妻が出産のため退職 - 生活できるか判断するには?

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2020年07月16日 11:02  マイナビニュース

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共働きの家庭が多い現代において、子どもが生まれても、育休取得や時短勤務を経て、妻が仕事を続けるケースも珍しくなくなったように思います。とはいえ、仕事と子育ての両立は難しく、妻が退職する家庭は予想以上に多いのです。

退職する際、気になるのが金銭的に大丈夫かということ。そこで本稿では、出産を機に妻の退職を考えている場合、生活費や将来の教育費など、どのような点に気を付けて判断すればいいのかをまとめてみました。

○妻が仕事を辞めても大丈夫?

育休や時短を活用し、出産後も仕事を継続する女性は増えている印象があります。しかし、データを見てみると、現状は必ずしもそうとは言い切れません。

厚生労働省の「平成30年 国民生活基礎調査の概況」によると、「末子(一番下の子ども)が0歳の時の母の仕事の状況」は、「仕事なし」が「54.9%」、「正規の職員・従業員」が「27.4%」です。出産間もない0歳児の母親の中で、仕事をしていない人の割合は、産休・育休を取得しながら正社員を続ける人と比べて2倍であることがわかります。

「仕事なし」の中で、どのくらいの割合の人が出産を機に仕事を辞めているかはこのデータからは明らかではありません。しかし、出産しても育休を取り仕事を続ける人は、案外少ないと感じたのではないでしょうか。また、育休と時短勤務を活用して職場復帰したものの、子育てと仕事の両立が難しくやむを得ず退職したケースも耳にします。

このように、「子どもが小さいうちは、妻が仕事を辞めて子育てに専念する」という選択肢を持つ家庭は珍しくありません。しかし、気になるのは妻の退職による収入減です。子どもが小さいうちは、子どもにかかる費用は比較的低く抑えられますので、夫だけの収入でも生活できるかもしれません。

子どもの出産による支出増は、1ヶ月あたり1〜3万円程度の家庭が多いため、「このくらいの増加なら夫だけの収入で生活できる」と判断してしまいそうです。しかし、子どもが成長するにつれ、教育費や生活費は高くなる傾向にありますし、仮に生活できたとしても貯金する余裕がなくなる可能性もあります。

さらに、考慮すべきなのは子どもの教育費だけではありません。たとえば、自分たちの老後を考えた時、公的年金だけでは生活がままならないとすれば、自助努力で不足分を蓄えておく必要があります。住宅購入を考えるなら、その費用も度外視できません。

妻が退職しても問題ないかの判断は、家計に赤字が発生しないかどうかだけでなく、将来的に支出が増える可能性や、その金額を計算したうえで総合的に下す必要があるのです。
○子どもの教育費は安くはない

たとえば、子どもにかかるお金は成長とともにどのように変化するのでしょうか。文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」によると、幼稚園から高等学校までの「学習費総額(保護者が支出した1年間・子ども一人あたりの経費)」は、以下の通りです。

幼稚園……公立22万3,647円、私立52万7,916円
小学校……公立32万1,281円、私立159万8,691円
中学校……48万8,397円、私立140万6,433円
高等学校(全日制)……45万7,380円、私立96万9,911円

公立と私立では金額に大きな差がありますが、公立を選択した場合でも、幼稚園から小学校、小学校から中学校と進学するにつれ学習費が上がることがわかります。さらに、私立を選択すると、金額はぐんと跳ね上がります。では、大学はどうでしょうか。

文部科学省によると、平成29年度の国立大学の授業料は535,800円、入学料は282,000円(国が示す標準額)、公立大学の授業料は538,294円、入学料は394,225円となっています(入学料は地域外からの入学者の平均)。また、「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額」のデータから計算すると、私大文系の初年度の納付金は116万6,922円、次年度からは年間93万6,925円がかかっています。

もちろん、これは子ども1人当たりの金額ですので、2人3人といれば2倍、3倍になります。「全て公立に通っても1人1,000万円かかる」と言われる教育費ですが、進路によってはそれを大きく超えることもあります。将来の進路を子どもが小さいうちから明確にするのは難しいですが、大まかな教育費は割り出しておきましょう。

また、多額の教育費を前にして共働きを継続する家庭は多いですが、一方で、「それなら一度仕事を辞めて、子どもに手がかからなくなったら復帰すればいい」と考える人も少なくありません。しかし、一度仕事を辞めてしまうと、正社員で再び働ける人はごくわずかなのです。実際多くの人は、パートなどの非正規雇用に就いています。

子どもが大きくなった時、教育費や生活費が増えたとしても、「妻がパートで働けばやりくりできる」というなら問題ないでしょう。しかし、教育費以外にも様々なライフイベントにかかるお金を総合的に考え、退職は冷静に判断しましょう。

なお、雇用形態や収入が変わると将来の年金受取額などにも影響を及ぼすことがあります。出産による退職は、「生活できるかどうか」だけでなく多角的に考えることが必要なのです。
○夫婦で納得のいく選択を

母親になっても女性が働き続けることが当たり前の時代になったとはいえ、子育てとの両立は簡単なことではありません。収入のために仕事を続けたくても叶わない場合もありますし、「仕事を続けた方がいい」とは一概には言えないのが現状です。

ただ先述の通り、一度辞めてしまうと、正社員で仕事に戻れる人は多くありません。一方で、副業によるダブルワークや起業などで収入を維持する方法もあります。夫婦でよく話し合い、納得のいく働き方、生き方を選択しましょう。

○武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント

会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中(武藤貴子)

このニュースに関するつぶやき

  • 結婚する前に考えなさいな…
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  • そう考えると育休を3年取れると良いのに。でもその3年間を誰が代わりをしてくれるかって事が重要 になってしまうよね。
    • イイネ!3
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