阪神ボーアに「怖さはない…」 復調気配も、新助っ人に拭えぬ“不安感”

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2020年07月13日 16:00  AERA dot.

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写真今季、阪神浮沈の大きな要因となりそうなボーア (c)朝日新聞社
今季、阪神浮沈の大きな要因となりそうなボーア (c)朝日新聞社
 ホンモノか? それとも……。

 昨シーズンはセ・リーグ最下位の得点力だった阪神の浮沈は、野手の新助っ人の働きにかかっているといってもいい。

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!

 ジャスティン・ボーアとジェリー・サンズ。

 開幕から自慢の長打力を垣間見せてはいるが、2人の“覚醒”は果たしてあるのか。もしくは阪神のダメ外国人選手獲得の歴史が、今年も続いてしまうのか。

「日本一しか狙っていない」と矢野燿大監督は宣言したが、開幕からスタートダッシュに大失敗。巨人に3連敗を喫したあとも、各カードの負け越しが続き早々と10敗に到達した。だが、7月4日の広島戦から4連勝するなど、調子を上げてきている。

 ボーアは開幕から18打席連続無安打と、チーム不調の象徴的存在となったが、7月5日の広島戦からの5試合で3本塁打と復調の気配を見せている。練習試合で不振が続いたサンズも開幕2軍スタートとなったが、昇格後は先発メンバーとして出場する日々が続く。両助っ人の成績がチームの勝敗に結びついている感もあるだけに、今後の活躍にも期待が高まる。

 しかし阪神担当記者は、これまで野手の“ダメ助っ人”を多く生み出した球団だけに、まだまだ未知数な部分は多いと語る。

「阪神の外国人は、球団内の渉外担当とパイプが太い代理人に任せる場合がほとんど。代理人は選手を売り込んでナンボ。多少、欠陥があってもそれは出さず、良い情報だけを伝える。外国人はハマれば良いが、阪神の場合ハマらない選手との契約が多い。これでは何人いても意味がなく、無駄遣いもいいところ」

 新型コロナウイルス禍による日程短縮の影響で、今季は外国人選手5人の一軍登録が認められた(ベンチ入りは4人)。球団史上最多となる8人の外国人選手が在籍する阪神は、数の上で絶対的に有利な立場にいるはずだ。

 ボーアは09年カブス入団後しばらくマイナー生活が続いたが、13年ルール5ドラフトでのマーリンズ移籍が転機となった。メジャー定着を果たし17年には打率.289、25本塁打、83打点を記録するなど、メジャーでもその長打力は際立っていた。18年途中にフィリーズにトレードで移籍し、その後エンゼルスを経て阪神と契約を交わした。

「バースの再来や」

 85年の日本一の立役者で三冠王2度、NPB記録となるシーズン打率.389のランディ・バース。阪神ファンの多くがメジャー通算92本塁打の左打者に、『神様・仏様・バース様』を重ね合わせる。

 だが、某球団スコアラーは、現状はそこまで怖さはないと断言する。

「米国投手は投球フォームの中に『間』がない。また平均球速も5キロほど速い。それに対応するタイミングが身についている。速い球に力負けしないで打ち返す、プルヒッターなのはそのため。日本人投手のフォームのクセに合わせて、打撃フォームにも『間』を作らないと合わない」

 実戦が始まってから左投手に苦労したのもそのためだ、と続ける。

「力強くスイングするために始動も早く開き気味になる。左投手の外角球などはボール球に見えているはず。パワーはあるのだから、多少遅れても良いから引き付けて、センターから逆へ打ち返す意識が必要」

 一方、昨年の韓国プロ野球で打点王となったサンズの場合はどうか。

 サンズはドジャース、レイズなどメジャー4球団、その他球団傘下のマイナー、独立リーグなどでプレーした『ジャーニーマン』。米国では出場機会に恵まれず、代理人を通じて18年途中に韓国・ヒーローズに売り込みをかけ移籍した。内外野守れる器用さと勝負強さが持ち味だ。タイトルホルダーという実績とともに、ハングリー精神の強さも高く評価された。

「サンズは勝負強さに定評はあるが、30歳を超えてもメジャーに定着できなかったのは、どこかが足りない」と阪神担当記者は懸念点を語る。

 また、韓国プロ野球のレベルを考えることも大事、と語るのは某球団スコアラー。

「平均的に見て韓国プロ野球投手はNPBの1.5軍レベル。中には素晴らしい投手もいるが、そうではない多数派から打てば打点は稼げる。打点王という肩書ではなく、対応力があるかどうか」

 開幕は2軍スタートだったが、NPBの野球を知るためには良い時期だったのではないか、とも加える。

「韓国の方が米国に似た野球をする部分がある。来日してそこで戸惑いがあったのかもしれない。パワーはあるので、適応してコンパクトにスイングできれば確実性も上がる」

 対応力という部分では未知の部分も多いが、パワーについてはボーア同様に魅力的であるのは間違いない。

 ボーアは6月24日のヤクルト戦で来日初安打を放つと、7月1日の中日戦では課題の左投手から来日初本塁打。5日の広島戦では満塁本塁打と結果を残し始めている。

 サンズも1軍昇格したばかりの6月27日、DeNA戦の9回に守護神・山崎康晃から逆転3ラン。7月5日の広島戦でも2号弾を放つなど、長打力も発揮し始めた。

「ボーアの調子も上がってきた」
「サンズにはあっぱれを」

 阪神OBの掛布雅之氏は、日曜朝のTBS系『サンデーモーニング』内で張本勲氏を前に胸を張っていたほどだ。

「外国人選手は長い目で見ないとわからない。開幕から各対戦カードを2〜3周しないと真価は語れない」

 多くの解説者が活躍を予想する難しさを語る。

 各国野球事情が異なるのは当然。どんなに優れた選手でもそれに順応するには時間がかかる。しかし、それができずにシーズン途中で帰国してしまう選手すらいる。

 超人気球団・阪神だけにファンや関係者が求めるものは当然、高い。しかしそうした期待を裏切る数が、圧倒的に多いのは気のせいか。

「何度目のバースか?」

 ガッカリさせられたケースは数えきれない。

「ボーアが打率.260、30本塁打、サンズは打率.280、20本塁打なら大成功。他球団には脅威になる」

 某球団スコアラーは語るが、果たして……。

このニュースに関するつぶやき

  • MLB時代は城島健司みたいな成績なので、.280で25本くらい期待できそうな気がしてきた。
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  • サンズはまだ��だけど、ボーアはもっと打てるexclamation
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