「あつ森」にハマる一之輔 「ゲームは1日30分」ルールの緩和を検討?

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2020年07月12日 16:00  AERA dot.

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写真春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。YouTube 「春風亭一之輔チャンネル」ぜひご覧ください! アーカイブもいろいろあります
春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。YouTube 「春風亭一之輔チャンネル」ぜひご覧ください! アーカイブもいろいろあります
 落語家・春風亭一之輔氏が週刊朝日で連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今週のお題は「県境移動」。

【画像】一之輔氏が「あつ森」の世界に?

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 遅ればせながら「あつまれ どうぶつの森」(あつ森)を始めた。娘(10)の誕生日にプレゼントしたのだが、家族5人全員が自分のキャラクターを作って遊んでいる。

「あつ森」がどんなものかの説明は省いていいですかね? 始めたばかりなので、正直私もよくわかってない。今のところの印象は、『謎の秘密結社「たぬき開発」により離島に飛ばされて、多額の借金を背負わされテント生活をしながら、さまざまな手段でお金を稼いで借金返済を試みるのだが、何かにつけて負債がかさみ続ける蟻地獄』……絵柄は可愛いのだが、中身は『カイジ』な終わりのないゲーム。こんな過酷で陰惨な世界のなにが楽しいのかわからないが、子どもたちはハマっている。やらないと私だけ家族の会話に加われない。やるよね、そりゃ。

 私のキャラは「ぱぱみ」という名の女の子。顔黒で銀髪オサゲ。眠そうな目の出っ歯。「ぱぱみ」はよく顔面を蜂に刺されてボコボコに腫らしている。あんなに刺されたら命に関わると思うのだが、必ず一晩経つと腫れは引いていてなかったことになっている。始めてまだ5日だが、自分で作った「ぱぱみ」には人外なものを感じる。「ぱぱみ」、恐るべし(腫れは誰でも1日で引くらしい)。

 我が家には「ゲームは1日1人30分」という厳格なルールがあるのだが、「あつ森」で1日30分はあり得ないらしい。あつ森ユーザーに言わせると「そんなペースじゃなにも進まない」と。一人がプレイしている30分間、他の4人は周りで「あーだこーだ」言い続けるのだが、私のようなゲーム慣れしていないおじさんは子どもにはじれったいようだ。

 釣りをしていると「竿引くの早すぎだよ!」。果物食ってると「そんなに食っても意味ないよ!」。カバに話しかけると「30分しかないのに時間がもったいないよ!」。ぼんやり歩いてると「Bボタン押せば速く走れるのに!」。うるさいな、おい。

 たしかに30分は短すぎる。今日もブラックバスを1匹釣って、貝殻を数個拾っただけで終わってしまった。飛行機で他の島へ旅行も出来るようなのだが、30分じゃその費用も貯まらない。「『たかとびぼう』は作ったの?」と次男。『たかとびぼう』なるものを作ると川を飛び越えてむこうへ行けるらしい。作ってみた。おい、早く教えてくれよ。なんだ、めちゃくちゃ楽しいじゃないか。川のむこうには花や木の実や魚や貝殻。お金が落ちてたり、化石が埋まってたり。

 キャッキャと言って遊んでたら、あっという間に30分。タイムアップ。行動範囲を広げると時間内に出来ることが自ずと散漫になってしまう。かといって自分のテントの周りでウロウロしててもなんも面白くない。斧を作って、近所の家をガンガン叩いて回ると「ガチーン! ガチーン!」と金属音がして気分は晴れるのだが、子どもの手前そんなことばかりしてると心配されてしまう。30分ルールを親の権限で緩くしてみようか……とも思うが、自分も含め歯止めが利かなくなるに違いない。

 明日は4カ月ぶりにリアルに飛行機に乗って『県境移動』で長崎独演会。「ぱぱみ」なら長崎でひと暴れするとこだろうが、私は大人しく日帰り。感染予防に万全を尽くして臨みたい。密を避けて、集まれ、お客さん。

※週刊朝日  2020年7月17日号

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