SHINee 笑顔と美声で包みこむオンユ、グループの“キーマン”キー…周囲から愛されるメンバーの魅力を改めて振り返る

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2020年07月12日 10:02  リアルサウンド

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『SHINee WORLD J presents ~SHINee Special Fan Event~ in TOKYO DOME』

 SHINeeのオンユが除隊する。オンユの除隊はもう少しだけ先だと思われていたが、国防部の方針に従い新型コロナウイルス感染拡大防止のため、休暇から部隊復帰はせず、そのまま除隊するという。


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 SHINeeは2018年よりオンユ、キー、ミンホの順に兵役に行っており、現在テミンのみがソロ活動を続けていた。マンネ(末っ子)が1人で頑張っていたところに、最年長でリーダーのオンユ除隊の知らせ。ネットを中心に多くの「おかえりなさい」「待ってました」の声が上がった。2人の名前を聞くと、テミンがピアノを弾き、オンユが伸びやかに歌い上げた「レイニーブルー」を思い浮かべずにはいられない。特に、こんな雨が続く日には。


 SHINeeは、東方神起、少女時代らが所属するSMエンターテインメントから、SUPER JUNIOR以来3年ぶりとなる男性グループとしてデビューした。「コンテンポラリーバンド」という、音楽、ダンス、ファッションなどあらゆる分野で最先端のトレンドを発信するコンセプト通り、彼らの作品は常に時代をリードするものだった。


 仲宗根梨乃、シム・ジェウォン、トニー・テスタなど、先鋭コレオグラファーとタッグを組み、単に曲のリズムに合わせて体を動かす振り付けではなく、体で歌を表現するダンスパフォーマンスを作り上げていった。特に、マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』にも参加したトニー・テスタが手がけた「Everybody」は、見ている者がみんな息をするのも忘れて見守ってしまうほど、まさに圧倒するものだった。


 まだあどけなさが残るピュアな青年たちが、世界を驚かせる洗練された作品を送り出す感動も加わって、SHINeeは瞬く間に人気アーティストとなっていった。怒涛の10年を駆け抜ける中で、ジョンヒョンとの早すぎる別れもあった。いつまでもその悲しみは癒えることはない。だが、4人はさらに強く手を繋ぎ直し、新章を見せてくれようとしている。


 公式HPで『2020 SHINee’S BACK!』と銘打ち、完全体カムバックをカウントダウンするなど、スタッフからも、ファンからも愛されるSHINeeメンバーの魅力を、2回に分けて振り返りたい。もちろん、素晴らしい音楽と共にたくさんの愛をくれたジョンヒョンとの思い出も、改めて胸に刻みながら。


■柔らかな笑顔と美声で包み込むオンユ
 「穏やかで、柔らかい」。オンユという名前には、そんな意味が込められている。その名の通りオンユの笑顔は実に穏やかで、そのフニャッとした笑みが醸し出す柔らかな印象と色の白さが重なり「豆腐」という愛称が生まれたことも。


 そして何よりも魅力的なのは、その歌声だ。SHINeeとしてデビューする前、SMアカデミーでボーカルレッスンを受けていたオンユは、アカデミーの院長推薦で少女時代のショーケースオーディションに参加。そこで会長に抜擢される形でさらなるトレーニングを受け、2年後にSHINeeのリーダー兼リードボーカルとしてデビューすることになる。


 持って生まれた美声が、スターへの道を切り開いたことになるが、そこには彼自身の努力も欠かせない。練習生時代、オンユは多くのライバルがいるレッスン室ではなく、屋上で発声練習をしていたそうだ。当時についてラジオ番組で「空を見ながら歌うのがとても好きで、雲が漂っていてあそこまで声が届くかなと思いながら歌っていた」と振り返ったオンユ。あの伸びやかな歌声は、きっといつもまぶたの裏に突き抜けるような空が広がっているからなのだろう。


 そして、1人で特訓をしていたオンユを見つけたのが、最年少のテミンだった。人は誰かに教えることによって、さらに自分の中でスキルが身についていく。幼いテミンに発声練習を教えながら、オンユの歌唱力もさらに上がっていったに違いない。


 先述した、徳永英明の「レイニーブルー」のカバーに始まり、オンユはSHINeeの歌以外にも様々な楽曲をファンの前で披露している。ときにはオペラ『トゥーランドット』の「誰も寝てはならぬ」を見事に歌い上げたことも。柔らかく包み込む、白い光のような歌声は、一度聞くと忘れられない。あの歌声に包まれる甘美な時間が間もなく戻ってくると考えると、つい頬が緩む。


■SHINeeを体現するキーマン・キー
 SHINeeの持つファッショナブルな印象を作っているのは、きっとキーの存在が大きい。楽曲ごとに大胆なイメージチェンジを行ない、ファンを楽しませてきた。また、Instagramなどで披露される私服もセンス抜群で、ファッショニスタとしての地位を確立。そのファッションへのこだわりは、SHINeeのコンサート衣装をプロデュースするまでになった。


 多くのデザイナーとコラボして、メンバー1人ひとりが持つ魅力を最大限に活かす形でデザインが異なる衣装を発表。それぞれ個性的なはずなのに、全員が揃うと統一感が出るという絶妙なバランスは、SHINeeを愛するキーの想いが投影されているからだろう。


 また、繊細で人間的な性格もSHINeeの持つ雰囲気と共鳴しているように見える。15歳で事務所のオーディションに合格したキーは、ソウルとテグ(車で3〜4時間ほど、高速鉄道で約2時間)の距離を通いながら、練習生生活を送っていたという。できなかった悔しさを1人で抱え、帰り道で涙を流していたというエピソードも語られている。


 しかし、「そんな涙の日々があったからこそ今の自分がある」とキーは言う。日本語も英語も勉強し、グループで最も話せるようになった。韓国以外のファンが増えていったのもキーの努力があったからだろう。


 少し低めのエッジのきいた歌声も、唯一無二の響き。柔らかな声質が多いSHINeeの中で、ピリッと辛めのアクセントになっている。アイドルらしい親しみやすい魅力を持ちながら、可愛らしいだけではないアーティスティックなビジュアルと、ソリッドなサウンド。そんなキーが醸し出す空気感こそが、SHINeeらしさを形作っているように見える。(佐藤結衣)


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