近い未来に非侵襲的な卵巣予備機能検査が可能になる

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2020年07月14日 20:01  妊活・卵活ニュース

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非侵襲的な卵巣予備機能検査
バルセロナ大学の研究チームは、ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)の「ESHRE会議」(オンライン開催)にて、生殖ホルモンであるAMH(アンチミューラリアンホルモン/抗ミュラー管ホルモン)は、ヒト毛髪サンプルから正確に測定でき、近い未来、卵巣予備機能の非侵襲的な検査が確立すると示唆した。

AMHは、卵巣において、卵胞の発育過程で分泌されるホルモンである。AHMは卵巣年齢や卵巣予備機能の評価指標であり、不妊治療に対する反応を評価できる。

これまで、複数の研究論文では、AMH値と妊娠・出産の可能性、閉経時期の予測において相関関係は成立しないと報告されているが、一方、AMH測定は、体外受精の卵巣刺激に対する反応性(無反応、通常反応、過剰反応)、過剰反応による卵巣過剰刺激症候群を評価する固有マーカーとなっている。

毛髪のAMH値と血中のAMH値における相関関係
現在、AMHは、採血を行い、血液サンプルから採取した血清にて測定する。検査時間は短時間であるが、採血には、比較的に痛みを伴う。今回、研究チームが、毛髪のAMH値を検査したところ、血清と比べ、非侵襲的な検査であり、より適した量のホルモンがあると認められた。なお、女性152人の毛髪および血液を用いて、検証は継続中である。

研究チームは、毛髪サンプルから、生物学的な関連のあるAMH値の検出に成功し、毛髪のAMH値には、血中AMH値および胞状卵胞数(AFC)と強い相関関係があると認められた。また、同年代を対象としたコホート研究では、毛髪検査によって幅広いAMHレベルを検知でき、血液検査と比べて精度は高いと推定される。

AMHは、数ヶ月に亘って毛髪に蓄積されるが、血中ホルモン値は時間によって変化する。例えば、毛髪は数週間に亘ってバイオマーカーが蓄積できる媒体であるという。さらに、毛髪のAMH値を測定することで非侵襲的に卵巣予備機能を評価できる。

(画像はeshreより)

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