「やっぱりママじゃないと」という言葉の“呪縛”…2児を育てる主夫が辿り着いた答えが、共感を呼ぶ

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2020年07月11日 15:40  まいどなニュース

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写真主夫として2児を育てるなおとさん。「いつか在宅で稼げるようになって暖かい場所に移住し、ネコも飼いたい。月1くらいで育児に関する講演とかに呼ばれて出張というのも楽しそう。仕事という大義名分で育児から離れる時間を持ちたいです(笑)」=提供
主夫として2児を育てるなおとさん。「いつか在宅で稼げるようになって暖かい場所に移住し、ネコも飼いたい。月1くらいで育児に関する講演とかに呼ばれて出張というのも楽しそう。仕事という大義名分で育児から離れる時間を持ちたいです(笑)」=提供

 何が機嫌を損ねたのか、どうやっても泣き止まない赤ちゃんや小さい子どもをあやす母親に投げかけられる「やっぱり母親がいないと」「子どもにはママが一番」という言葉。一見とても美しいこの言葉が秘めた“暴力性”に、どれぐらいの人が気付いているでしょう。

【写真】共感必至…なおとさんのツイートの数々はこちら

 「2年間在宅で育児して分かりました。男に出来ないのは出産と母乳を出すことだけです。泣く子をあやすのも寝かしつけも、ママが女性だから出来るのではありません。毎日毎晩、歯を食いしばったり悩んだり、試行錯誤を積み重ねてきたから出来るんです。男だから育児できない、は完全に言い訳です」

 今月6日、主夫として2歳と0歳の息子を育てる、なおと(@dynamic_ninjya)さんが投稿したこのつぶやきには10日までに9.6万いいねが付き、「パパは、ダメだったらやっぱ自分じゃだめだよって、私に投げ出しておわり。わたしでも泣き止まなかったんだよ…」という共感の声や、「あるのは『自分がこの子にとっては最後の砦だ』という覚悟の違いだけ」「そして育児しないお父さんほど子供が自分に懐かないことで悩んでいる」という厳しい指摘も寄せられています。

 なおとさんに聞きました。

―いつから主夫をされているのですか?

「2年半前、長男が生まれてからです。妻は会社の取締役で、僕は農業の仕事を辞めて妻の家に転がり込んでいました。2人で子どもを育てていく上で、僕が家庭のことをやる方が良い、と話し合って決めました。正直、『決断』というより流れでという感じでもあったと思います。妻は比較的裁量がきく仕事なので、産後も育休を取らず家でパソコン仕事などをしていました」

―増えてきたとはいえ、主夫というのは珍しい選択だったのでは。

「周囲は僕たちの選択を尊重してくれました。ただ、僕自身はしっかりした覚悟が出来ていたわけではなく、街中で働く男性を見たり、働きながら子育てしているワーママを見たりすると、やっぱり働いていないことに引け目を感じてしまっていました」

―「最初の1年間は37年間生きてきて一番しんどかった」とも。

「はい。それまで育児といえばオムツと授乳と寝かしつけぐらいだと思っていました。でも実際は、なかなか泣き止まない息子にイライラしてしまって、抑えきれずに発狂してしまったり枕を壁に投げつけてしまったり…。相当なストレスが溜まっていたんだと思います。『心配をかけてはいけない。辛いと言うのは情けない』と、育児の辛さを妻にも言えなくて、どんどん自分の中に辛さを押し込めていました。だいぶ育児にも慣れてきた生後半年くらいの頃、ようやく妻にも辛さを言えるようになって少し気楽に取り組めるようになり、子どもも可愛く思えるようになりました」

―主夫として育児をして気付かれたことは。

「街中で見かけるママたちはソツなく育児をこなしているように見えていましたが、実際はその裏側で途轍もない試行錯誤や我慢の積み重ねをしているんだと気づきました。ママだって、始めは誰しもが育児初心者なんですよね。一方で、子どもの急激な成長を毎日見れるのは楽しいですし、子どもの笑顔に元気をもらえています」

―ネガティブな面も含め、体験の発信を続けておられます。

「ツイッターには救われています。同じように育児で悩む人を見て、1人じゃないんだと思え、僕の小さなつぶやきに『涙が出た』『心が軽くなった』とか言ってもらえると、人の役に立てた気がして嬉しい気持ちになります。『まわりくどい』『気持ち悪い』というコメントもありますが、いろんな考え方の人がいますし、そういう所もツイッターの要素の一つかな、と。正直、めげそうになることもありますが『心が軽くなった』と言って頂ける人に向けて、これからもコツコツ、ボチボチ発信していこうと思っています」

◇      ◇

 「ただ、僕は、男がどれだけ育児するか―とかは周囲がどうのこうの言う問題じゃなく、それぞれの家庭の塩梅でいいと思っています。大事なのは家族が笑えること。夫婦が協力し、得意なことで補い合って子育てしていけたら…というのが本質ですし、我が家ではたまたま主夫という形だった」となおとさん。奥さんは土日や深夜まで仕事をすることもありながら家事育児もし、いつも感謝を言葉にしてくれるそうです。義母の存在も大きく、「僕が育児に専念でき、発信活動をする余裕を持てるのは妻と義母のおかげ」といい、「『あぁ、ママって大変なんやな』と気づいて行動に移せるパパに届けばラッキー。『あぁ、そんなに気を張らなくてもいいんだな』と心が軽くなるママに届けばラッキー。そして、家族に小さなゆとりが生まれ、子どもたちの笑顔が増えたらいいなぁと思っています」と話します。

 一方、世間に目を移せば、痛ましい事件も相次いでいます。なおとさんはつぶやきます。「『この子さえ居なければ楽なのに』と思ってしまって『あんなに欲しかった子なのに』と自分で追い討ちをかけてしまう。わざわざ発信しないけど、そんな経験をしたママも少なくないと思う。子どもが居ない方が楽な瞬間があるのは事実。でもそれは複雑な感情のたった一面であって、あなたの本質ではない」「『産む前に分かるだろ、弱音を吐くな』というスパルタでは育児の辛さは癒やせない。僕はじっくり話を聞いてあげられる保健室のおっさんみたいになりたい」―と。

(まいどなニュース・広畑 千春)

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  • 『イクメン』って、女性が望んだからなのに、当の『イクメン』を女性が下に見下す不思議。
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  • 父親でも頑張れば寝る。母親は出来るようになるまで頑張っただけ。
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