ホンダ・シビック・タイプR リミテッド・エディション、ルノーの鈴鹿FF最速タイムを更新

ホンダは7月9日、シビック・タイプRの限定モデル『CIVIC TYPE R Limited Edition（シビック・タイプR リミテッド・エディション）』が、鈴鹿サーキットの国際レーシングコースにおけるFFモデル最速タイムとなる2分23秒993を記録したと発表した。
　
　シビック・タイプR リミテッド・エディションは、マイナーチェンジを受け2020年夏に登場が予定されていた新型シビックのハイパフォーマンスモデル“タイプR”に設定される特別モデルで、日本では200台が限定発売される。

“TYPE R”の起源に立ち返りクルマを操るよろこびに、よりのめり込める究極のパフォーマンスが訴求された新型シビック・タイプRをベースに、さらなる開発が重ねられた同モデル。その最終開発車両による量産前走行テストが2月に三重県の鈴鹿サーキットで行われ、スーパーGTでも活躍する伊沢拓也のドライブで、同施設の国際レーシングコースで2分23秒993というタイムが記録された。

　これはシビック・タイプRのライバルである『ルノー・メガーヌ R.S.トロフィーR』が2019年11月26日にマークした2分25秒454を破るもので、鈴鹿でのフロントエンジン・フロントドライブ（FF）車における新レコードタイムとなる。

　この新記録樹立にあたってはリミテッド・エディション専用BBS製20インチ鍛造アルミホイールを採用したことによるバネ下重量の軽量化、ミシュラン製20インチハイグリップタイヤ『ミシュラン・パイロットスポーツCup2』の適用ならびにアダプティブ・ダンパー・システムとEPSの専用セッティングが効果を発揮したという。

■歩みを止めることは即、敗北を意味する

　鈴鹿サーキットFF最速の称号を奪還したシビック・タイプRの開発責任者を務める柿沼秀樹氏は、世界中のシビック・タイプRファンに向けて、次のようにコメントしている。

「世界中から届くシビック・タイプR（DBA-FK8）への驚きと喜びの声は我々の心を鼓舞し、決して立ち止まらずに、スポーツカーとしての本質とドライビングプレジャーをさらに磨き上げるべく、お客様の期待を超える進化を目指しました」、

「モータースポーツの世界では、歩みを止めることは即、敗北を意味します。だから、決して歩みを止めてはならない。ホンダに連綿と宿るこの“レーシングスピリット”こそが、私たちを突き動かしました」

「エンジン冷却性能向上やブレーキディスク2ピース化により高温時のパフォーマンスをさらに高めた加速・減速性能、サスペンションブッシュやアダプティブ・ダンパー・システム制御のアップデートにより精緻さを増した操縦性能」

「その上でリミテッド・エディションでは、鍛造アルミホイールをはじめとするさらなる車体軽量化と、サーキットパフォーマンスに照準を合わせた専用タイヤで、軽さと速さを研ぎ澄ませました」

「今回のモデルチェンジでは、ホンダモータースポーツ開発の要であるHRD Sakuraとタッグを組みながら速さを磨き上げ、『世界屈指のサーキット』と言われる鈴鹿サーキットで、歴代タイプR最速の足跡を刻みました。ホンダの考える理想のスポーツカーにまた一歩近づくことができたと確信しています。どうぞ、存分にお楽しみください」