんに今回注目したいメンバーも挙げてもらった。

「モーニング娘。’20の小田さくら、Juice=Juiceの高木紗友希や段原瑠々といったグループを代表する歌唱メンバーがどう攻めてくるかはもちろん、ソロで歌うのをまだ見たことがないモーニング娘。新メンバーの北川莉央、そして卒業を控えているJuice=Juiceの宮本佳林やアンジュルムの船木結が何を歌うのかも気になります。推しメンでいうと先日開催されたソロフェスでMVPを獲ったアンジュルムの川村文乃の凱旋ステージが楽しみです」

 夏のハロコンの無事な開催と成功を楽しみに待ちたい。(本誌・太田サトル)

※週刊朝日オンライン限定記事

このニュースに関するつぶやき

  • こういうのを人のふんどしで相撲を取るって言うんですよね(笑)
    • イイネ!1
    • コメント 1件
  • ハロプロなら歌唱力勝負でも問題ないでしょ
    • イイネ!7
    • コメント 2件

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