暴風雨直撃の南ア・ケープタウン 住民が自作ボートで道路を渡る様子に政府批判の声も

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2020年07月16日 14:02  Techinsight Japan

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洪水に慣れている様子の住民(画像は『IOL 2020年7月14日付「WATCH: Cape man seen ‘paddleboarding’ through flooded informal settlement」』のスクリーンショット)
南アフリカのケープタウンでは13日から寒冷前線が通過し、凍えるような寒さの中で暴風雨が襲った。毎年のことながら屋根が飛び、木が倒れたりという被害が発生したが、南アフリカのメディア『IOL』では自作の簡易ボートで道路を渡る男性の様子を伝えている。

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13日の朝、ケープタウンの海沿いの地区では、強風により波が海岸に打ちつけられてできる「波の花」と呼ばれる泡が道路まで覆いつくし、通行困難となった。木も根元から道路に倒れて通行不可になった場所も多く、さらには庭にあった大型のトランポリンが風で飛ばされて街灯に激突する光景も伝えられた。暴風雨で被害が甚大なのは、低所得者層の住むタウンシップだが、家屋や商業ビルの屋根に被害が出たり、電気設備が壊れて停電となったエリアも出た。ある小学校ではプレハブの建物だったため校舎が倒れ、トイレがむき出しとなり、ようやく再開した学校だったが閉鎖されてしまったという。しかも下水設備が整っていないことから、雨が降るたびに洪水となり、水はけが悪いため道路や家は膝のあたりまで水に覆われた。

そんな中、川のようになった道路の上を男性が自家製の簡易ボートで進む様子がSNSに投稿された。この場所はおそらくケープタウンの巨大タウンシップ、カエリチャ(Khayelitsha)と見られている。人々が膝までつかりながら歩いている中で、彼はベニヤ板をボートにして、プラスチックの椅子を真ん中に置いてそこに座り、木の棒で押しながら進んでいるのだ。この動画に「民主化になって20年以上経つのに、まだこんな生活をしている人がいる」と政府への批判の声も出ているようだ。

被害の大きかった地区の担当者コリサ・ングウェカジさん(Xolisa Ngwekazi)によると、このような洪水は毎年発生しており、その対策計画は市に提出しているとのこと。しかし市はこの地区の開発事業にばかり注目しており、洪水対策を無視しているそうだ。一方でケープタウン市は翌14日に災害リスク管理チームが被害の大きかった地区を視察、低所得者地域住宅管理チームは洪水対策にプラスチックのシートを配布した。そして市の交通課も道路に撒く砂などを提供したという。



画像は『IOL 2020年7月14日付「WATCH: Cape man seen ‘paddleboarding’ through flooded informal settlement」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)

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